本のDTM(デスクトップ・ミュージック)系トラックメイカーたちの中で、今最も注目を集めるといっても過言ではない、横浜在住のCota Nacaoによる一人シンセポップ・ユニット、Oii。初のフルアルバム『Sukima Sunlight』が3月11日(水)に全国発売された。

「ひとりSUPERCAR、10年代のCornelius」とも言われる彼は、映画音楽提供や楽曲アレンジメントなどのサウンドクリエイティング、<RO69JACK2014>優勝アーティストderonderonderonのサウンドディレクション、レコーディング・ミキシングエンジニアを担当する等、アーティストとエンジニア双方から今最も期待を集めている。

この度リリースされた『Sukima Sunlight』は、アンビエント・エレクトロを基調としながらも、ポップでキャッチーな歌モノとしてもクオリティの高い11曲のサウンドスケープで構成されている。

そして、そんな『Sukima Sunlight』をOii本人が自ら解説。アルバムとあわせてぜひチェックしてほしい。

edit by Qetic
photo by 柳田英紀

Oii – “Puddle Talking with You”

Oii『sukima sunlight』全曲解説

① Sunlight Laidback
風景を「視る」様を表した曲。ピアノコードの暖かみと、グリッチ的な電子音で静かな夜明けを、日が顔を出す眩しさに感情が揺れる様を、ピアノ連譜によって表している。

② Re_Place
Oiiプロジェクトのトリガーとなった曲。元々、Oiiの前身バンド用に制作していたデモを、バンド脱退後に、自宅のDAWソフトで何気なくアレンジメントをして初めて楽曲として完成系に達した事で、Oiiという個人アーティストの始まりとなった。シーケンス・フィードバックシンセを多用し、ミニマルで浮遊感のある、きめ細やかな曲。

Oii、フルアルバム『Sukima Sunlight』を全曲解説 music150311_oii_1

③ My Weapon
Oii的なジャーマンシンセポップ。ドイツ名門シンセポップレーベル「morr music」のアーティストを傾聴していた時期に制作した楽曲で、ミニマルで粒立ちのいいサイン波、録音したアコースティックギターのフレーズをカットし、エフェクトを重ねた手法を用い、日本的なオーガニックさと、ヨーロッパドリームポップを融合させた。

④ kumomo
ヒップホップ的なグルーヴをよりライトにしてみようと試みた曲。少し前のめりでもたついたドラム、アコースティックギターのループフレーズ、シンプルな3コード、言葉だけ並べるといかにもヒップホップ的な要素を含んでいるが、基盤を彩るアンビエントなシンセやキャッチーなシンセフレーズ、リバーヴィーなヴォーカルが音楽的な重みを最小限に抑えた、軽装なトリップポップ。

⑤ POPism
アルバム楽曲制作の最後に出来た王道POP。
曲冒頭からアタック感の強いシンセが入り、オートチューンのかかったヴォーカル、TR-808を彷彿とさせるシンセドラム、ノコギリ波を強調したシンセトラックが、Oiiがアルバム制作で培ったポップさを全面に押し出している。ブリッヂにはLAビートシーンからの影響も組み込んでいて、王道でありながら「ポスト」の要素も含んだアレンジメントとなっている。

Oii、フルアルバム『Sukima Sunlight』を全曲解説 music150311_oii_3

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