かつて「Electraglide」という伝説的フェスを開催したBeatinkが、いよいよ再び狼煙を上げる。パートナーにはデジタルアートの最前線を走り続ける真鍋大度が選ばれた。

日本の才能の「輸出」が注目される昨今だが、<FUTURE FREQUENCIES FESTIVAL 2026>が目指すのは世界中の才能と熱狂を日本に「集結」させること。その絶対的な特別感を体現すべく、新たなアートの中心地・MoN Takanawaの全面LEDステージが舞台に選ばれた。​

ただ一つ確かなのは、出演アーティストにとってもこれが単なるツアーの一環ではない、極めて特別な意味を持つショーになるということだ。

今回はフェスの開催に先駆け、漂流音楽が独自の視点でラインナップを紐解く「ARTIST TO WATCH」と、国内インディペンデント・シーンの最前線に身を置く5名のアーティスト・クリエイターたちから寄せられた特別寄稿「VOICES FROM THE SCENE」を一挙公開する。

✴︎ ARTIST TO WATCH ✴︎

ここでは、漂流音楽のメンバーが過去にライブを体験し、ぜひ現場で観てほしいと確信した4組をピックアップ。それぞれのステージで受けた衝撃と、今回のフェスで目撃すべき理由をリアルな視点で紹介する。

Joy Orbison

新たな狼煙が上がる2日間。漂流音楽が選ぶ<FUTURE FREQUENCIES FESTIVAL>注目アクト & 5人の特別寄稿 Joy-O-scaled
7.11 SAT 20:00 - Box1000
2009年、陶酔的な「Hyph Mngo」でポストダブステップの大衆化を決定づけた雄は、2024年「flight fm」のたった3音の──そう彼自身が語った音楽で、またもや世界に新たなムーブメントを生み出し、いまや巷にはリースベースをかき鳴らした音楽に溢れている。UKベースが世界を席巻する今、そのなかでもPeter O’Gradyが特別な理由。それは、彼自身が新たなサウンドの発信源であるからだ。Peterのかける音楽は我々をまた次の時代へと連れて行ってくれる。しかし注意しておきたい。今回のセットであなたが熱狂するであろう音楽はまだリリースされていない楽曲だろう。世界がまた変わるのはもう少し先かもしれない。

KNOWER

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7.12 SUN 19:45 – Box1000
KNOWERの真価はライブでこそ発揮される。Genevieve Artadiの軽やかでチャーミングな歌声と、Louis Coleの超人的なドラミングを軸に、卓越した演奏技術を持つメンバーたちが複雑なアンサンブルを寸分の狂いもなく鳴らしながら、とびきりポップなグルーヴで迎え入れてくれる。高速のダンスミュージックから、息を呑むようなスローナンバーまでお手のもの。とりわけLouis Coleのドラムは、生で目にするとマジで人力か?と疑いたくなるほど。複雑なリズムやユーモアあふれる楽曲は、生演奏になることでさらに躍動感を増し、気づけば彼らの音に身を預けているはずだ。世界屈指のプレイヤーたちによるFull Band Showを目の前で体感できる、ライブの醍醐味をあらためて感じさせるステージになるだろう。

Loraine James

新たな狼煙が上がる2日間。漂流音楽が選ぶ<FUTURE FREQUENCIES FESTIVAL>注目アクト & 5人の特別寄稿 Loraine_James
7.11 SAT 16:30 - Box1000
ノース・ロンドン出身の電子音楽家、Loraine James。IDM、アンビエント、R&B、ジャズを自在に横断しながら、断片的な記憶や揺れる感情を、細かく切り刻まれたビートと予測不能な展開へ変えてきた。複雑なリズムや鋭い電子音が次々と姿を変えていく一方、その奥には音の中をめぐる生々しい体温を感じる。最新作『Detached From The Rest Of You』では、自身の声をこれまで以上に前へ押し出し、彼女自身が冗談交じりに「IDMポップスター・アルバム」と呼ぶ新境地へ。混乱と静けさが同時に鳴る音楽は、頭で追いかければ追いかけるほどに、いつの間にか身体へ染み込む。植物が呼吸する温室のような音の空間が、MoN Takanawaにどう立ち上がるのか。ぜひ目撃してほしい。

