定型化が進む日本の音楽シーンに切り込む「NU Festival」において、最も先鋭的なパフォーマンスが衝突するのが「NU Live」のプログラムだ。

国内外から集結する濃密なラインナップのなかから、何を目撃し、どう身体を委ねるべきか。漂流音楽が絶対に見逃せないアーティストたちを、2日間にわたって厳選して紹介する。

前編となる今回は、6月27日(土)の「NU Live」に出演するアクトをピックアップ。還暦を超えてなお鋭利なビートを放つ巨匠から、クラシカルと電子音楽を異次元で融合させるデュオ、そして東アジアのアンビエントシーンの深部を並走するアーティストまで。

単なる「おすすめ」ではなく、このフェスの思想をディープに体現する6つの音像を、独自の視点から紐解いていく。

DJ KRUSH

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22:00 LINKPILLAR Hall
トリップホップの巨匠、DJ KRUSHがラインナップ。DJと名前を冠しているし、確かにターンテーブルを基軸に置いてパフォーマンスをしているものの、その姿はアーティストと言っても差し支えない。それでもDJという名前を冠して活動するのは、その音楽性の根底にはヒップホップがあるからだろう。プロデューサーとしては14枚のアルバムもリリース。直近2024年のアルバムでは、そのダークかつシャープに磨きのかかったサウンドからなるビートが遺憾無く発揮された。還暦をとうに超えてもなお、精力的に海外へのツアー活動を行い、衰えを知らない大御所が、高輪でどんなパフォーマンスを披露するのか、胸が躍る。

GRANDBROTHERS

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20:40 LINKPILLAR Hall
既にかなりの話題となっており、絶対に見逃せないのが、スイス人のLukas Vogelとドイツ人のErol Sarpからなるこのデュオの初来日だ。まず、エレクトロな音楽性であるにも関わらず、ステージにグランドピアノが置かれ、そこから大量の配線が伸びているというセットアップの異質さがすでに面白い。「これから観たことのない何かが起こる」とワクワクが止まらない彼らのライブは、Nu Fesとの相性も間違いなく抜群だろう。その機材構成が示す通り、ピアノの生音と電子音が掛け合わされ、美しく壮大で、クラシカルな気品すら感じさせるダンスミュージックが展開されていく。今回の初来日を機に、今後さまざまなフェスや単独公演へと繋がっていってほしい。

SHÖKA

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16:30 ROOM 5
バンド、ソロ、アンサンブルなどさまざまな形態でライブを行うShökaだが、その根底に一貫して流れているのは、音楽を「身体で感じる」ことへのまなざしだ。透明感のある歌声と、生音や電子音が織りなす音は、軽やかに躍動しながら私たちの内側へと浸透してくる。音の変化に身を預けていくうちに、いつしか音と身体が溶け合うような感覚へとたどり着く。その場に集う人々や空間との呼応によって表情を変えるパフォーマンスは、ライブならではの有機性と没入感を生み出してきた。今回はdublab.jpがキュレーションするリスニングルームに登場。寝そべりながら音に身を委ねる空間のなかで、Shökaの表現は、より親密なかたちで私たちの身体へと流れ込んでくるだろう。

NATHAN FAKE

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17:40 LINKPILLAR Hall
数年前にタイのWonderfruitでのライブを観た際、「なぜ来日しないのか」と嘆いた思い出が蘇る。美しいメロディを武器に、エレクトロを縦横無尽に駆け巡る鬼才が久々の来日を果たす。突出した展開力には確かなストーリーがあり、踊るというよりは「体験する」という方が正確かもしれない。さらに今年の2月にはアルバムをリリースしており、このタイミングでの来日はまさに絶好。IDMを追求し続けた今作は、ミニマルさもありつつ、しっかりとフロアを揺らすことのできる「Hypercube」のようなアンセムも備えた傑作だ。土曜日に参加するなら、このセットを見逃すことは絶対に許されない。

MEITEI (冥丁)

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15:30 LINKPILLAR Hall
“LOST JAPANESE MOOD”を掲げ、日本の記憶や気配を現代の電子音楽へと編み直してきた冥丁。彼が連ねる音には古い情景が影を落とし、淡く歪む環境音とビートが滲むように溶け合う。全てが東京に集約され、均一化されていく現代で、「日本の原風景」として忘れられかけている感覚——音、温度や湿度、目に映ったその色。それらを懐古としてではなく、今この瞬間へと呼び覚ます響きは現代のフロアを静かな陶酔で満たしていく。かつて確かに存在していた情景が、現代のフロアにそっと現れる瞬間を感じてほしい。空間と時間の境界が曖昧になって、私たちの内側にある記憶がゆっくり動き出す。その余韻は長く残り続けるだろう。

