LIVE REPORT:
gato 1st Album “BAECUL” Release Party
Qeticがローンチするライブドキュメンタリー動画シリーズ「Keep A L1ve」。第2弾となる今回は11月27日に渋谷WWWにて行われたgatoの1st Album『BAECUL』のリリースパーティー。
渋谷WWWでのライブはgatoのこれまでのバンドキャリアの中で最大規模のもので、チケットはSOLD OUT。人数制限や入場口での検温、アルコール消毒などコロナ対策も厳重に行われ、観客は安心して楽しむことができ、こんな時期だからこそ音楽を体感することが必要だと再確認できるパフォーマンスを披露。様々なカルチャーや人が交差し、踊り、エネルギーに溢れていた会場の様子をフォトレポートと共にお届け。
Keep A L1ve – gato
No Buses
最初に登場したのはゲストアクトのNo Buses。“Medicine”からスタートし、“Sleepswiming”とアップテンポな曲が続き自然と体が揺れる。ジャキジャキしたギターにリズミカルなドラムやベースが乗っかっていて、まるでイギリスのライブハウスにいるような感覚になった。
MCでは近藤大彗(Vo/Gt)が「gatoの皆さん、呼んでくださってありがとうございます。みんなもう聴いてると思うんですけど、アルバム、いいですよね」と少し照れくさそうに言っていて、場の雰囲気も和んでいった。バンドの当初からある曲でNo Busesが世界に広まるきっかけになった“Tic”も演奏され、当初から変わっていないオリジナリティ性に驚く。
サポートギターを迎えた新曲2曲もゆったりとしたインディーロックと、パンクっぽい要素のあるそれぞれ毛色の違う2曲で、バンドが新たなフェーズに突入している感じがした。
ライブを見る前はgatoのリリースパーティーにNo Busesが出るのは意外だななんて思っていたが、自分たちのペースで立場を確立してきた2組が共演するのは必然のように思えた、そんなライブだった。
GATO
続いてメインアクトのgatoが登場。会場が暗転し静かになったフロアにage以外のメンバーが登場し、エキゾチックなサウンドが印象的な“orb”から始まる。VJのsadakataによって映し出されるgatoのロゴで、一瞬でgatoの世界観に引き込まれる。そして後からageが登場し、“9”に繋がっていく。これまでWWWで感じたことのないような低音に、まるでクラブにいるかのような感覚になった。“9”の盛り上がりにつれメンバーもお客さんも体を揺らし、これから始まるライブに胸が高鳴る。
4曲目の“middle”から“G0”への繋ぎで全員が着ていたスーツを脱ぎ、ageの「踊れるやつは踊っていけよ!」というMCで観客から歓声が上がり一気にギアをあげた。
エレクトロなサウンドの中にも和のテイストが溶け込んでいる“ame”では、MVにも出演しているダンサー、Kosuke、Ren Konnoをゲストに呼び、幻想的なライブが繰り広げられる。ダンサー2人のしなやかな動きや掛け合いが美しく、楽曲の世界観をより楽しむことができた。
その後も“luvsick”、“C U L8er”、“miss u”とライブではお馴染みの曲達で会場は熱を増し、10曲目の和の要素とダンスミュージックが合わさってポップに仕上がっている“babygirl”の後では、手拍子も加わり楽曲にさらに明るい印象を持たせた。
攻撃的なサウンドやリリックが特徴的な“dada”ではMVに出演した清水舞手をゲストに迎え演奏。gatoや観客全員を食ってかかる勢いの鋭い踊りにただただ圧倒され、まさにどたまに衝撃を受けた。そこから“males”にスムーズに繋がっていくと、hirokiのドラムソロを中心にインタールードが展開され“throughout”へと続く。曲間の繋ぎがスムーズでDJっぽさがあるのもgatoの特徴だ。今年溜まっていたフラストレーションをgatoが代わりに爆発させてくれているかのような圧巻の光景が目の前に広がる。メンバー、特にageの躍動感のある動きはもはや芸術の一種であると言いたくなるほどだ。
本編の最後に演奏された、アルバムの最後を飾っている“the girl”はgatoの原点であるポストロックの要素に戻っていくような曲で、sadakataのVJもそれに呼応するようにこれまでのサイバー的な映像ではなく美しい自然の映像で構成されておりgatoの次なる旅路を想像させた。
鳴り止まない拍手のアンコールを受け、メンバー全員が新しいグッズのTシャツに着替え登場。ageが渋谷WWWやアルバムへの想い、来てくれたお客さんへの感謝を語った後、思わず口から出たような「終わりたくねー」という言葉が今日のリリースパーティーがどれほどメンバーやオーディエンスにとって特別な日だったのかを物語る。
アンコールはバンドの初期からある“dawn”と、“creep”を演奏。“creep”では、Samplerのkaiとtakahiroもギターを手に持ち、初期からほぼアレンジを加えずに演奏していて大切にしている曲なのだろうということが伝わってくる。会場はたくさんの拍手に包まれ惜しまれながらライブは幕を閉じた。
バンドとしてエレクトロやテクノ、ダンスミュージックなどを取り入れ形態に囚われず自分たちのやりたいことに挑戦する姿勢や、ライブのゲストで登場したダンサーや見にきたオーディエンス達を見てgatoの各所での広がりを感じたし、『BAECUL』というアルバムを体現していた素晴らしい一夜だった。
Text by ゆーかり
Photo by アラユ
gato
2018年、突如インディーシーンに現れたエレクトロバンド。
post dubstep, future bass, hiphopといった昨今のグローバルトレンドを抑えつつも、日本人の琴線に触れるオリエンタルなサウンドは、現行のインディーシーンにおいて唯一無二の存在。高い歌唱力、曲を繋いで展開していくDJライクなパフォーマンス、映像と楽曲がシンクロするライブには定評があり、クラブシーンやギャラリーなど、ライブハウスの垣根を超え出演オファーが続出。着々とファンを増やしている。
2019年末には、無名ながらも恵比寿LIQUID ROOMの年越しイベントにてサブステージのトリを飾った。2020年10月に初の全国流通盤『BAECUL』をリリース。収録曲「C U L8er」がNHK-FM『ミュージックライン』のタイアップ曲に選出。またApple Music ではエレクトロ部門にてバナー展開、Spotify では公式プレイリストに収録曲が多数選出された。同年11 月に渋谷WWW にてNo Buses をゲストに迎え開催したリリースパーティは、ソールドアウトを果たした。
INFORMATION
BAECUL
2020年10月14日(水)
¥2,300(+tax)
gato
GATO-001
ストリーミング、DL、CD
収録曲:
1. G0
2. ame
3. dada
4. babygirl
5. miss u
6. orb -interlude-
7. 9
8. luvsick
9. C U L8er
10. middle
11. males -interlude- 12. throughout
13. natsu
14. the girl