日米のハードコア・バンドが大集結!
終始モッシュ&ダイヴが絶えなかった激アグレッシヴな夜
VICE Japan×2.5Dの共催イベント<THE OTHER NEWEST ONE vol.1>出演のため、遂に初来日を果たしたLAのハードコア・パンク・バンド=OFF!(オフ)。アイドルや現役OLユニットとの三つ巴も凄まじかったTSUTAYA O-EASTでのライヴから一夜明け、新代田FEVERにて<OFF! TOKYO SHOW 2014>と銘打った単独公演が行われた。
レッチリのアンソニー・キーディスがOFF!のキャップを愛用していたことから、メインストリームでも広く知られる存在となった彼らだが、そもそもはキース・モリス(ブラック・フラッグ~サークル・ジャークス)、ディミトリ・コーツ(バーニング・ブライズ)、スティーヴン・マクドナルド(レッド・クロス)、そしてマリオ・ルバルカバ(ロケット・フロム・ザ・クリプト/ホット・スネークス)といった、USハードコア・シーンにおける4名の超人が集結したスーパー・グループ。日本からも叩き上げのBREAKfAST、SLIGHT SLAPPERS、MEANINGら3組がオープニング・アクトとして迎え撃つ格好となり、終始モッシュ&ダイヴが絶えない激アグレッシヴなパフォーマンスが次々と繰り広げられる。
大トリはもちろんOFF!。セット・チェンジ中にキース・モリスが登場するだけで怒号のような歓声が沸き起こり、御大自らマーシャルのアンプに長〜いセトリを貼っていたものの、彼らの楽曲が2分(どころか1分)にも満たないものばかりであることはファンも重々承知している。SEで流れるザ・クラッシュの“Clampdown”が徐々にフェード・アウトし、キースのMCと共に幕開けしたステージはまさに「疾風怒濤」。3コードの爆速ギター・リフと、フロアをドコドコと揺らしまくるリズム隊のグルーヴだけでも凄まじいのに、眼光鋭くオーディエンスを睨みつけながら歌い、踊り、飛び、がなり、叫び、暴れ回るキース(御年58歳!)のパワフルな姿を見せつけられて、血が騒がないほうがオカシイってもんだ。しかも、彼が着用しているのはネガティヴ・アプローチ(デトロイトの伝説的なハードコア・バンド)のTシャツ。完璧。
4月リリースの2ndアルバム『Wasted Years』(14年)の収録曲はほぼ網羅されていただろうか––やはりライヴでも1曲目に披露された“Void You Out”や、ファシストMVでお馴染みの“Red White and Black”といったナンバーの即効性/起爆力はケタ違い。個人的にはスティーヴンのヘン顔(普通にしてたらイケメン)連発にツボったが、アンコール込みで50分も経っていなかった事実にはもっと笑った。
「ちゃんとしたビデオを撮る予算があるんだから、パンクじゃねーよ」といった批判も少なくないOFF!ではあるが、何十年も現役でアンダーグラウンド・シーンをサヴァイヴしてきた彼らに、そんな言葉はナンセンス。OFF!が鳴らすキョーレツな爆音は、これからも問答無用で我々を熱くしてくれるハズだ。
Photo Gallery
text by UK
photo by Shusaku Yoshikawa