初日と最終日は、エクストリーム・ミュージックの聖地で!
初日と最終日の会場は、浅草KURAWOOD。立地的には、ビルやマンションが立ち並ぶエリアにあるライブハウスだが、会場内には照明器具として提灯が吊るされ、ドリンクメニューにホッピーや電気ブランが用意されているなど浅草らしい下町風情が漂ってくる。何とも”粋”を感じさせるデザインの会場だ。
ちなみに、本会場は<OEF Asia>の運営にも深く関わるレコードショップ『はるまげ堂』によるイベント、<ASAKUSA EXTREME>が定期開催されており、こうしたコアな音楽の拠点になっているスポットである。
吉祥寺CLUB SEATAに比べると、会場は小さくなるものの、その分、ステージ、バンドとの距離は近く臨場感は抜群。成る程、バンドとオーディエンスの間で、ステージダイブのような肉多言語のやり取りが幾度となく行われるエクストリーム・ミュージックのイベント会場としては抜群だし、その辺りは、<OEF Asia>の基本コンセプトとも見事に合致していると感じた。
初日のトリは、日本が世界に誇る”元祖グラインドコア”SxOxB。最終日は、マスターが前身バンドのデス・ストライク名義で、中二日とは異なるスタイルによる名曲の数々を披露してくれた。
その他にも、前述したように実に多種多様なスタイルのバンドを楽しむことができるのが本イベントの強み。中でも、”メタル・ロックンロール”とでも形容すべき、ロックなサウンドで会場を大いに盛り上げたマリグナント・テューマーのようなバンドを超至近距離で観ることができたのは、このイベント、この会場ならではの味と言えるだろう。
オーディエンスもフリーダム! 思い思いに音楽を楽しむのが<OEF Asia>!
<OEF Asia>は”真のアンダーグラウンド”を謳っており、そのスローガンの下、オーディエンスに対してもあらゆる制約が取り払われている。具体的には、ステージに上がることやモッシュにダイブといったアクションが解禁され、服装も自由。その結果、会場に集まったオーディエンスの楽しみ方も実に多種多様だ。
そう、<OEF Asia>の強烈な個性は、出演バンドだけに限らない。オーディエンスもバンドに負けじと個々の感性を大爆発させているのだ。
例えば、セーラー服や女性用水着を着た男性、このイベントでの代名詞となっているガスマスクやバナナのきぐるみを被っている者、血塗れのナース姿の女性などなど、思い思いのコスチュームに身を包んだファン層を目にすることができる。フリーダムに音楽を楽しもうとする観客の姿勢も本イベントにおける特色の一つと言えるだろう。
グラインドコア勢が登場した時に、こうしたコスプレ勢がお祭り騒ぎをするシーンは、本イベントのハイライトの一つとして、是非ともライブで目撃していただきたい。
ヘヴィメタルバンドのパッチを縫い付けたジージャン、所謂”パッチジャン”を着たメタルファンやハードコアパンクバンドのTシャツを着たファンも多く、そうしたファッションも本イベントの方向性を雄弁に物語っている。
パンクスやメタラー、ハードでヘヴィな音楽を愛する者にとって、<OEF Asia>は、日頃のフラストレーションを忘れて思いっきり拳を突き上げ、メロイックサイン掲げることで、自身の音楽への愛を表現できる開放の場でもあるのだ。
今年も充実したイベントとなった<OEF Asia>。来年、再び過激でエクストリームなバンド群が<OEF>の御旗の下に集まることがあれば、是非ともその独特な世界観を会場で味わって欲しい。