今年2月9日に48歳という若さで突然亡くなってしまった映画『メッセージ』、『博士と彼女のセオリー』の音楽などで知られるアイスランド出身の作曲家ヨハン・ヨハンソン(Jóhann Jóhannsson)。
そんな彼が2002年に発売した彼のデビュー・アルバム『エングラボルン(天使たち)』のリマスター&リワーク版の2枚組『エングラボルン(天使たち)リマスタード&ヴァリエーションズ』がドイツ・〈グラモフォン〉から3月23日(金)に発売される。
オリジナルは2002年にリリースされた『エングラボルン(天使たち)』は、ハフナルフィヨルズゥル劇団が上演した舞台のための音楽。今回発売されるのは、オリジナル盤を最新リマスターした1枚に加え、坂本龍一やアレックス・ソマーズ、ア・ウィングド・ヴィクトリー・フォー・ザ・サルンなど、世界随一の作曲家たちによるリワーク版を2枚目に収録された内容となっている。
暗い内容の舞台に反するように、美しく書かれたタイトル・トラック“エングラボルン”はサティ、バーナード・ハーマン、パーセル、ムーンドッグといったアーティストから、〈ミル・プラトー〉や〈メゴ〉の電子音楽まで、ヨハンソンが受けた影響の広さを伺わせるもの。
今回そこに新たなアーティストたちのエッセンスがプラスされ、多彩な魅力を放つ音世界が生まれている。
このアルバムに関しては、ヨハンソンの生前にリリースが決定していたが、彼の逝去のあと、本国レーベルは彼の遺族とともに協議。そして遺族側からは是非発売をしてほしいの希望を受けて、当初の予定通りに3月23日に発売される。
坂本龍一「ぼくはこれから何度も共に音楽を作ることになるだろうと思っていました。」
そして生前のヨハンソンと親交があり、今回1曲リワークに参加した坂本龍一は、ヨハンソンの死を悼み、下記の追悼コメントが寄せられた。
「ヨハンはぼくにとって、ごく新しい友達でした。しかし長時間、お互いの仕事の話しをし、あるいはぼくのスタジオで半日、ともに録音したり、知り合ってからはとても深い時間を過ごすことができたと思います。何も約束はしませんでしたが、ぼくはこれから何度も共に音楽を作ることになるだろうと思っていました。お互いのリミックスの交換は、その始まりだったはずです。 そんな彼が何も言わずに突然去ってしまい、ぼくを含めて残された者はただ呆然としています。」