SM ENTERTAINMENT が輩出した BoA、東方神起、SUPER JUNIOR、少女時代、SHINee、EXO、Red Velvet、NCT、aespa、RIIZE など、世界的アーティストの日本活動をマネジメントしてきた SM ENTERTAINMENT JAPAN から、全員日本人で構成されたガールズグループ・GPP(ジーピーピー)がデビューする。オーディション番組出身者やトップダンサー、モデル、女優など、全く異なるバックグラウンドを持つ8人は約1年半にわたるK-POP 直伝のトレーニングで個性と表現力を磨き上げてきた。ダンスの緻密さや歌唱の生々しさ、そしてグループとしての一体感は、デビュー前とは思えない完成度を誇る。
そして2025年12月16日には、デビュー曲「Bring it Back」のデジタルリリースが決定。正式デビューを目前に控えた彼女たちの、楽曲に込めた思いとその素顔に迫った。
INTERVIEW
GPP

8つの個性が重なって生まれたGPP
──まずは1人ずつ自己紹介をお願いします。(※写真左から順に紹介)
LUNA:熊本県出身のLUNAです。中学生の頃からモデルとして活動していて、長い手足を生かしたダイナミックなダンスと、曲に入り込む力が強みです。チームの癒し担当です。
MIKA:最年長のMIKAです。4歳からずっと続けてきたダンスが自分の強みです。グループの中では、メインダンサーとしてパフォーマンス面を引っ張っています。
MOMOKA:静岡県出身のMOMOKAです。幼い頃からバレエやダンス、ミュージカルに取り組んできて、以前はモデル、俳優として活動していました。特徴的なハスキーボイスが強みです。グループの中では、話し合いのときにみんなの意見をまとめることが多いです。
ANAMI:長年続けてきたクラシックバレエと、高い運動神経を融合させたパフォーマンスが強みのANAMIです。メンバーのボルテージを上げるエネルギー担当です! みんなからはよく、声が大きいと言われます。
RINKA:愛知県出身のRINKAです。テンションが高く、よくストイックな性格だと言われます。小さい頃からずっと歌とダンスを続けて、グループ活動も経験してきたので、オールラウンダーとしてメンバーを支えられるようにがんばりたいです。あと、ごはんをいっぱい食べます!
HONOKA:メインボーカルを担当しているHONOKAです。声にパワーがあるとよく言われるので、自分の声でいろんな方の人生を豊かにしたいです。グループではお掃除担当で、宿舎の水回りをこまめにアルコールで拭いています。
SARA:ムードメーカーで、いつもポジティブなSARAです。幼い頃からモデルやキッズダンサー、歌や演技など、いろいろな活動をしてきました。パッションあふれるパフォーマンスに注目していただきたいです。
MIA:ミステリアスな雰囲気と英語担当のMIAです。埼玉で生まれて、8歳から19歳までイギリスに住んでいました。コロナ禍にダンスをオンラインで習い始め、アーティストを夢見ていろんなオーディションを受けてきたのですが、やっとここまで来られてすごくうれしいです。
“限界突破”の土台
──皆さんは1年半の間、韓国で“超徹底トレーニング”を積んだそうですが、日々どのようなトレーニングに励んでいたんですか?
MOMOKA:韓国にいる間は、通常のトレーニングプランをぎゅっと短期間に凝縮して、朝からダンスレッスン、続いてボーカルレッスンと自主練、さらに夜にもダンスレッスンという毎日を、1年半ひたすらに繰り返していました。大変な日々だったけど、みんながいてくれたから乗り越えられました。

