5月に開催される<LOW END THEORY JAPAN[Summer 2013 Edition]>を記念して、<Low End Theory>のボスであるダディ・ケヴがLAビート・シーンの最新音源を収録したオフィシャル・ミックスCDを発表! <Low End Theory>とは、2006年から開催されているロサンジェルスの最重要エレクトロニック・ミュージック・イベントであり、ここからフライング・ロータスを始めとするLAビート・シーンに火が付いたと言っても過言ではない。
毎週水曜日にロサンジェルスで開催されている<Low End Theory>では、まだリリースされていないビートメイカーたちの作りたてのトラックがプレイされることで知られており、最新のベース・サウンドを体感したくてクラブの前に毎週長蛇の列ができているが、このミックスCDを聴けば“今”の<Low End Theory>サウンドが分かる。
Daddy Kev
ダディ・ケヴのDJプレイにはどこか激しさと神秘的な要素が融合しているが、このミックスCDのテーマはなんと、20世紀初頭の最も偉大なマジシャンだったハリー・フーディーニによる著書「Under The Pyramids」。ダディ・ケヴによるイントロ曲”Mystery Attracts Mystery (Prologue)”から早くもエジプト、ピラミッド、スフィンクスの神秘の世界にいざなわれている感覚を覚える。その次に登場する”Cruise”は、ダディ・ケヴが運営する〈Alpha Pup〉レーベルからデビューしたばかりの新人女性プロデューサー、Astronauticaのトラック。幼少期からギターを独学で学んだ21歳のエドリーナ・マルティネスことAstronatuicaは、 エレクトロニクスをギター、サンプリングと組み合わせてエモーショナルでありながらもメランコリックなビートを得意としている。
最近の<Low End Theory>では、南部から誕生し、現在のメインストリーム・ヒップホップ・シーンを席巻しているトラップ・ミュージックの要素を取り入れたビートがちょっとしたブームになっているが、XXYYXXによる哀愁感たっぷりの”About You”は、まさに“実験的トラップ・ミュージック”と呼ぶに相応しいチューン。続くGiraffageの”Close 2 Me”もトラップ・ミュージックの高速ハイハットを取り入れているが、サンプルの細かいチョップ感とエディットは、まさに<Low End Theory>仕込み。〈Alpha Pup〉からデビューしたサンフランシスコ出身のチャーリーン・インことGiraffageは、巧みにサンプルを切り刻んで、ドリーミーでポップなビートを作り上げ、Pitchforkなど数々の音楽サイトで話題になった。
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Astronautica
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XXYYXX
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Giraffage
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グループ名の通り、官能的なサウンドの Penthouse Penthouseによる”In the Penthouse”に続くのは、<Low End Theory>でデモCDを配っていたことで19歳の頃からLow Endに出演するようになったジョンウェイン。彼が作り出すミニマルでありながらも破壊力満載のビートはすぐにダディ・ケヴやザ・ガスランプ・キラーにヘビープレイされるようになり、〈Alpha Pup〉から『Bowser』でデビュー、昨年の<Low End Theory Japan>で来日も果たした。ラッパーでもあるジョンウェインは、今年〈Stones Throw〉からアルバムをリリースする予定。
ジョンウェインに続く“ローエンド・セオリー・チルドレン”とも呼べるまだ23歳のGreat Daneは、重厚なヒップホップ・ビートに<Low End Theory>から受け継いだ重低音ベースラインを巧みにブレンドさせる新星プロデューサー。彼はTeamSupremeという集団の重要人物でもあるが、<Low End Theory>周辺の若手プロデューサーが同じサンプルを使ってビートを作り、ネット上で披露して競い合う“ビート・ゲーム”をスタートして話題にもなった。
