黒人アーティストが大健闘、女帝テイラーと新人賞の動きにも刮目せよ!!

ノミネーションの傾向として、アフリカ系欧米アーティストの健闘っぷりが光っています。「年間最優秀レコード」には昨年<サマーソニック>で日本のファンを濡らしまくった「D様」ことディアンジェロ・アンド・ザ・ヴァンガードと、男性ソロ・アーティストとして全米で最長トップ10入りの記録を樹立したザ・ウィークエンドがノミネート。「年間最優秀アルバム」にはそのザ・ウィークエンドやケンドリックと共に、パワフルな黒人女性ヴォーカル=ブリタニー・ハワード率いるアラバマ・シェイクスが選出されていますし、「年間最優秀楽曲」には映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』のテーマソングとなったウィズ・カリファのコラボ曲“See You Again”が挙げられているのも見逃せませんね。いずれも「黒人を入れないと差別的という理由で炎上するから」という大人の事情なんかじゃなく、純粋に「優れた作品だから」「良い曲だから」ノミネートされていることは疑いようがないでしょう。

▶ Wiz Khalifa – See You Again ft. Charlie Puth

昨年は“Shake It Off”1曲で主要2部門含む3部門にノミネートされるも、無冠に終わってしまったテイラー・スウィフトですが、傑作『1989』リリース後となった今回は主要3部門を含む7部門にノミネート。そのうち「最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)」の候補となった“Bad Blood”はケンドリックとコラボした楽曲なワケで、2人とも強すぎです……(笑)。また、先日スーパーボウルのハーフタイム・ショウに登場したマーク・ロンソン&ブルーノ・マーズの“Uptown Funk”や、イギリスで1年間チャートのトップ40にランクインした初めてのシングルとなったエド・シーランの“Thinking Out Loud”といった日本のラジオでも特大ヒットしたナンバーは、やっぱり何度聴いても名曲。それにしても全部門、本当に誰が獲ってもおかしくないほどの混戦状態で、今からハラハラしますね。

▶ Taylor Swift – Bad Blood ft. Kendrick Lamar

▶ Mark Ronson – Uptown Funk ft. Bruno Mars

▶ Ed Sheeran – Thinking Out Loud

いっぽう、Qetic読者的にも気になるのが「最優秀新人賞候補」ではないでしょうか。昨年10月の初来日公演も素晴らしかった豪メルボルンのコートニー・バーネットを筆頭に、3月に来日を控えファッション業界にもファンの多い長髪男子ジェイムス・ベイ、日本ではほぼ無名ながらカントリー・シンガーの未来を背負ったサム・ハント、モデル顔負けの美貌と才能を兼ね備えたトリー・ケリー、そして2年連続のノミネートとなった「ポチャかわ歌姫」ことメーガン・トレイナーと、今回ノミネートされた5組はすでに音楽シーンを席巻している実力派ばかり。昨年はサム・スミスが栄冠に輝きましたが、候補者にはハイムやバスティル、イギー・アゼリアといった売れっ子の名前があったので、毎年かなり信ぴょう性の高い部門とも言えるでしょう。もし初めて知ったというアーティストがいたなら、今すぐYouTubeでチェックすべし!!

▶ Pedestrian At Best – Courtney Barnett

▶ James Bay – Hold Back The River

▶ Tori Kelly – Should’ve Been Us

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