HONOKA:個人的には体力づくりが印象深いです。アスリート用のトレーニングメニューを週1回取り入れつつ、さらに追加でジムに通っていました。そうした積み重ねによって、激しいパフォーマンスを見せられるようになったと思います。
MIKA:ダンスは難度が高いレッスンが多かったので、みんな最初は苦戦していたのですが、必死で練習したり、撮った動画を見返したりして上達させていきました。デビューが決定したあと、関係者の方向けに1時間半のショーを披露したんですが、そのセットリストが体力的にかなりきつい内容で……最初はすごく心配だったけど、リハーサルを繰り返して無事にやりきって。すごくいい経験になったし、自信を持てるようになりました。
──GPPのプロデューサーは、東方神起、SHINee、aespaなどのプロデュースで知られるシム・ジェウォンさんと、ロックバンド・TRAXのジェイ・キムさんという名だたる顔ぶれが務めています。お二人にはどんな教えを受けましたか。
RINKA:ジェウォンさんはいつも、私たちのパフォーマンスを自分の手で動画に収めてくださるんです。映像になったときのインパクトの付け方や、歌いながら踊るときの呼吸法などを1から教えてくださって。たくさんのことを学んでいます。

SARA:時間の使い方など、プロになるうえでの心構えもよくお話ししてくださいます。「99%できないと思っていても、あと1%可能性があるよ」というように、ポジティブに変換する考え方や、健全な心の保ち方をいつも勉強させていただいています。
RINKA:そしてジェイ先生は、ボーカル面でGPPを支えてくださっていて。個人のレッスンでもいつも細かく指導してくださいます。
「Buzz Down(live)」 short ver.
──GPPというグループ名は「G:限界突破」と「PP:Paper Plane(紙飛行機)」を意味し、「試練を経て経験を重ねながら、常識を打ち破って世界へ飛び立つ」という思いが込められているそうですね。とてもユニークですが、初めて聞いた時はどう感じましたか?
ANAMI:インパクト抜群で、みんなでびっくりしました。私たちはバックグラウンドが個性豊かで、それぞれさまざまな経験や挫折を経てここに立っているので、そんな自分たちに「限界突破」という言葉はぴったりだと感じました。変幻自在に挑戦し続ける私たちは紙飛行機のようでもありますし、この名前とともに頑張っていきたいと思いました。
LUNA:メンバー全員が成人していて、これまでの人生で経験してきたことが詰まった魂のパフォーマンスが、私たちの魅力だと思います。ただ歌って踊るのではなく、歌にもダンスにも気持ちがしっかり込められている。仮に音楽だけを聴いてもらっても、逆にパフォーマンス映像だけを観てもらっても、自分たちの思いを伝えられる表現ができるチームです。

ANAMI:あとは、全員仲がいいことも私たちの強みです!ずっと一緒に練習してきたこともあり、全員がお互いを大好きだしリスペクトを抱いていて、家族以上の存在です。
HONOKA:週に1回全員で集まって、その週にあった良かったこと、悩んでいることを話し合う「HIGH&LOW」という時間を設けています。技術だけではなく精神面も大事なので、そういう部分でもいいチームワークを築けていると思います。

MIA:週末はみんなで集まって、宿舎で映画を観るんです。私が作品をグループチャットで提案して、集合時間を決めて、好きな食べ物を持ち寄って集まる。私の好みで、ホラーを見ることが多いです(笑)。
ANAMI:みんなで叫びながら観ています(笑)。
内に秘めていた力や情熱を“取り戻す”
──デビュー曲「Bring it Back」はさまざまなジャンルの要素が詰め込まれていて、デビュー曲とは思えないほどに色とりどりの魅力が詰まった1曲ですね。
LUNA:初めてみんなで聴いたときはジェウォンさんが部屋を真っ暗にしてくれて、音楽だけに集中しました。終盤に向かうにつれて盛り上がっていくサウンドに、鳥肌が立ったことをよく覚えています。
MIA:私は「このパートは誰が歌うのかな」と、想像しながら聴いていました。

──展開が多く、昨今のダンス&ボーカルグループの楽曲としては長めの4分15秒という尺にも驚きました。歌って踊るのはかなりハードではないですか?
ANAMI:正直、かなり限界突破です(笑)。最初は「これを本当にやるの?」とみんな呆気に取られて……特にHONOKAちゃんは高音パートが多いですし。
HONOKA:思わず、ジェイさんに「助けて」と視線を送りました(笑)。でもジェイさんは「大丈夫だよ」と言ってくださって。確かに練習している間に、自分の身体に染み込んでいく感覚があったんです。カッコいいデビュー曲に仕上がってうれしいです。
SARA:私もこんなに踊りながら高音パートを歌うのは初めてだったので、まさに限界突破でした。

