〈ファイルレコード〉の膨大なアーカイブからKenichiro NishiharaがJazzy解釈で選曲・再構築したミックスCDが3月7日(金)にリリースされる。東京のクラブミュージックを作り出したクラシックスから同時代へ繋がる名曲たちまで、Jazzの琴線に触れるダンスミュージックはジャンルを超え綿密かつ大胆に一つの世界として紡ぎだされる。Jazzy Hip Hopとは一線を画す、クラブでは体験できないDJミックスの1つのかたちとなっている。

Comment:『Jazzistic Mix』によせて

ケミカルブラザーズがまだダストブラザーズを名乗っていた頃、そしてそれは僕が渋谷宇田川町に毎日学校帰りにレコードを探しに出かけていた頃、彼らのDJのプレイリストに“RETURN OF THE ORIGINAL ART-FORM”を見つけた。当時はまだ再発盤はなく、ややプレミアのついたオリジナル12inchを自分のクリスマスプレゼントに買った。それをきっかけに〈メジャーフォース〉のタイトルは見つけ次第すべて買う日々が始まった。

僕は〈メジャーフォース〉オタクだ。そしてファイル・ネクストレベル、好きな音楽のすべてがここにあったといっても過言ではない。

そんな〈ファイルレコード〉のアーカイブを使ってミックスCDを作るという機会をいただいたことは、僕にとってはそれだけで奇跡に近い。あまりに多くの名曲の中、Jazzを感じるような曲たちを基本的なDJテクニックだけで構成していった。自分の持ち味でもある楽器のオーバーダブはおろか、今回はスクラッチさえも禁止した。オリジナルに入っている音だけを使って構成する純度を大切にしたかったからだ。

テーマや流れに合わず収録を諦めた曲の多さに愕然として、作業が進まない時さえあった。しかし〈メジャーフォース〉、〈ファイルレコード〉の音楽たちをこれ以上愛す者はいない! と断言するくらいの自分が最終的に出した回答はこんなミックス。それは奇しくも〈メジャーフォース〉に出会ったころにキャリアをスタートさせた、自分の選曲家としての基本的な態度と表現を具現化するようなものになったと感じる。

88年から現在まで時代を超えて、ジャンルを超えて歩み続けてきたレーベルとしての姿勢を感じるようなミックスになっていれば、これ以上嬉しいことはない。

そして〈ファイルレコード〉に人生を変えられた方も、またはまだ知らない方も、改めて〈ファイルレコード〉の音源を掘り起こしていただければ、それこそがこのミックスの目的だ。

ーーKenichiro Nishihara(西原 健一郎)

Release Information

[amazonjs asin=”B00HIK7A5S” locale=”JP” title=”Jazzistic Mix”]