極意④ トニー&ガガのインタビューを熟読すべし!
極意その④は、なんと言ってもガガとトニーが共演するにいたった経緯や、彼らがどんなふうにお互いをリスペクトしているのか?を知ること。その思いを知るとライブ・パフォーマンスもさらに感動的に映ること必至!
Interview:Lady Gaga&Tony Bennett
——アルバム制作のきっかけについてお聞かせください。
レディー・ガガ(以下、ガガ) これは全部トニーのアイディアだったのよ。
トニー・ベネット(以下、トニー) 僕が初めて彼女を見たのは、ニューヨーク市の職がない人のために開かれたチャリティで、だったんだ。その夜、僕らは貧しい人達のために何百万ドルという寄付金を集めたんだよね。それで、バックステージに行ったら、彼女がご両親と一緒にいてね。僕はあまりに彼女(のパフォーマンス)に感動したものだから、そこで、『一緒にアルバムを作ろう』って言ったんだよね。そしたら、彼女が『ぜひ作りたいです』って言ってくれてね。それでこうしてアルバムが完成したというわけなんだ。
——それではもうこの企画は、年代の差は関係なく、ほとんど一目惚れのような感じで一瞬にして実現が決定してしまったんですね。
ガガ これは本当に一目惚れだったわ。でも、年代の差とか年の差というのは、音楽とかその情熱の前ではほとんど意味がないことなの。それから私にとってすごく嬉しかったのは、トニーが私の声の中に、それまで誰も気付いてくれなかったような部分を見出してくれたこと。彼は誰よりも一歩先を行っていたと思うわ(笑)。
Tony Bennett&Lady Gaga -“Anything Goes(Studio Video)”
——あなた自身にとって今作はどのようなアルバムですか?
ガガ このアルバムは、史上最高と言える曲を、史上最高と言えるシンガーのひとりと歌えた作品だった。しかも、彼は、これまでにも、偉大な曲と、アメリカの歴史を歌い続けてきたような人でしょ。それって私にとっては完璧に自由を得たような体験だったわ。私は、トニーを本当に心から尊敬しているし、私の心の師だと思ってきたし、素晴らしい友達でもあるの。だからこのアルバムの制作に関しては、とにかく最初から最後まで、1秒1秒すべてが大好きだったわ。
トニー ありがとう。
ガガ 本当に素敵だったの。この体験は私がこれまでアルバムとして発表してきた作品におけるものとは、まるで違うものだったから。でも、私は、アルバムを発表する前、ずっと若いころ、実はジャズを歌っていたのよ。だからこそ、彼の知り合いになれただけでも、すごく光栄なことだったの。彼の家族と知り合いになれたことや、彼があまりに長い間これだけ素晴らしいものを作り上げてきた、その背景を目にすることができたこともね。調べてみたら、なんと、彼は65枚もアルバムを作っているのよ。それって本当に莫大な量の音楽でしょ。私は、こういうタイプの音楽を私のファンに紹介できると思うだけで、嬉しくて仕方ないの。それから、トニーのファンが私を迎えてくれる機会を持つことも祝福したいわ。
——(トニー・ベネットに)今回のガガとの共演はあなたにとってどのような体験でしたか?
トニー とにかく僕は彼女には感動しまくりなんだ。彼女は「IT FACTOR(コレ!という要素)」を持っているような人だからね。彼女は自分のやっていることがしっかりと分かっているし、すごく頭の良い人だし、それから、社会的な問題についてインタビューで彼女が言うコメントを読んでも本当に尊敬してしまうんだ。彼女の考え方を尊敬してしまうんだよね。だから、彼女は間違いなく一生通してキャリアを続けていくような人だと思う。みんな彼女を愛しているしね。
——レコーディング自体はどのようなものでしたか?
ガガ すごくユニークな体験だったわ。しかも、ふたりにとってまったく新しいレコーディングのプロセスを一緒に創り上げたようなものだったの。トニーの世界観が少しと、私の世界観が少し、混じり合ってひとつになったような感じだったの。だから、私はこのアルバムのタイトルが『チーク・トゥ・チーク』であることを気に入ってるの。実際本当にそういう(頬を寄せ合うような)体験だったからね。