HONOKA:歌詞でメインになっているのは、私たちの葛藤や苦悩を乗り越えていくという思いです。でもLUNAの「KAWAII」というパートなどチャーミングな部分もあったりして、歌詞だけを見ても飽きさせないつくりになっていると思います。
──「bring it back」とは「取り戻す」という意味ですが、GPPがこの曲で取り戻したいものとは?
MIKA:自分が今まで内に秘めていた力や情熱です。挫折や苦悩を経験して自信を失ってしまっても、それを取り戻して、これまでの経験を力に換え、限界突破していきたいという意思が込められています。

ANAMI:聴いた方もぜひご自身に重ねて、何を取り戻したいかを一緒に考えてほしいです。
──ダンスパフォーマンスの見どころは?
MIKA:ダンスはずっと激しくて。かなり珍しいと思いますが、サビでは全員フロアダンスを披露します。そのパートを歌うRINKAは相当大変だと思います。
RINKA:振り入れのときは「これは踊ったら歌えないやつだ……」と思ったんですけど、最近ではもう慣れてきて。普通に歌うよりも逆に力が入って、いい感じに見せられるほどの境地に辿り着きました。
HONOKA:この曲をしっかり見せるためにジムのトレーニングメニューもどんどん強度を更新していて、毎週限界突破しています。今やメンバーの半分くらいは、腹筋がシックスパックに割れています(笑)。
ANAMI:ミュージックビデオもダンスパフォーマンスをメインに撮るカットが多いんです。私たちのパフォーマンスをダイナミックに感じてもらえると思います! MV撮影は3日間あったんですが、毎日14時間くらい踊り続けて。大変だったけどすべてが新しい経験で、楽しんで取り組みました。

MOMOKA:撮影方法が少し特殊で、全ての場面で立ち位置をマーキングする必要があったんです。撮影の1ヶ月前くらいからみんなで撮影スタジオに通って、1ミリもずれないようにする練習を続けました。
──12月には初のショーケースが行われますが、今はどのような準備をしていますか?
ANAMI:私たちの抱えている思いをどうすればダイレクトに伝えられるかを考えつつ、曲のイメージをメンバー間で揃えながら練習に励んでいます。毎日のようにジムに行き、歌やダンスの練習を欠かさず、ハンドマイクで歌いながら踊ることに重きを置いて練習を重ねていて。いろんな曲を披露するので、楽しみにしていてほしいです!
限界突破のその先へ、8人が抱く夢
──個性豊かなメンバーが揃っているので、幅広い分野での活躍が期待されますが、音楽活動に限らずこれからやってみたいことを教えてください。
HONOKA:8人でバラエティ番組に出てみたいです。私たちのパワーを存分に発揮できるような体を使う番組に出られたら、面白そうな気がしています。
RINKA:みんな面白いアイデアを持っているし、自己プロデュースをできるグループになったら最強だと思うので、グッズ制作だったり、歌詞を書いたり振付を作ったりして、クリエイティブ面も手がけられるようになりたいです。あと、みんなすごく幸せそうにごはんを食べるし、食べる量も多いから、いっぱい食べるお仕事もしたいです!
──最後に、デビューしてからまず成し遂げたいことと、グループとしていつか叶えたい大きな夢を教えてください。
MIA:いろんな方にまずGPPの存在を知ってもらい、各地のファンの方々に直接会って、私たちのパフォーマンスを届けたい。できるだけ遠くまで行きたいですね。それが私たちの第一目標です。
ANAMI:MIAちゃんの故郷であるロンドンにも行きたいね。そして大きな目標は……みんなで昔から掲げている場所があって。せーの!
全員:東京ドーム!
ANAMI:そこを目がけて、全員で頑張っていきたいと思います。

Interview&Text:Keika Kishino
Photo:Yuko Yasukawa