残券僅か！渋谷慶一郎が完全暗転、生音のみのピアノ・ソロコンサートを開催

先月、パリ・オペラ座に出演し大成功を収め一時帰国した渋谷慶一郎が代官山で一晩限りのピアノ・ソロコンサートを行うことを発表した。

S席は発売1日で完売し現在はA席のみが残り僅かの発売となっている。完全な生音でのコンサートが可能な規模の会場を選んでいるため、A席で聴きづらいことや見づらいということはないとのこと。

会場は代官山蔦屋書店の斜め向かいの地下に位置する代官山ヒルサイドプラザ。会場の中央にセッティングされた長さ275センチメートルの巨大なベーゼンドルファーのコンサートグランドピアノを客席を囲むように配置され、マイクやスピーカーは一切使わない完全なアンプラグドのコンサートとなっている。

このコンサートは2015年にスタートした＜Playing Piano with No Speakers＞と題されたコンサートシリーズの続編にあたり、完全暗転の暗闇に包まれた会場の中でマイクもスピーカーも使わない完全なピアノソロをコンサートとなる。自作からクラシック、即興までをマッシュアップして暗闇の中で一気に演奏しきるというもので異常な集中力による演奏を隣りの人も見えないような客席で聴くことで全身が耳になったかのような新鮮な体験ができる。

また、先日のパリ・オペラ座で発表された新曲のピアノソロバージョンの初演も予告されており、先妻・mariaの10回目の命日となる日にこのコンサートを捧げられることにもなっている。

近年ではヨーロッパでの活動が中心となり日本でのソロコンサートは貴重な機会となってきており、彼の活動のコアと言える完全ピアノソロのコンサートは見逃せない！

チケット発売ページ

Spec メインテーマ

Memories of Origin （映画「はじまりの記憶 杉本博司」メインテーマ）

渋谷慶一郎＋森山未來　（先日公開された昨年末のコンサートから）

＜Playing Piano with No Speakers＞

“Playing Piano with No Speakers”というコンサートシリーズは2015年にスタートした。マイクもスピーカーも使わないアンプラグドなピアノソロという極めてシンプルなコンセプトで、同時にピアノ・ソロのコンサートをどれだけ無駄なものを削ぎ落とせるか？　という問いでもあった。

ピアノ・ソロ自体が僕の活動の中では最もシンプルな形態なので、そこからさらに引き算をしていくと、衣装やMCはもちろん照明、曲間、アンコールまでなくして、暗転の中、前半と後半を分ける休憩までの間を一気に自分の曲、即興、クラシックをマッシュアップしてピアノを弾き破るという方法に行き着いた。これはうまく言えないけど無時間の表現というか、時間と空間の境界が溶けていくような感覚があって、それは聴く方も同じな気がする。

ピアノから直接出る音、楽器が共振する音だけを限られた人数で聴く。ただそれだけのことをコンサートという形態でやるには良いピアノとそれに見合った空間が必要になる。今回、２年ぶりにこのアンプラグドな形態でコンサートをやるにあたって、会場は代官山のヒルサイドプラザを選んだ。この会場は5年前に＜Playing for maria＞というコンサートをやったので残響やピアノの感触はよく覚えている。

また、ここにある275センチメートルの巨大なベーゼンドルファーのコンサートグランドを弾く感覚は船を操縦するようなスリルがあることも身体が覚えている。

もちろん会場は暗転でスピーカーも使わず、ピアノは会場の中心に設置して客席はそれを囲むように配置する。コンサートに際して調律も入念に行うことになっている。

先日パリのオペラ座で発表した新曲もピアノソロで初めて弾こうと思っている。

また、この日はmariaの10回目の命日でもあり、コンサートは彼女に捧げたいと思う。

渋谷慶一郎