マライア・キャリーの日本公演がいよいよ迫ってきた。今年の6月にリリースされた新作『ミー。アイ・アム・マライア』を携えた、2006年以来8年ぶりの日本での公演となる。
1990年にデビューし、今日までに2億枚以上のアルバム・セールス、18曲の全米ビルボード・チャート1位という記録をもつ、マライア・キャリーはこれまで歴史上最も高い売り上げを記録した女性アーティストである。新世代ディーヴァ、アリアナ・グランデが“ネクスト・マライア”と呼ばれ、最新作ではミゲルなど若手ミュージシャンと共演、マライアにピンと来ない若い世代の、「今のマライアはどうなのか?」という疑問に答えるべく、今回の日本公演をより楽しむための4つのキーポイントを提示したい。
①時代の波を捉えた最新作『ミー。アイ・アム・マライア』
今年の6月にリリースされた14枚目のアルバム『ミー。アイ・アム・マライア』を侮るべからず。Pitchforkでは7.7と大御所のアーティストとしては意外と高評価。 若手最重要&Bシンガー、ミゲルが客演したシングル“#Beautiful”はBEST NEW MUSICを獲得、2013年ベスト・トラック78位にランクインもした。また、ナズ、メアリー・J・ブライジ、R.ケリー、ワーレイ、ファボラスなど、今をときめく若手から、実力派まで錚々たる顔ぶれが楽曲に参加。プロデューサーには、ジェイ・Z&カニエ・ウェストの“Niggas in Paris”、ケンドリック・ラマーの“Backseat Freestyle”、ビヨンセの“XO”を手がけたヒット・ボーイや、カニエ・ウェストの“Mercy”、シアラの“Body Party”をてがけたマイク・ウィル・メイド・イットなど、新しい才能を起用。そして、何年経っても衰えることのないマライアの歌声が組み合わさった、2014年に産まれるべくして産まれたマライアの新作である。修正(?)されたインパクト大のアルバム・ジャケットで聴くのをためらった人も多いと思うが、今一度マライアの音楽に耳を傾けてみては?
Mariah Carey – “#Beautiful ft. Miguel”
②母親となったマライア
日本でコンサートを開かなかった8年間。その間、マライアの人生で一番のトピックといえば、そう、母親になったこと。2011年、夫の俳優兼ラッパーのニック・キャノンとの間に男女の双子が産まれた。過去に流産の経験もあるマライア。長年のファンはあのマライアがついに母親か、と感慨もひとしおではないだろうか。とにかく子供が大好きなマライア。『ミー。アイ・アム・マライア』のタイトルと裏ジャケットは子供によるもので、さらに1部の楽曲に参加もしているのだから相当な溺愛っぷり(コンサートでの共演はあるのか?)。あのビヨンセが母親になったことで、アーティストとして新たなフェーズに突入し、磨きがかかった作品・パフォーマンスを披露していることは記憶に新しい。母親となったマライアがどんなパフォーマンスを繰り広げるのか、あなたはその目撃者になる。
③ワールド・ツアーの幕開けを飾る日本公演
『ミー。アイ・アム・マライア』を携えた<The Elusive Chanteuse Show>と題した今回のワールド・ツアーは日本からスタート。過去には黄金期の1996年の<The Daydream World Tour> 、1998年の<Butterfly World Tour>はそれぞれ日本がワールド・ツアーの初日だった。来日公演自体は8年ぶりとなるから、ファンならずともマライアのボルテージも最高潮になること間違いなし。日本公演後は、韓国、中国、マレーシアなどアジアを凱旋。中国では各地のスタジアムで5公演という史上稀に見る規模。今年のマライアは一味違う。ステージのセットは? マライアの衣装は? セットリストは? 前情報なし。全世界が注目する日本公演となる。
Mariah Carey – “Vision Of Love”(Live at Madison Square Garden 1995)