——成田さんにとっての1番衝撃的なライブって何ですか?
成田 ロックのライブだったらやっぱり、中学生の時に病気にかかってるのに1人で行った↑THE HIGH-LOWS↓のライブかな。
津田 1番ライブハウス行っちゃダメなやつですね。青森ですか?
成田 青森です。意識朦朧としながら観た↑THE HIGH-LOWS↓は覚えてますね。
津田 そろそろ今年の<夏の魔物>の話しましょうよ。今年はどうなんですか?
成田 10周年っていうのが大きいですよね。
津田 凄いですよね。1回も休まず! しかも、いろいろ変わっていくという。
成田 血を垂れ流しながら、それに気付かず、ずっと走っていたという感じです。
——もう<夏の魔物>が成田さんのライフワークになってますよね。
津田 毎回最後だと思ってやってるんですよね?
成田 そうですね。今いろんなところにフェスもあるし。うちのフェスは県外から来る人が9割なんですけど、わざわざ選んでくれるっていうのは有り難いですよ。その場にしかないもの、アーティストと空間、鳴ってる音楽とかロケーションも含めて、<夏の魔物>は、自分も予想つかないんだけど、お客さんも予想がつかないのが良いだろうなと思って、毎年続けています。
津田 <夏の魔物>って毎回の発表が、メディア側としては発信しがいがありますよね。2度見するもん、早見優さんとか。吉田豪さんとか杉作J太郎さんとか、最近だと「なるほど」って感じちゃうようになったのも成田大致ワールドに染められてる気がする。結局のところは予測不能だけど。
成田 それがある意味、<夏の魔物>的かなと。
津田 今年とかもDOTAMAさんとかCreepy Nutsが入ってて、また新しい感じありますよね。あと昔はアイドルもそんなにいなかったですもんね。
成田 昔は呼んでも声優さん1人とか、漫画家さん1人とか、スペシャルゲスト感を出してたんですけど、今の会場になってからは幅広くしてます。
津田 世の中の環境とか成田大致の頭の中が変われば、フェス自体も変わってくるのが、僕にとっての<夏の魔物>の楽しさです。次は何を見せてくれるんだろうって毎年思ってます。
津田 10周年なんでたくさん思い入れがあると思いますけど、今年の見所をしいてあげるなら?
成田 曽我部さんがソカバンを3年ぶりに始動させて出てくれるんですよ。やっぱり10周年で象徴的な人というか、曽我部さんにトリをやって欲しいとお願いして。
——津田さん的にはどれが楽しみですか?
津田 僕は、今年はお世辞抜きで夏の魔物をめっちゃ聴いた夏だったんですよ。こないだライブも観たので、その今の勢いをどうフェスで表現するのか興味ありますね。
成田 しかもこの日は、バンドセットでやるんですよ。メンバーが、ギターは毛皮のマリーズの西さん(※越川和磨の愛称)で、キーボードがミドリのハジメタルさんで、ドラムが元くるりの森(信行)さんで、ベースがウエノコウジさんなんですよ。<夏の魔物>10周年に相応しいというか、所縁のある方々と。
©夏の魔物
——今、フェスの数がどんどん増えてて多いじゃないですか。似たようなものも出てきたり、日程も被ったり。全部に行けている人はそんなにいないと思うので、お客さんも分散してると思うんですよ。それによって、移動距離だとか、観たいアーティストだとか、フェスの雰囲気だとか、行くにあたっての判断基準が色んなところに生じると思うんですけど、成田さんが思う、<夏の魔物>には残しておかないといけない特徴や軸とするものであったり、今後もフェスとして残っていくために不可欠なものはなんだと思いますか?
成田 そうですね……。でも、<夏の魔物>に似たイベントって増えたんですよ。エッジの効いたアーティストをブッキングしていくとそういうことになるんですかね。でも音楽を聴き続ける限り、俺の人生というのはオリジナルなので、他と一緒になることはないのかなって。<夏の魔物>でしか観られないことだとか、あとプロレスのリングのステージだとか。常に1stアルバムをリリースしてるような、今でしかできない全力投球というのを見せていきたいので、アーティストも含めて毎年、「最新作が最高作」「新しい年が過去最高」になるように毎回頑張りたいなって思ってます。
津田 それプライマル・スクリームのボビー(・ギレスピー)もMCで言ってた。
成田 やっぱロックの基本ですよ。
——なるほど。今、成田さんにはオーガナイザーとして意見を言っていただきましたが、メディア側として、津田さん的にはこれからのフェスは、これがあったら残っていくだろうなっていうポイントはありますか?