COLA REN

【漂流音楽 × Qetic】シーンを紐解く「NU Festival」アーティストガイド・前編 1
14:30 LINKPILLAR Hall
中国・広州を拠点に活動するプロデューサー/DJの彼女は、クラシックピアノと美術写真の素養を持ち、アンビエントを軸とした繊細サウンドスケープを描き出す。ロンドンの実験音楽の聖地Cafe OTOで過ごした時間が、彼女の音や即興への感性を大きく広げたという。2025年にリリースしたEP『Mekong Ballad』では自然の静けさが美しく光る音像で自らの声も初めてフィーチャーをした。昨年9月にあった岩壁音楽祭にて初日はライブ、2日目はDDJ出演。繊細さとエネルギッシュ、真反対だかどちらも彼女らしさを感じるパフォーマンスであった。今回はDJセットとのことで、そのエネルギーを十分に感じたい。

6月27日(土)Time Table

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ジャンルや世代、国境を越えて、最尖端の表現が交差する6月27日(土)の「NU Live」。自らの感覚をアップデートしていくような濃密な体験が、そこには待っているはずだ。

漂流音楽による「NU Festival」アーティストガイド。明日公開の【後編】では、6月28日(日)の注目アクトを紹介!

Text by 漂流音楽

EVENT INFORMATION

【漂流音楽 × Qetic】シーンを紐解く「NU Festival」アーティストガイド・前編 NU-KV-main_yoko

NU Festival 2026

日時:
6月26日(金)12:00-22:30
6月27日(土)12:00-23:00
6月28日(日)12:00-23:00
※各プログラムごとに実施時間は異なります。
アーティスト:
ACTRESS / ACTRESS & SUZANNE CIANI / COLA REN / DAITO MANABE / DJ KRUSH / GRANDBROTHERS / 鏡民 (KYOMI) / 冥丁 (MEITEI) / みんなのきもち (MINNA-NO-KIMOCHI) / NATHAN FAKE / SAKURA TSURUTA / SAPPHIRE SLOWS / TWO SHELL / WILLIAM BASINSKI / AKIE / CHLOÉ JULIETTE / DJ EMERALD / KEIGO TATSUMI (LIVE) / MASAAKI HARA / SHÖKA (LIVE) / NICK LUSCOMBE / ROKUDAI SPECIAL LISTENING / SHHHHH / HIKO・KONAMI / OUSMANE BÂ AND MORE..
会場:
〈NULive〉TAKANAWAGATEWAYConventionCenterLINKPILLARHall
〈NUArt〉MoNTakanawa:TheMuseumofNarratives(Box300/Tatami)
〈NUStation〉高輪ゲートウェイ駅南改札外3Fテラス
〈NUPark〉高輪ゲートウェイ駅前GatewayPark
1 Day 6月26日(金) ¥9,000
1 Day 6月28日(日) ¥9,000
2 Days 6月27(土)& 6月28日(日) ¥15,000
1 Day Under 23 6月27日(土) ¥5,000
1 Day Under 23 6月28日(日) ¥5,000

チケット購入:
ローソンチケット https://l-tike.com/nufestival/
イープラス    https://eplus.jp/nufestival/
チケットぴあ   https://w.pia.jp/t/nu-festival-2026/
ZAIKO      https://nufestival.zaiko.io/e/nu-festival-2026
※本フェスティバルは6月26日(金)、27日(土)、28日(日)の3日間開催されます。
※6月26日(金)はMoN Takanawa (Box300 / Tatami)で入場無料のプログラムを実施。
※6月27日(土)、28日(日)の「TAKANAWA GATEWAY Convention Center」と「MoN Takanawa(Box300/Tatami)」は有料です。
※「高輪ゲートウェイ駅 南改札外3Fテラス」および「Gateway Park」はフェス期間中、無料でお楽しみいただけます。
※「LUFTBAUM 28F 翠の庭」のプログラムは、フェス期間を含む6月26日(金)〜7月5日(日)の全期間、どなたでも入場無料です。
※「高輪SAUNAS」でのDJイベントは、通常のサウナ入館料のみで入場可能です(フェスのリストバンド提示で入館料が1,000円OFF)。
注意事項:
※規定枚数に達した場合、当日券の販売はございません。
※ご入場の際にIDチェックを行います。写真付き身分証明書をご持参ください。
※中学生以下は入場無料です。ただし、保護者同伴に限ります。
※Under 23(23歳以下)チケットをご購入の方は、ご入場時に身分証明書の確認を行います。身分証明書をご提示いただけない場合は、当日料金との差額をお支払いいただきます。

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漂流音楽

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漂流音楽(Hyoryu Music)は、2022年2月16日に国内外の音楽を紹介するメディアとしてInstagramを拠点に活動を開始。新譜情報を中心に、フェスやライブ情報も発信している。活動開始同年には初の紙媒体『漂流音楽マガジン VOL.1 -too many music to follow…-』を刊行。以降も制作を続け、現在はVOL.4まで刊行している。DJコレクティブとしての顔も持ち、渋谷 club bar FAMILYにて自主企画イベント「NEIGHBOR」を毎月開催中。ジャンルの壁を超えた音楽体験を届けることを軸に、メディア・出版・イベントの三つの軸で活動を展開している。

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