またイベント2日間を通し屋外のRESTエリアにて、CRECONとコラボしたデジタルライブペイントが開催されており、1日目はベル・アンド・セバスチャン、2日目はセイント・ヴィンセントとそれぞれのヘッドライナーのアートワークを開演前までに描き上げるアートパフォーマンスが行われていました。今回Qeticでは、観客に見守られながら見事個性的な作品を仕上げたイラストレーターの上田バロンさんとKENTOOさんにプチインタビューを敢行! <HCW>の雰囲気や音楽が彼らのアートにどう作用したのか、率直な感想を頂きました。
上田バロン
「今回は『CRECON』からのプロデュースという形で出演させていただきました。大阪でも過去にライブペインティングなどやっていたのですが、ジャケットアートとかも含め、音楽というカルチャーとイラストレーションはけっこう密接に関わっていると思います。特に今回出演したアーティストは海外の最先端のシーンにいる方たちなので、日本にいてセッションする……というか、一体感を持ってデジタルライブペインティングという形で取り組むことっていうのはなかなか無いですね。また、その辺の音楽を愛している人たちに自分たちの作品を観てもらうっていうのは、すごく良い感触を得られたと思います。今回プロデュースしてくださった方たちの計らいで2日間それぞれのアートのテーマを、出演アーティストをイメージしたものに少し寄らせていただいているので、彼らへのプレゼントアートのような意味を込めて創りました。アートはアートで音楽は音楽で、って切り分けるのではなくて、音楽を主体にしたこのイベントの仕組みに少し寄り添っている、というのが、他のいわゆる野外フェスとかとは違う一体感を凄く感じましたね。」
KENTOO
「私も大阪の『CRECON』でライブペイントを一緒にさせてもらってます。<HCW>に今回参加させていただき、お客さんはすごく音楽好きな方が多くて他のフェスよりも聴くことを大事にしていらっしゃる方が多いなあという印象を受けました。アート好きの方もそのような点でだいぶリンクする部分も多いかもしれませんね。私自身もけっこう音楽が好きで色々聴いているんですけど、その辺を今回ライブペイントで、どうにかイメージを観てくれる人に伝えられるように色々考えつつ描かせて頂きました。それが皆さんに伝わっていれば嬉しいですし、また、音楽とアートの間の垣根みたいなものをちょっとずつ無いように感じられるよう、私も表現出来てたかなと思ってます。」
HCW10 DAY1上田バロン & KENTOO Artwork(Belle and Sebastian)
HCW10 DAY2 上田バロン & KENTOO Artwork(ST. VINCENT)
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レディオヘッドを彷彿とさせる世界観を持った浮遊感をかっちりしたバンドサウンドで引き締め、流石の貫禄を見せたフィリップ・セルウェイから始まり、続くリアル・エステートはどこか懐かしさを感じさせるアメリカンなポップサウンドで会場をハッピーな空気で包み込みました。そして新人ながら早くもロックスターの雰囲気を纏ったテンプルズで折返しを迎え、サーストン・ムーア・バンドは若手に負けまいと2日間で最も攻撃的なギターをかき鳴らし観客を圧倒。セイント・ヴィンセントによる個性的でアート性の高いステージングは神々しささえ感じさせ、トリを飾るにふさわしいパフォーマンスで<HCW>を締めくくってくれました。
インディペンデントながら、これからさらに大きくなりそうな予感をさせる<HCW>。終了したばかりですが、もう既に次回の開催が待ち遠しい! 今回コメントしていただいた上田バロンさんとKENTOOさん、またアンケートにご協力頂いた皆様、ありがとうございました!
text by Qetic・Akane Ishida
photo by 古溪 一道(コケイ カズミチ)