中盤には口笛がまさにマカロニウエスタンな新曲“Halvvägs”ではヨアキムのサックスのユニゾンという見せ場もあり、アンダッシュがアコギとフットペダルも担当し、バスキングのフレイバーも漂う“Huvudet bland molnen”では、ライブのダイナミズムがさらに増した印象も。ラップはスウェーデン語だが、MCは英語なので分かる人が大半のフロアでは、彼らのコミカルなやりとりが場をあっためる。例えばヨハンがライナス()の毛布よろしく持つタオルで汗を拭きつつ、「ドクターナカマツのシューズがあればもっと軽快に動けるのかな?」などなど(日本の情報に詳しすぎる!)、アッパーな演奏ととぼけたMC、そのすべてが「楽しい!」ベクトルにしか向いていない。素朴にしてプロフェッショナルというバランスがツボに入る。終盤にはオープニングアクトでも短時間でフロアをヒートアップさせた盟友・Maskinen(マシーネン)のふたりが登場して、新作の中でもとりわけEDM的なストロングなナンバー“Limousin”を生コラボ。訥々としてるようでスキルフルなヨハンのラップと、ハードなパンチラインをキメるMaskinenのふたりのチェイスがスリリング。それでもどこか愛嬌を感じさせるのがこの人たちのチャームで、ジャンプするオーディエンスは皆、笑顔。
漫画『ピーナッツ』の登場人物)

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本編ラストは彼らの名前を世界に知らしめた“Sammy Davis Jr.”。ヨハンのラップは着火したように再びヒートアップし、ステージの一段低いところで最前列のファンとハイタッチして楽しさを交歓。すぐさま起こるアンコールに応えて、「アリガトゴザイマス、トキオ!」と登場し、そして会場、スタッフ、バーカウンター(笑)にも感謝を述べ、トレードマークであるスウィングヒップホップのキラーチューン“Äpplelknyckarjazz”では痛快なタオル回しも起こして、まさにボーダーブレイクな一夜を締めくくった。初見でもスウェーデン語がわからなくても、まったく問題ナシ。ゲスト席も踊っていない人がほぼいないほどの巻き込み力、また日本にファンを増やしたことは間違いないだろう。

(text by Yuka Ishizumi)

セットリスト
01. INTRO
02. Lindansen
03. Röksignaler
04. SKJUT MIG I HUVET
05. SWING FÖR HYRESGÄSTFÖRENINGEN
06. Halvvägs
07. Huvedet Bland Molnen (ギター&フットペダル使用)
08. Ut Ur Min Skalle
09. FEL DEL AV GÅRDEN
10. NA NA NAH!
11. Nitrogllycerin
12. Limousin(feat. Maskinen)
13. Pengar(feat. Maskinen)※Maskinen名義の楽曲
14. SAMMY DAVIS JR.

アンコール
15. BALACLAVABOOGIE
16. ÄPPELKNYCKARJAZZ
マークが付いた楽曲は最新アルバム『Head Amongst The Clouds』からの楽曲

★Qeticでは後日、モ―ビッツ!のインタビューを公開! こちらもお楽しみに!!

Release Information

Now on sale!
Artist:MOVITS!(モービッツ!)
Title:Head amongst the clouds(ヘッド・アマング・ザ・クラウズ)
Rambling RECORDS
RBCP2693
¥2,625(tax incl.)