4月23日に先行配信がスタートしたORANGE RANGEの「マジで世界変えちゃう5秒前」。約7ヶ月ぶりの2025年第一弾となる新曲であり、TVアニメ『戦隊大失格』のオープニングテーマだ。タイトルでもあるフックがめちゃくちゃインパクトある楽曲で、これぞORANGE RANGEというにふさわしい踊れる1曲に仕上がっている。
5月21日には完全生産限定のフィジカル盤もリリース予定。CDに加えて、1月に開催された「ORANGE RANGE LIVE TOUR 024-025 ~タコス DE ピタゴラス~」より、NHKホールのライブ映像や、メンバーのインタビュー映像などを収録したBlu-rayが付属。
これから迎える夏フェスシーズンに映えまくる楽曲について、アニメの世界とどうリンクさせながら制作を進めたのか。今年の下半期、25周年イヤーとなる2026年のことも踏まえて、YAMATO(Vo)、NAOTO(Gt)にインタビューを行った。
INTERVIEW
ORANGE RANGE

目まぐるしく展開させてアニメの世界観に合うように
──新曲「マジで世界変えちゃう5秒前」ですが、一緒に歌いたくなるし、踊りたくなるし、まさにORANGE RANGEらしい楽曲だと思いました。
NAOTO 僕らの武器は、つかめそうでつかめない展開があったり、一筋縄ではいかないドキドキする感じが曲の中にあるところだと思うんですが、そのよさがうまく出せたと思います。
YAMATO そうだよね。アップテンポな曲調でアゲていく感じはORANGE RANGE節というか、自分たちらしさを存分に出せた曲になりました。
ー何より、タイトルにもなっている「マジで世界変えちゃう5秒前」のフックが最高に耳に残りますね。
NAOTO ここは、最初はタイトルじゃなかったんです。決めのメロディに対して、HIROKIが10個くらいフレーズのアイディアを持ってきたんですけど、その中に<マジで世界変えちゃう5秒前!>っていうのがあったんですね。それを見た瞬間に、これを曲の冒頭に持ってくるしかない! このフレーズをメインにしよう! って思ったんです。
ー最初は、<マジで世界変えちゃう5秒前!>という歌詞から始まる曲構成じゃなかったんですか?
NAOTO そうなんです。もともとイントロがあってAメロに入っていく流れだったんですけど、その構成を変えるくらいのお気に入りになっちゃいました。それでタイトルにも採用したんですけど、この感じ、80年代後半から90年代のJ-POPにあった日本語の曲名が長い歌の雰囲気もするじゃないですか。
YAMATO するね。あの頃は、けっこう長い曲名が多くて、文章っぽいタイトルの歌が多かったけど、あの感じがよかったよね。
NAOTO そうそう、そのノスタルジックな感じがあってもいいんじゃないかってことで、この曲名になったんですよ。
ーたしかに! 「マジで世界変えちゃう5秒前」はTVアニメ『戦隊大失格』のオープニングテーマとして書き下ろされた楽曲ですが、アニメの方をチェックして何か曲のアイディアに繋がる部分はありましたか?
NAOTO 僕らの世代だと、戦隊モノと聞くと、ゴレンジャー的なヒーローアニメを想像するんですけど、『戦隊大失格』は全然違う角度から見たストーリーなので、これが現代風なのかって勉強になりましたね。アニメも進化し続けて、大人が観ても楽しめるものなんだと思いながら作品をチェックしていました。
YAMATO 大人になってしまった今、なかなか最新のアニメや漫画をチェックする機会も減ってしまっていたので、今回オープニングテーマを担当させていただいたお陰で、久しぶりにアニメを観て、自分の視野が広がったと思いましたね。

ーそんな中で、『戦隊大失格』の世界観を表現するために、どんな工夫をしましたか?
NAOTO 次々にストーリーが展開していく内容だったので、その目まぐるしい感じや賑やかな雰囲気を曲の展開に落とし込みました。王道の展開で進んでいく曲ではなく、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビで各パートであっちこっちにいくような感じを意識しましたね。なので、ドタバタしていて、どこかもがいているような曲展開になったと思います。1本筋が通った楽曲というより、いろんな想いがあって、いろんな展開が詰め込まれていた方が面白いし、『戦隊大失格』に合っているんじゃないかなと。
ー歌詞の中で、『戦隊大失格』の世界から引用してきたような部分はありますか?
