トム・ヨーク(Thom Yorke)とのコラボやグローバル・コミュニケーション(Global Communication)での活動などを通して、様々なスタイルのエレクトロニック・ミュージックを生み出してきたマーク・プリチャード(Mark Pritchard)。そんな彼のニューEP『MP Productions – EP 1』が、11月13日(金)にリリースされることに。
Mark Pritchard『MP Productions – EP 1』が〈WARP〉よりリリース決定!
本EPには6曲のダンス・トラックが収録されており、そのほとんどが昨年の<WXAXRXP>でのNTSミックスで初めてプレイされたものとなっている。EPの冒頭を飾る“Be Like Water”は、00年代初期のグライムシーンを想起させる、ダンスフロア向けのトラックだ。続く“Rakatak”は、民族音楽学者デイビット・ファンショー(David Fanshawe)のアルバム『African Sanctus』からインスピレーションを得ており、同氏のアーカイブからのサンプルを使用した楽曲となっている。
そしてシカゴハウスにインスパイアされたトラック“J is For _ _ _ _”は、電話のキーパッド・サウンドとパーカッションが重なり合い、生々しい熱量に溢れた楽曲に。タイトルが目を引く“LFO Special”は、シェフィールドで開催されたパーティー<Warp20>当日の夜にホテルで制作された。
また“One Way Mirror”は、ショシャナ・ズボフの著書『The Age of Surveillance Capitalism』(監視資本主義の時代)からインスピレーションを得て制作された。この楽曲は生産性とパフォーマンスを向上させることに固執する世の中のトレンドを皮肉ったもので、「都市とは人間のことであり、人間の経験を向上させることで都市を向上させ、都市生活を向上させる」というメッセージを伝えるコンピュータの声が、混濁としたサウンドの中で調和している。EPのラストを締めくくる“In My Heart”は、クラブが閉店していたり、夜10時以降の外出禁止令が出されているこの時代に、リスナーがテクノの陶酔感を感じられるように、と作られた楽曲となっている。
なおEPのアートワークは、ここ日本においてもCALM & PUNK GALLERYで個展を行い注目を集めたジョナサン・ザワダが担当。AIソフトウェアを使用し、ビニールに包まれたスーツを着た男のイメージが描かれているこちらのアートワークは、エレクトロニック・ミュージックと機械学習との間のディストピア的な交差点を表現している。今回の発表に伴い、収録曲“Be Like Water”も公開されたので是非チェックを!
MP Productions (Mark Pritchard) – Be Like Water
RELEASE INFORMATION
MP Productions – EP 1
2020.11.13(金)
Mark Pritchard
Warp Records
Tracklist:
A1 Be Like Water
A2 Rakatak
A3 J Is For _ _ _ _
B1 LFO Special
B2 One Way Mirror
B3 In My Heart