Fragmentと共に<フジロック>のレッドマーキーステージへの出演や<Sonar Sound Tokyo>を圧巻した期待値=未知数のエレクトリックで奇天烈な蛍光灯バンド!! メンバーでもあるKoyas自身のレーベル〈psymatics〉から第一弾となるファーストE.Pがリリース!

その名の通り、蛍光灯を使用しその音と光で演奏を行う奇想天外なバンド=蛍光灯バンド。「やっていることは振り切れていてもきちんと成立した音楽」をコンセプトに、YouTubeにて550万アクセスを超えるPV数を誇るEnji-Gをフロントアクトに迎え、蛍光灯を楽器兼照明装置として用いる荒唐無稽な形態ではある彼らだが、やっている事は至って真面目。蛍光灯が光った時の「ジー」というノイズを、ギターのようにピックアップを通して拾い上げ、それをコンピュータ内で加工して「キック」、「スネア」、「ハイハット」、「タム」等の役割をもたせ、いわばドラムマシーンやドローンマシーンの様に音楽を奏でている。

蛍光灯バンドは2012年にYogurt&Koyas名義や「サウンド&レコーディングマガジン」での原稿執筆等幅広く活動を行うKoyasと、蛍光灯バンドのシステムを作り上げたCSSLにより結成された。作品のリリースを行っていないにもかかわらず、各方面から注目を集めるユニットである。そんな蛍光灯バンドが満を持してリリースするファースト E.P(初作品) が『Let There Be Light』である。本作はテクノ、ベースミュージックを軸に、ダブ、レゲエ、ヘヴィメタル、ロック、ノイズ等のジャンルをミクスチャーし、蛍光灯を通してアウトプットすることによって、蛍光灯バンドの独特な世界観を表現している。全体のイメージとしては、蛍光灯の音がそもそも持つ荒々しくノイジーな音に加えて、硬質な音が縦横無尽に張り巡らされている。“7.26 Feat. Fragment”や“Let There Be Light”の様にマッドなコード進行の上にエレクトリックなEnjo-Gの「だみ声」によるシャウト、Ozzy Osbourneのようなネオクラシカルなメロディーラインはヘヴィメタルというジャンルを色濃く見せる。そうかと思えば、Jah Fluorescentの様にUKダブやレゲエの印象を強く受ける曲、“Wrong Usage”の様な純粋なテクノミュージックだったり、ミクスチャーの幅が多い分、楽曲自体が様々な面を持っている。

また、曲中に「花火パート」と呼ばれる蛍光灯による音が激しさを増し、また蛍光灯自体が高速に点滅する場面が設けられ、めまぐるしく展開していくアレンジは荒唐無稽な蛍光灯バンドならではのバラエティーに富んだ世界観の一つとも言えるだろう。しかしながら、やはり蛍光灯という一つのテーマを基に制作された楽曲だけに、全体のイメージとしては統一され、とても奇麗なまとまりが出ている。そんな蛍光灯バンドの醍醐味と言えば、やはり蛍光灯が高速で光を放つライブである。そのパフォーマンスのいくつかはYouTubeやニコニコ動画でも見ることが出来るが、蛍光灯がカメラには収められない程高速に点滅する空間演出とハードコアな音が一挙に押し寄せる未知の空間はぜひ現場で体感してみて欲しい。

しかし、演出頼りのエンターテインメント集団とは思わないでほしい。本作は演出の一環としての楽曲ではなく、作品単体としてのクオリティを追求した、確固たる音楽作品である。本作を通じて蛍光灯バンドの硬派な一面を十分に堪能した上でライブを見てもらえれば、きっと蛍光灯バンドがいったい何なのかが見えてくるであろう。

Fragment×蛍光灯バンド<SonarSound Tokyo 2013>

Release Information

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