ヒップホップ界のみならず、ロックシーンやストリートカルチャーにも多大な影響を与え続けているウータン・クラン(Wu-Tang Clan)。結成25年以上を経て今なお人気を誇るレジェンドMC集団の”ザ・シェフ”ことレイクウォン(Raekwon)が新作EP『Appetition』をリリースした。さらに制作模様を追ったドキュメンタリー映像も公開されている。
レイクウォン新EP『Appetition』のレコーディングセッションの裏側が公開中
EP『Appetition』には、3日間にわたるセッションで完成した3曲を収録。レイクウォンにとっては2017年の『The Wild』以来の新作となる。
今回のレコーディングセッションに参加したのは、Red Bull Songsのクリエイターたち。ソングライターのK-So JaynesとP. Wright、プロデューサーのLord QuestとTwhy Xclusiveの4人は、いずれもドレイク(Drake)やジェイ・Z(Jay-Z)、Schoolboy Qをはじめとするビッグアーティストのプロダクションを手がけてきた若手の先鋭だ。
若手とのコラボレーションに関してレイクウォンは「あらゆるタイプの音楽に挑戦することが好きなんだ。だからみんなから俺は”ザ・シェフ”(=料理長)と呼ばれている。俺の感じた味付けを施して、旨味を引き出すわけさ」とコメントしている。
また今回の制作の模様を追ったドキュメンタリー映像が現在、レッドブルのYouTubeチャンネルとRed Bull TVで公開されている。約13分間に及ぶドキュメンタリーには、普段は観ることができない貴重な制作現場の様子が収録されている。ハイライトはレイクウォンが楽曲に相応しいビートを吟味し、セレクトするプロセスだ。20パターン以上のビートに耳を傾け、真剣勝負で挑むラッパーの姿からは、レジェンドMCならではの鋭い判断力や威厳が感じられる。
2020年は、このEPを幕開けにさまざまな活動を予定しているレイクウォン。EPのタイトルに『Appetition』と付けた理由に関しては「この先、もっとお楽しみが待ち受けているよ。本気でドープなやつを正式に提供する……だから、いわば本作はアペタイザーだね。レッドブルが俺に手を貸して、2020年の俺のムーヴメントの一部に協力してくれたんだ」と説明した。
また、『Appetition』の収録曲”Solid Gold”のメイキングシーンで構成されたミュージックビデオも公開されている。そしてレッドブルのオフィシャルサイトでは音楽評論家・丸屋九兵衛による解説記事が公開中だ。ドキュメンタリー映像と併せてチェックしてみよう。