YAMATO この曲はHIROKIが中心になって制作したんですけど、ああでもない、こうでもないってけっこう悩みながら書き上げていましたね。最終的な形にいきつくまで候補がたくさんあって、その中からみんなでチョイスしていくような流れで進めていきました。みんなで「いいね〜」なんて言い合いながら作っていきましたね。
ーお2人的に、特に気に入っている歌詞のフレーズはどこでしょう?
NAOTO これ、YAMATOと話してて、昨日気がついたんですけど、<どうなってくの?>のパートにテクノって言葉が入ってるんですよ。意図せず入っている部分なんですけど、そこがすごく好きですね。昨日、いいな〜! ってなりました。
YAMATO 僕もここが気に入っていますね。わりかし歌詞は音の響きで書くタイプで、そこにあまり深い意味を求めないんですけど、そういう意味でも<どうなってくの?>っていう譜割がなんか心地よくて反応しちゃいました。なんだったら、<マジで世界変えちゃう5秒前!>のフレーズが出てこなかったら、タイトルになってたんじゃないか? って思うくらいです。
NAOTO そうだよね。ORANGE RANGEはワンワードの造語をタイトルにすることが多いから、そういう意味でも面白いし、僕らの中になかったものなので新鮮でいいですね。これ、ライブでの曲紹介とか、どうなってくんだろうね? 「花」とか「上海ハニー」みたいにパッと言えないでしょ。
YAMATO 言わないで始めちゃうんじゃない? 歌い出しの歌詞が<マジで世界変えちゃう5秒前!>だから。
NAOTO そっか、タイトルコールしたら被るから言わないでいいのか。じゃあ、ライブではタイトルコールしないです(笑)。

当時の自分たちと向き合うツアー
ータイトルコールなしが決まりましたね(笑)。ライブという意味で、夏フェスシーズンを超えた9月からは6thアルバム『world world world』を軸にしたツアー「RANGE AID+ presents RWD← SCREAM 025」が開催されますね。このツアーについても教えていただけますか?
YAMATO 「RWD← SCREAM」は、これまでに発表してきたオリジナルアルバムの世界観を今表現するというコンセプトツアーシリーズなんですけど、久しぶりの開催になります。このタイミングじゃないとできないと思うので、新旧のファンに今のORANGE RANGEが表現する『world world world』をお届けしたいと思っています。
NAOTO 個人的にも好きなアルバムなので楽しみなんですよ。
YAMATO もしかしたら、自分たちの作品の中で、1番ダークな世界観を表現したアルバムかもしれない。
NAOTO そこがいいよね。あのちょっと暗い感じが好き。リリースしたのは2009年だけど、あの時の良さがあって、今やろうとしても逆にできないし、悔やむところがないアルバムではあるかも。そんな作品だから、どう再現していくのかを考えると楽しくなりますね。
YAMATO 当時には戻れないけど、当時の自分ともう1度向き合える時間がもらえるというか。そうすることで現状が見えてきたり、今後やっていくことが想像できていくのが、このツアーの面白さなので、それをしっかりとやっていきたいですね。
ー『world world world』の中で再現するのが楽しみな楽曲を1曲挙げるとしたら、どの曲になりますか?
YAMATO 個人的に好きで楽しみなのは「FACTORY」ですね。
NAOTO かぶった!