King Henryによるサイケ・ロックとトラップ・ミュージックが融合した”TS Vol 40″に続くノサッジ・シングは、<Low End Theory>からデビューしながらも、フライング・ロータスに続くLAビート・シーンの巨頭にまでなった韓国系アメリカ人のプロデューサー。〈Alpha Pup〉からリリースされた彼のデビュー・アルバム『Drift』はLAビート・シーンの象徴的作品となり、Innovative Leisureに移籍してからの最新作『Home』はトロ・イ・モワなどをフィーチャーして話題となっている。
ダディ・ケヴは<Low End Theory>を立ち上げる以前は、LAのインディ・ヒップホップ・シーンでプロデューサーとエンジニアとして活躍していたが、当時彼がよくコラボレーションをしていたのが、LAの伝説的ヒップホップ・グループFreestyle Fellowship。彼らが得意とする高度なワードプレイと実験精神が”Shockadoom”で遺憾なく発揮されている。続くReeferは、ダディ・ケヴがアメリカのインディ・ロック・シーンで話題になっていたアイランズ、ザ・ユニコーンズのメンバーであるニック・ダイヤモンドとのユニット。マウイ島で彼らは1枚の魅惑的なアルバムをレコーディングしたが、この”Let It Go”は豪華にもフライング・ロータスがリミックスし、彼が得意とするヨレヨレのグルーヴ感が存分に味わえる。
続く”Greenscreen”を提供している ELOSはジョンウェインと同じく10代から<Low End Theory>に通い、ダディ・ケヴらがプレイするビート・ミュージックにインスパイアされビートメイカーとなった若者。ウェスト・コースト・ヒップホップ、ジャズ、日本のビデオ・ゲームをこよなく愛する彼が作るドリーミーでありながらも重低音が効いたトラックは定評がある。
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Jonwayne
Great Dane
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ELOS
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チベット密教のお経とトラップ・ミュージックという一見相反する要素を組み合わせた”Om Shanti”をプロデュースしたPatrick Sexxは〈Alpha Pup〉から今年アルバムをリリース予定の新人ビートメイカー。それに続くMike Booは、<Low End Theory>のレジデントDJであるD-Stylesと共に伝説的ターンテーブリスト・グループであるNed Hoddingsのメンバーだったが、主にターンテーブルで表現力豊かなトラックを作ることで知られている。
日本でしかリリースされないこのスペシャル・ミックスCD『Under The Pyramids』は、<Low End Theory>サウンドの進化が刻み込まれた1枚。このミックスCDを聴きつつ、5月の来日公演は見逃せない!
(text by バルーチャ・ハシム)
ダディ・ケヴのオフィシャルミックスCDが試聴デキル!
<LOW END THEORY>のボス、ダディ・ケヴによる初のオフィシャル・ミックスCDがリリース! Low End Theory〜Alpah Pupから続々と登場するニュー・アーティスト(Astronautica、Great Dane、Jonwayne、Penthouse Penthouse他)の旬トラックや、フライング・ロータスのレアなリミックス(Reefer “Let It Go”)など、注目の音源を多数収録。ケヴ兄の抜群ミックスセンスも堪能できる必聴作!
2013.05.22 on sale! Artist:Daddy Kev(ダディ・ケヴ) Title:Under The Pyramids – Low End Theory Japan 2013 Mix (アンダー・ザ・ピラミッズ – ロウ・エンド・セオリー・ジャパン 2013 ミックス) disques corde dccd-029 ¥1,890(tax incl.) ※日本オリジナル企画 完全限定盤 Track List: |
LOW END THEORY JAPAN[Summer 2013 Edition] ●東京公演 2013.5.25(土)@代官山 UNIT OPEN/START 23:00 ADV ¥3,500/DOOR ¥4,000 ※20歳未満の入場不可(要写真付き身分証) Special Guest: Beat Invitational: SALOON DJ: VJ:Kazuya Ito as toi whakairo、浮舌大輔 TICKET:
●大阪公演 LOW END THEORY(from L.A): Beat Invitational:西日本初上陸! DJs: VJ:Colo GraPhonic(COSMIC LAB / BetaLand) |