マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の死後にSony Music Entertainment傘下の〈EPIC Records〉から2010年リリースされたアルバム『Michael』収録曲3曲が偽物であることが判明、ソニーがその事実を認めたと『Vibe』が報じています。
マイケル・ジャクソン本人による歌唱ではないという疑惑
『Michael』収録の“Breaking News”、“Keep Your Head Up”、“Monster”の3曲がマイケル・ジャクソンによるものではなく、他の人物によるなりすましではないかという疑惑がリリース当初から指摘。
マイケルの母親キャサリン・ジャクソンもマイケルによるものではない可能性を指摘していました。
一方で、ソニーは疑惑に対して、マイケル生前の全てのプロデューサー、伴奏者、エンジニアに生のボーカルを確認。さらに、法医学の権威である2人の音楽学者が声紋鑑定でボーカルがマイケルで間違いないとしたとする声明文を発表していました。
Bad、Thriller、Off The Wall、Dangerous、Invincible、HIStory、Blood On The Dance Floorなどのレコーディングに実際に参加した、そして/またはマイケルのツアーで一緒に仕事をしたエンジニア、プロデューサー、そしてミュージシャンたち全員がこの音楽を聞き、一人残らず、カシオ邸で録音されたトラックのリード・ヴォーカルはマイケル・ジャクソンに間違いないと確信していると話した。法医学の分野でも活躍する、アメリカで最も著名な二人の音楽学者が、それぞれに音声解析を利用してこれらのトラックを分析したところ、二人ともが、このリード・ヴォーカルはマイケル・ジャクソンに間違いないと報告した。マイケルの音楽家としてのキャリアにおいて、たいへん重要な役割を果たした2人のアメリカの音楽界の超有名人にこの音楽を聞いてもらったところ、二人ともこのリード・ヴォーカルはマイケルに間違いないと証言した。
引用元:3曲の「信憑性」について
ファンが訴訟を起こす
2014年にはファンのベラ・セロヴァがマイケルの長年の友人、エディ・カシオ(Eddie Cascio)とその兄弟の制作会社「Angelikson Productions LLC」を相手取り民事訴訟が起こしました。
訴訟では疑惑の3曲を共に作曲したとしてクレジットされているジェームズ・ポルテ(James Porte)の関与も指摘。
エディとジェームズはジェームズのニュージャージーの自宅の地下室で2017年に録音したものであると主張しましたが、確かな証拠を提示することはできませんでした。
ジェイソン・マラキがマイケル・ジャクソンになりすまして歌唱?
ベラ・セロヴァはさらに、ロサンゼルス上位裁判所に疑惑の3曲はジェイソン・マラキ(Jason Malachi)による歌唱だとする訴えを起こします。
楽曲が偽物だというマイケルのサポートチームによる証言も含む、様々な矛盾点を提示。さらに、法聴覚学者ジョージ・パップカンの41ページにも及ぶ、マイケルによる歌唱ではないとするレポートを提出。
ジェイソン・マラキは自信のアルバムにマイケル・ジャクソンへのトリビュート曲を収録しています。
最終的に、Sony Music Entertainmentは裁判で偽物のシングルをリリースしたことを認めたと今回『Vibe』、『Hot New Hip Hop』などが報道、『SPIN』も『Vibe』の記事を掲載しています。
更新:8月27日12:00 ソニー「誰もマイケル・ジャクソンが楽曲を歌唱していないとは認めていない。」と否定
先週行われた審理の参加者複数の証言を元に報道されていましたが、報道を受けてソニーが代理人を通じて『Variety』で「誰もマイケル・ジャクソンが楽曲を歌唱していないとは認めていない。」という声明文を発表。
報道をきっぱりと否定し。審理ではレコーディングされた声が誰のものであるかという判断は下されておらず、米国憲法修正第1条でソニーミュージックと財団が守られるかどうかについての審理だったことを強調しています。