YAMATO そうなるよね(笑)。めちゃくちゃいい曲だと思ってます。歌詞はちょっと意味不明なところもあるけど、音の響きが好きだし曲としての全体像が好きなんですよ。
NAOTO 当時だからできた曲かもしれないね。どこに向かいたいの? って感じだけど、なんか楽しくなる。いい曲です。じゃあ、かぶっちゃったから、自分は「Son of the Sun」を。そこまでの派手さはないんだけど、テンポ感がいいんですよね。激しくないけどユラユラと身体を揺らせる曲なので好きです。今やったらいろんなアプローチができそうなので期待大ですね。
ー2026年は結成25周年イヤーを迎えますよね。ちょっと気が早い質問ですが、どんな周年イヤーにしたいと思いますか?予定していないことでもいいので、周年ということで何かやってみたいことがあったら教えてください。
NAOTO 20周年のときはコロナ禍で周年のライブもずれちゃったので、25周年は楽しくやりたいですね。まだライブも調整中ではあるんですけど、そこに向けて準備を進めている段階です。あと、香港にライブをやりにいきたいですね。コロナ禍以降、海外でのライブをあんまりやれていないので、香港に限らず、日本以外の国でも活動していきたい気持ちがあります。
YAMATO 海外ならではの楽しさがあるからね。特に香港や台湾はライブもそうだし、それ以外の時間も楽しく過ごせるから行きたいな。
NAOTO こうして、アニメのオープニングテーマをやれたから、海外のオーディエンスにも受け入れてもらえるかもしれないしね。
YAMATO 日本が世界に誇る文化だからね。「マジで世界変えちゃう5秒前」、世界中で聴いてもらえると嬉しいです。

Interview&Text by Ryo”TJ” DMRT
Photo by Ryoma Kawakami
Stylist by Takashi Tokunaga(SOT)
Hair & Make-up by Yohji Fujiwara(UM)
Edit by Qetic(Ranji Tanaka)
ARTIST INFORMATION
ORANGE RANGE
沖縄出身の5人組ロックバンド。
2001年に結成し、2002年2月22日にミニアルバム『オレンジボール』でインディーズデビュー。翌年2003年シングル「キリキリマイ」でメジャーデビュー。来年2026年に結成25周年を迎える。ジャンルにとらわれない自由かつ高い音楽性と、卓越したポピュラリティが話題となり、数々の名曲を送り出し続けている。
RELEASE INFORMATION
マジで世界変えちゃう5秒前
ORANGE RANGE
配信 2025年4月23日(水)
CD 2025年5月21日(水)完全生産限定盤(CD+Blu-ray)/¥6,600(tax incl.)
【収録内容】
Disc1[CD]
マジで世界変えちゃう5秒前
マジで世界変えちゃう5秒前 -TV size-
マジで世界変えちゃう5秒前 -Instrumental-
Disc2[Blu-ray]
TVアニメ『戦隊大失格』ノンクレジットOPムービー
ORANGE RANGE LIVE TOUR 024-025 〜タコス DE ピタゴラス〜 @NHKホール
描き下ろしアニメジャケット&ライブ映像収録の限定盤
5月21日(水)には、CDとBlu-rayを同梱した完全生産限定盤が発売。ジャケットはTVアニメ『戦隊大失格』とのコラボによる描き下ろしイラストと、ORANGE RANGEメンバーによる“戦闘員OR”仕様の両面デザイン。背景には地球を“オレンジ”に変えようとする姿が描かれており、タイトルを体現したビジュアルとなっている。
Disc1[CD]には、TVアニメ『戦隊大失格』2nd season オープニングテーマの「マジで世界変えちゃう5秒前」を収録。
さらにDisc2[Blu-ray]には、TVアニメ『戦隊大失格』ノンクレジットオープニングムービーと今年1月に開催されたORANGE RANGE LIVE TOUR 024-025 〜タコス DE ピタゴラス〜 @NHKホールのライブ映像が早くも収録。
今年2月22日のインディーズデビュー記念日に、U-NEXTにて独占配信された映像からさらに編集し、ツアーファイナル当日の模様を収めたイントロダクションの映像に加え、ライブ後のメンバーインタビューが収録されたコンプリート映像をパッケージ化。
RANGE AID+ presents RWD← SCREAM 025
2025.9.6(土)
OPEN 16:45/START 17:30
福岡公演を皮切りに全国8都市9公演開催
詳細はこちら
ANIME INFORMATION
戦隊大失格
■コピーライト ©春場ねぎ・講談社/「戦隊大失格」製作委員会
■スタッフ
原作/春場ねぎ『戦隊大失格』(講談社「週刊少年マガジン」連載)
監督/さとうけいいち
シリーズ構成/大知慶一郎
キャラクターデザイン/古関果歩子
アニメーションスーパーバイザー/羽山賢二
音楽/池頼広
オープニングテーマ/ORANGE RANGE
エンディングテーマ/梟note
アニメーション制作/Yostar Pictures
製作幹事/松竹
キャスト/小林裕介、梶田大嗣、矢野優美華、
中村悠一、井上剛、小野賢章、鳥海浩輔、M・A・O、和氣あず未、三上枝織
■放送情報
CBC/TBS系 全国28局ネット「アガルアニメ」枠にて
毎週日曜よる11時30分から放送中!
BS11 4月14日より毎週月曜 深夜1時00分〜放送
AT-X 4月16日より毎週水曜 よる9時30分〜放送
※リピート放送 毎週金曜あさ9時30分~/毎週火曜ごご3時30分~
※放送時間は編成の都合などにより変更となる可能性がございます。
■配信情報
ディズニープラス スターで4月14日月曜より2nd season 全話見放題 独占
1話~12話 見放題配信中