いよいよ直前に迫った<FUJIROCK’16>(以下、フジロック)。レッチリにベックにシガー・ロスと、20周年にふさわしいラインナップでとても楽しみです。
突然ですがプロフィールにも記載してある通り、僕はDJでありクラバーなので週末はたいていCLUBにいます。CLUBで遊んでいるときに<フジロック>の話題をしても、「<フジロック>行きたいんだけど遠いよねー」とか、「野外だから陽で焼けるの嫌だなー」とか、「バンド系は知らないんだよねー」とか言われてしまいます。
最高のサウンドシステムから素晴らしい音楽が鳴っていて、酔っ払って気の合う仲間たちと踊る。それはCLUBも<フジロック>も同じです。違うのは<フジロック>は大自然の中で行われているということ。大雨も降れば虫も出るし、昼は照りつける太陽が熱く、夜は凍えるほど寒くなることもある。都会のCLUBで遊び慣れているクラバーにとっては厳しい環境かも知れません。
それでもクラバーの僕が<フジロック>に行く理由は、<フジロック>にしかない魅力がたくさんあるから。反響の無いステージで聴くDANCE MUSICはCLUBと同じ曲とは思えないほど開放的だし、とてつもなく大きなスクリーンに映る映像はまるで映画の様だし、会場の至るところにあるデコレーションはとても可愛く、なによりふと見あげるとすごそこに満点の星空があるのが最高。
特に今年はRAVEシーンを感じさせるPARTY<オールナイトフジ>が復活するし(残念ながら屋外では無くなった模様)、主宰者の日高さんが眠らせないと断言するあたり、-フジロック生みの親、日高正博氏インタビュー『完結篇:今年は“寝ないフジロック”がテーマ』-、夜のFUJIROCKがますます楽しみになること間違いなし。パレス・オブ・ワンダーのアトラクションや、岩盤ブースでの飛び込みDJなど、クラバーが楽しめるコンテンツがたくさん揃っています。クラバーのみなさん、<フジロック>へ行ってみませんか?
さて、ここからはクラバーのみなさんに向けた、<フジロック’16>おすすめアクトを紹介致します。
FLIGHT FACILITIES
オーストラリア シドニー出身のNU DISCO ユニット「フライト・ファシリティーズ」。ここ数年におけるオーストラリア NU DISCOシーンの盛り上がりを担ってきたレーベル〈Future Classic〉より、数々のヒットチューンをリリースしています。NU DISCOが好きなクラバーにとってはおなじみのバンドではないでしょうか。
かねてより彼らのLIVE SETはOPEN AIRの会場で聴きたいと思っていたので、待望の初来日が<フジロック>でテンション上がりました。初日のホワイトステージ 陽が落ちる時間での出演。夕焼けで空がオレンジに染まる時間に、”Sunshine”を聴きたいなぁ。
Flight Facilities / Sunshine feat. Reggie Watts
DISCLOSURE
「ディスクロージャー」について多くを説明する必要はないでしょう。イングランド出身のローレンス兄弟によるエレクトロ・デュオ。BPM100前後のUK GarageやDeep houseをベースにしながら、数万人のオーディエンスを踊らせるセンスを持ち得ている稀有なバンドです。
2nd Album『Caracal』では、盟友サム・スミスに加えて、ロードやザ・ウィークエンドなど豪華なゲストが参加しています。グラミーにもノミネートされ世界各地の大型フェスでのキャリアを積んだいま、ホワイトステージのトリでどんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみです。
Disclosure / Magnets ft. Lorde
TODD TERRY
NY HOUSEを代表するDJ / Producer「トッド・テリー」。
NY出身の彼はシカゴから持ち込まれたHOUSE MUSICに、カットアップやサンプリングといったHIP HOP的な手法を持ち込み、HOUSE MUSICを新たなフィールドへと進化されたProducerとして知られています。
フェスティバルの面白いところは、キル・ザ・ノイズのようなEDMのアーティストと、バウアーのようなビルボード1位のアーティストに並び、トッド・テリーのようなレジェンドがいることだと思います。いちHOUSE MUSIC LOVERとして他のアクト目当てのオーディエンスがトッド・テリーのパフォーマンスを観て、HOUSEも好きになってくれたらいいなぁと思っています。
Todd Terry / Jumpin’
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