Kassa Overall

新たな狼煙が上がる2日間。漂流音楽が選ぶ<FUTURE FREQUENCIES FESTIVAL>注目アクト & 5人の特別寄稿 KassaOverall-scaled
7.12 SUN 18:00 – Box1000
サンプリングから始まり生演奏の融合を経て進化してきたジャズとヒップホップの歴史。その最先端に君臨するのがKassa Overallだ。昨年の『CREAM』ではヒップホップ・クラシックをジャズで再構築し、両ジャンルの本質的な対話を証明してみせた。彼の実験精神がライブの現場に持ち込まれたとき、その狂気はさらに跳ね上がる。それを確信したのが、名盤『ANIMALS』を引っ提げた2023年のWWW X公演だ。フロアで目の当たりにしたのは、スリリングな音の応酬と、変則ビートを叩きながらラップを乗せる彼の異次元な姿。彼がマイク一本になると別のメンバーがドラムへ滑り込み、さらにバンドをドライブさせる。加速する展開は鳥肌モンで、終演後すぐに「絶対朝霧で観たほうがいい!」と友人に言い回ったほどだ。当時の対バン相手だった長谷川白紙に続く出順も粋。DAY2、人々の魂をジャックするのは間違いなく彼だろう。

✴︎ VOICES FROM THE SCENE ✴︎

このラインナップに共鳴した、シーンの最前線で活動する5名のアーティスト/クリエイターから寄稿が到着。伝説の復活への期待、Warpの怪物が魅せる破壊と構築、そしてそれぞれの音楽的原体験。鋭い視点で綴られた言葉を通して、FFF 2026の輪郭をひと足先に感じてほしい。

DNG – DJ

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クラブシーンの片隅に身を置くDJといたしましては、The Sabres Of Paradiseの出演に注目しています。80年代末のアシッド・ハウス勃興に端を発するUKレイヴ・カルチャー以降の近未来的ノスタルジックな音が、現代トップDJsーーJane FitzやVladimir Ivkovic、Ivan Smagghe等…日本人でいうとDJ MasdaやDr. Nishimuraも含まれるかもしれませんーーの手によって昇華されていく昨今。再発された『Sabresonic』及び『Haunted Dancehall』等を比類無きミクスチャー古典として、あるいは約30年前の過去から先進的サイケデリック・シーンを直撃する傑作として聴くことができるでしょう。90年代当時グループを率いた御大、Andrew Weatherall亡き現在ですが、懐古以上の発見と興奮がありそうですね。

藤本夏樹 – Musician

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自分がLoraine Jamesを知ったのは割と最近で2023年のアルバム「Gentle Confonation」がリリースされた頃でした。切り刻まれたIDM的ビート、漂うようなシンセ、彼女の声の混ざり合うバランスが自分の中ではとても新しく感じたのを覚えています。柔らかさや包容力と、鋭さや爆発力のバランスについて自分自身もよく考えているので参考にした面もあります。今年の5月に出した最新アルバム「Detached From The Rest Of You」では過剰な肉体性は少し抑え、メロディや楽曲全体の掴みやすさを押し出しながらも前衛性を失わないバランスを生み出していて、現在進行形で音楽の地平を切り拓いてるアーティストの1人だと思います。インタビューを拝見したところライブセットの機材もアップデートしたようでライブを見るのが楽しみです。

Manaha – DJ/Editor

新たな狼煙が上がる2日間。漂流音楽が選ぶ<FUTURE FREQUENCIES FESTIVAL>注目アクト & 5人の特別寄稿 Manaha
ハウスDJでありながら、編集という仕事柄か、雑食気味な自分にとって、Future Frequencies Festivalのラインナップは心躍らずにはいられない。ベースミュージックの盛り上がりをその時々の距離感で眺めてきた20代。友人たちはThe Trilogy Tapes周辺に夢中で、コロナ禍にリリースされたJoy Orbison『still slipping vol.1』は、振り返ってみると自分にとってもひとつの区なりとなる作品だった。今でも「in drink」なんかを聴くと、あの頃の空気が鮮やかによみがえる。ここ数年は、コンテンポラリージャズのライブに足を運ぶ機会が増え、10代の頃に親しんだヒップホップの名曲をジャズとして再解釈したKassa Overall『Cream』も昨年繰り返し聴いた。さまざまな時代の記憶を重ねながら、それぞれのアーティストの現在地を見届けたい。

