山田友佳里です。2両編成で下高井戸—三軒茶屋間を繋ぐ世田谷線のまんなか、松陰神社前にお店を構えるnostos books(ノストスブックス)でディレクターやバイヤーをしています。店内BGMの選曲も基本的に私がしているので、今回は居心地のいい空間を演出する「本屋の音楽」と題して10曲ご紹介します。すべて邦楽で、音楽に詳しくない方でも一回聴いただけでグッとくるものばかりですので、ぜひチェックしてみてください。カフェやショップのBGMにもおすすめです。

1. Predown – Keep Silence/A Golden Wheel(2013年)

                
ハスキーでスイートなヴォーカルに癒やされてしまうPredawn。ふっと力の抜けた歌い方もリラックスを誘います。ビートレスだけどアコースティックギターはリズミカル。本を読むときやちょっとした文章を書くときにほどよいテンポをもたらしてくれるので、個人的な作業用BGMとしても愛聴しています。他のお店でも何度か聴いたことがありますね。ちなみに、PredawnのライブでのMCはとっても天然で可愛いですよ。

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2. 王舟 – Tatebue/Wang(2014年)

               
王舟は上海で生まれ、日本で育ったミュージシャン。この曲はポップでありながら、本人もインタビューで“ひとりで作っているときは、どこかの部族の音楽みたいだと思っていた。”と話すように、新鮮で印象に残るメロディがくせになります。基本的に歌詞は英語ですが、サビにかけて鼻歌のように気分良く歌い上げるスキャットがとても好き。お店のオープン前、掃除をしているときなんかに自分もつい口ずさんでしまいます。

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3. Special Others – Laurentech/QUEST(2008年)

                
メジャーでは稀有なインストゥルメンタルでありながら、武道館公演も成功させたジャムバンド、スペアザ。ギターのイントロから始まり、ビートが乗り、キーボードがメロディを包み込む……。音の一体感がとても気持ち良いんです。自分がお客さんだったとして、初めて入ったお店でこれがかかっていたら、迎え入れられているような気分になるだろうなあ。するすると緊張がほぐれていき、幸福感に包まれる1曲。

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4. 小瀬村晶 – Light Dance/Tiny Musical(2015年、デジタルリマスター版

                
音楽好きが高じて、nostos booksでも音楽フェアを企画しました。今年10周年を迎えたレーベル・SCHOLEからリリースしたアルバムを展開させていただいたのですが、この曲の入ったアルバム『Tiny Musical』をBGMにすると、お客さんにもスタッフにも好評でした。ピアノだけで奏でられるメロディは踊るように跳ねるけれど決して派手ではなくて、シンプルでひたむき。だからこそスッと胸に染み込んでくるのかもしれません。ギターとハーモニカで演奏した別バージョンも、同アルバムとSCHOLEのコンピレーションアルバム『Schole Collection』に収録されていますので、ぜひチェックしてみてください。

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5. haruka nakamura – Arne/Schole Collection I(2017年)

               
同じく『Schole Collection』からharuka nakamuraの「Arne」を。収録されているオリジナルアルバム『Grace』は、自身の地元である、青森の夕暮れの風景を描いたアルバムのひとつ。自分自身が石川の生まれで田舎育ちなので、初めてこの曲を聴いたとき、真っ先に懐かしさを覚えました。夕日に紅く染まっていく空、夕焼けが映って揺れる川の水面、そんなかつて毎日見ていた風景の移ろいが瞼の裏に浮かんできます。それにしてもこのコンピは素晴らしい。全曲推し。

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本屋の音楽:居心地のいい空間を演出する店内BGM10選(邦楽) music170804_nostos_2-700x462

本屋の音楽:居心地のいい空間を演出する店内BGM10選(邦楽) 残り5曲もチェック!

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text by 山田友佳里