オリジナリティ確立と映像とのリンク
2000年代にはさらに印象的な作品をリリースしファンを拡大。2001年発表の代表作『Double Figure(ダブル・フィギュア)』、初期ファンだけではなく新たに若い音楽リスナーを取り込んだ本作(そんな若者たちも今や30代か……)。この頃はマーク・ベル=LFOらとともにビョークのワールド・ツアーのメンバーとして世界を飛び回り、ハーバートやニコレットなどのリミキサーとして引っ張りだことなる。ここ日本へも何度か来日し、2001年に行われた<エレクトラグライド>で披露したオーディオ+ビジュアルを駆使したライブ・セットは圧巻以外の何物ではありません。
Plaid -“New Family”
彼らの音楽はどこか映像や情景を思わせるが、この頃から映像とのリンクを突き進めた活動が頻繁となる。アシッドでソリッドなテクノ・アルバム『Spokes(スポークス)』(03年)を経て『Greedy Baby(グリーディー・ベイビー)』(06年)では映像作家ボブ・ ジャロックと「音と映像」をリンクさせた共同作をリリース。2006年には、<アカデミー賞>の最優秀アニメーション作を受賞した松本大洋原作『鉄コン筋クリート』の映画化サントラをマイケル・アリアス監督直々のご指名で担当。マイケル・アリアス監督とは次作『ヘブンズ・ドア』(08年)でも音楽担当に起用されて相性の良さを見せる(新作国内盤にはそんな盟友マイケル・アリアスよるスペシャル・ライナーノーツが封入される)。そんな映像作家たちとのコラボレーションを経た前作『Scintilli(シンティリ)』(11年)時の来日でのオーディオ+ビジュアル・ライブも深淵な世界観で本当に素晴らしいものであった! 2012年には映像プロジェクト「The Creators Project」とコラボレートでインタラクティブ・ショート・フィルム『The Carp And The Seagull』のサウンドも担当。テクノロジーを駆使したプロジェクトに数多く携わっている。
Plaid – audio and visual live set – LIVE @ WWW