gai seki – Percussionist

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初めてKassa Overallの「Still Ain’t Find Me」を聴いた時、その音楽がどのような手続きを経て生まれたのか、まったく想像がつかなかった。壊すことが、そのまま創ることになっている。以来、KEXPやTiny Deskをはじめ数々のライブを追い、そのたびに楽器や編成という枠組みさえ更新してしまう再構築の瞬間に立ち会ってきた。最新作『CREAM』は、その思想をさらに推し進めた作品だ。ヒップホップがジャズを引用する時代を折り返し、今度はジャズがヒップホップの記憶を身体ごと演奏する。編集もオーバーダブも介さない一発録りは、過去への回帰ではなく、即興という時間の中で未来を書き換える行為でもある。破壊と構築は対立ではなく、同じ円環の上にある。その特異な音楽が、今回どのような輪郭を描くのか、期待せずにはいられない。

kenchantokyo – VJ

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Brainfeeder契約前のLouis Coleを渋谷354clubで観たことがある。 センター街交番横の地下、5,60人入ったら息苦しい箱で生ドラムを叩きながら歌い、妙にキャッチーなライブをする彼を見てから9年が経ったらしい。 Andrew Weatherallを知らなくてメッセでのDJを観れなかったことがある。electraglide 2012が自分にとっての何かしらの原体験になってから14年が経ったらしい。BeatinkがMoN Takanawaで新しいことを始めるらしい。 観れなかったWeatherallのDNAをThe Sabres of Paradiseで体験するのが個人的には楽しみ。当日、これらの素晴らしいアクトが、足を運ぶ人々の何かしらの原体験になったらいいなぁ、と思う。

FFF Time Table

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FFF Playlist

Text by 漂流音楽

EVENT INFORMATION

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FUTURE FREQUENCIES FESTIVAL 2026

lineup:
DAY1 – 7.11(Sat) Joy Orbison, The Sabres Of Paradise (Club Set), Nosaj Thing x Daito Manabe, Loraine James, Marihiko Hara, Mount XLR, Keigo Yoshida, Sogen Handa, Alminium
DAY2 – 7.12(Sun) Knower [full band show], Kassa Overall, Hakushi Hasegawa, YPY, Kei Matsumaru, Takuma Nakata
venue:MoN Takanawa: Box1000 / Box300
time:Open/Start 15:30
主催・企画制作:Studio Daito Manabe / Beatink / Fil
共催:MoN Takanawa: The Museum of Narratives
協力:Arts Council Tokyo
tickets:
1日券 | 1 Day Ticket
– DAY1(Standing): 12,000円(税込)
– DAY1(2F指定席-Box1000): 14,000円(税込) ※メインフロア(Box1000)の2階指定席付き
– DAY2(Standing): 14,000円(税込)
– DAY2(2F指定席-Box1000): 16,000円(税込) ※メインフロア(Box1000)の2階指定席付き
通し券 | 2 Day Ticket
– Standing: 23,000円(税込)
– 2F指定席(Box1000): 27,000円(税込) ※メインフロア(Box1000)の2階指定席付き
★イープラス https://eplus.jp/fffestival2026
★LAWSON TICKET https://l-tike.com/fffestival2026
★BEATINK https://beatink.zaiko.io/e/fffestival-2026

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漂流音楽

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漂流音楽(Hyoryu Music)は、2022年2月16日に国内外の音楽を紹介するメディアとしてInstagramを拠点に活動を開始。新譜情報を中心に、フェスやライブ情報も発信している。活動開始同年には初の紙媒体『漂流音楽マガジン VOL.1 -too many music to follow…-』を刊行。以降も制作を続け、現在はVOL.4まで刊行している。DJコレクティブとしての顔も持ち、渋谷 club bar FAMILYにて自主企画イベント「NEIGHBOR」を毎月開催中。ジャンルの壁を超えた音楽体験を届けることを軸に、メディア・出版・イベントの三つの軸で活動を展開している。

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