津田 賛否両論あると思いますけど、僕が気になるのは「主催者の顔が見えるフェス」ですね。<ULTRA JAPAN>とかも、小橋(賢児)さんが表に立ってますよね。ああいうのって僕は素晴らしいことだと思うんです。主催者とか作り手の脳内を見せつけるようなものってゾクゾクするじゃないですか。<フジロック>でいうと、日高さんのイズムみたいなものが今や来場者に浸透している。<サマソニ>も今年清水さんが会場内で来年のブッキングの構想みたいなものを話したり、<TAICOCLUB>だって終わってしまうけど、安澤(太郎)さんの想いがあって、次のステージに進むということが明確にステイトメントとして発信されている。何でも選べる情報過多の時代だからこそ、フェスという文化が一般化した今だからこそ、フェス自体がもっと主張していっていいと思うんです。
——それで言うと、<夏の魔物>は特に主張が強いですよね(笑)。
津田 強すぎるくらいでいいと思うんです。例えばそれまで興味なかったけど、成田大致が気になるアーティストなら今年は観ておかないとなみたいな。海外だと、<グラストンベリー・フェスティバル>とか<ベスティバル>もそうなんですよ。作り手の個性が強い。<グラストンベリー>のイーヴィス(主催者)は今年コールドプレイのステージで1曲歌ってましたからね(笑)。そこまで行かなくてもいいけど、やっぱり作り手が個性を出すことが、たくさんフェスがある時代だからこそ必要なんじゃないかと思いますね。だから成田さんこれからも頑張ってください。
成田 はい! まずは今年たくさんの人に<夏の魔物>に遊びに来てもらえたらと。
Interview & Text by Hiromi Matsubara
Photo by Chika Takami
EVENT INFORMATION
夏の魔物ファーストアルバム発売記念「夏の魔物現象2016」10th ANNIVERSARY BOM-BA-YE
2016.09.16(金)
OPEN 16:30/START17:30
恵比寿リキッドルーム
¥5,000(1ドリンク別)
出演:人間椅子、大森靖子、生ハムと焼うどん、ベッド・イン、吉田豪、夏の魔物+魔物BAND(ウエノコウジ・森信行・越川和磨・ハジメタル)、クロユリ from 夏の魔物、※スペシャルゲスト:大槻ケンヂ、and more……
詳細はこちら
EVENT INFORMATION
AOMORI ROCK FESTIVAL’16 〜夏の魔物〜 10周年記念大会
2016.10.01(土)
OPEN 18:30/START 19:00(予定)
青森県東津軽郡平内町夜越山スキー場
出演:夏の魔物withヒャダイン、曽我部恵一BAND(Vo,Gt.曽我部恵一 Ba.大塚謙一郎 Dr.オータコージ)、田島貴男(ORIGINAL LOVE)、大槻ケンヂ、人間椅子、BELLRING少女ハート、清 竜人25、藤井隆、POLYSICS、神聖かまってちゃん、グッドモーニングアメリカ、My hair is Bad、忘れらんねえよ、向井秀徳アコースティック&エレクトリック、ROLLY、SCOOBIE DO、うつみようこ、THE NEATBEATS、HINTO、バンドTOMOVSKY、ザ・チャレンジ、Wienners、アーバンギャルド、DOTAMA、Creepy Nuts(R-指定&DJ松永)、MOSAIC.WAV、SuG、ベッド・イン、クリトリック・リス、ジョニー大蔵大臣、早見優、こぶしファクトリー、バンドじゃないもん!、ゆるめるモ!、PassCode、生ハムと焼うどん、Maison book girl、ライムベリー、The Idol Formerly Known as LADYBABY、椎名ぴかりん、デスラビッツ、二丁ハロ、吉田豪、杉作J太郎、掟ポルシェ、久保ミツロウ・能町みね子、小山健、伊藤賢治、DJやついいちろう、DDTプロレスリング、スーパー・ササダンゴ・マシン、火野裕士、クロユリfrom夏の魔物、and more……
詳細はこちら
RELEASE INFORMATION
ファーストアルバム『夏の魔物』
2016.09.07(水)
夏の魔物
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[amazonjs asin=”B01HHSLOU2″ locale=”JP” title=”夏の魔物 通常盤(CD only)”]
・初回限定盤A(CD+DVD)¥3,500(+tax)/PCCA-04414
・初回限定盤B(2CD)¥3,500(+tax)/PCCA-04415
・通常盤(CD only)¥3,000(+tax)/PCCA-04416
【収録曲】※全形態共通
01:恋愛至上主義サマーエブリデイ
02:魔物、BOM-BA-YE 〜魂ノ覚醒編〜
03:恋の天国はケモマモハート
04:爆裂レボリューション
05:SUNSET HEART ATTACK
06:世界は愛と夢で出来ている
07:東京妄想フォーエバーヤング
08:バイバイトレイン
09:ダーリン no cry!!!
10:どきめきライブ・ラリ
11:リングの魔物
12:未来は僕等の風が吹く
13:サマーロマンサー
詳細はこちら
『夏の魔物』公式ユニット オフィシャルサイト
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