実は〈ニンジャ・チューン〉は一流企業!? レーベルだけではないニンジャの秘密!

とはいえ、理想だけで活動を続けられるほど、音楽の世界も現代社会も甘くはできていない。〈ニンジャ・チューン〉の実直で誠実なスタンスを支えているのは、実は面白いところに鍵がある。〈ニンジャ・チューン〉はレーベルとして自身の音源を世に送り出し、PRなどもおこなう他に、ディストリビューターとして〈ブレインフィーダー〉など世界中のパートナーたちの音源も広く世に届け、また日本でいうところの出版ビジネス(CMや映画などに様々な場に楽曲を提供し、その著作権管理などをおこなう)もおこなっており、この事業において、ヨーロッパで大きな成功を収めている。つまり、企業としても一流であり、こうしたしっかりとした下支えのもとで、レーベルやディストリビュートの事業をおこなっているのだ。だからこそ、新たな才能やまだ世に認知されていない新しいセンスをもったアーティストやレーベルに対しても、臆せず投資し、サポートすることができるというわけだ。このあたりの状況も〈ニンジャ・チューン〉に新しい才能が集まってくる、大きな要因のひとつとなっているのだろう。

これで次世代のアーティストが生まれるかも!? ニンジャの最新アプリ「NINJA JAMM」が最高に面白い!

これは現在に限ったことではないのだが、〈ニンジャ・チューン〉が常に新たなクリエイターを生み出し、育ててきたレーベルであることも、改めて触れておきたい。最近、〈ニンジャ・チューン〉がリリースしたアプリ「NINJA JAMM」は、過去に〈ニンジャ・チューン〉が発表してきた人気作品の音源のパーツを使って、それらを組み合わせたり、様々なエフェクトをかけたりして、直感的にライヴ・パフォーマンスを楽しめる最高に楽しい遊び道具だ。サンプラーやシンセサイザーを使ったことがなくても、誰でも簡単に遊ぶことができる。音楽を聴くだけではなく、実際に音作りやライヴすることの楽しさも多くの人たちに伝えていくというのが、いかにも〈ニンジャ・チューン〉らしい。かつてヘクスタティックは、莫大な資金がなくても、アイディアと情熱があれば、ストリートからでもそれに勝るとも劣らない映像作品が作れることを証明し、多くのフォロワーたちを生み出した。同じように、この「NINJA JAMM」を触って、ストリートから新たなアーティストたちが才能を開花させるかもしれない。このように、自分たちの出発点であるストリートの可能性を信じ、温かな眼差しを決して忘れない辺りも、〈ニンジャ・チューン〉の大きな魅力のひとつだ。きっと〈ニンジャ・チューン〉はこれからますます面白くなる。〈ニンジャ・チューン〉の現在、そして未来から目を離すな!

(text by Naohiro Kato)

Ninja Jamm使用方法(英語)


Release Information

2013.09.21 on sale!
Artist:Machinedrum(マシーンドラム)
Title:Vapor City(ヴェイパー・シティー)
Ninja Tune/Beat Records
BRC-392
¥1,980(tax incl.)

Track List
01. Gunshotta
02. Infinite Us
03. Dont 1 2 Lose U
04. Center Your Love
05. Vizion
06. Rise N Fall
07. SeeSea
08. U Still Lie
09. Eyesdontlie
10. Baby Its U
11. Overcome *Bonus Track for Japan