ドイツ〈raster-noton〉レーベルの紅一点、スウィート・カオス・クリエイターKyokaがフル・アルバム『IS(Is Superpowered)』をリリース。ダンスミュージックと実験音楽を独自のポップフィルターでエキセントリックに融合し、より艶やかに、よりアグレッシブにリスナーを煽動する、アドレナリン全開のアドヴァンスド・ダンスミュージックが誕生した!
2012年にリリースした12インチ(日本盤はCD)『iSH』が世界的に高く評価されて以降、<Sonar Tokyo 2012>や<FREEDOMMUNE[ZERO]ONE THOUSAND 2013>への出演を果たすなど、ここ数年で一躍注目を集める日本人女性エレクトロニック・アーティストKyoka。
ライブで演奏しはじめた2010年頃のデモトラックをベースに、ライブ中のアドレナリン全開状態をサウンドにフィードバックしながら制作していったという本作。Kyokaサウンドに欠かせないキュートで不思議な声のサンプルカットアップやメロディー、そして男性のラッパーが参加しているかと思いきや、実は音楽ソフトLogicのフリーサンプル(!)をユニークにレイヤーしていたり。丹念に練り上げられたインダストリアルなビートのミニマル・テクノから、ダビーなスネアの響きのブレイクビーツがパワフルに展開されていく。
時にはシンコペーションのようなトリッキーなリズムを刻み、まるで電気の振動が感じられるような太いベースラインやノイズとぶつかり合うような実験的でカオティックな様相を見せながらも、フロアにも完全対応するダンサブルな仕上がり。さらに、ライブで鍛え上げてきた男子顔負けのアグレッシブさも加わって、一段とスケールアップしたKyokaの目指す「踊れる実験音楽」サウンドが凝縮されたアルバムとなった。
プロデューサーには、前作EP『iSH』と同じく、ミニマル~電子音響のパイオニアであるフランク・ブレットシュナイダー、さらにジャーマン・エレクトロニカの代表格バンドTo Rococo Rotのロバート・リポックも加わり、共にraster-notonアーティストでもあるベテラン2人が全面的にバックアップ。リポックは「Kyokaサウンドの荒々しさや複雑さにフォーカスし、ブレットシュナイダーは楽曲の滑らかさや焦点をより磨きをかけることに集中した」という。両者ともそれぞれ違ったアプローチを取りながらも、Kyoka独特のエキセントリックさやエネルギッシュでハイパーアクティブな要素を残しつつ、サウンドプロダクションにより一層深みを与えている。なお、本作の日本盤にはボーナストラック1曲のDLクーポンが付いている。
Release Information
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