その後、ジョンという大きな穴を埋める形で加入した元ジェインズ・アディクションのデイヴ・ナヴァロ(以下、ナヴァロ)の影響により、ややハードロックな作風となったアルバム『ワン・ホット・ミニット』を1995年にリリースしたレッチリ。ワールド・ツアーを敢行中の1997年、アンソニーは腕の骨折によりドクターストップがかかるも、初開催となった<フジロック>への出演を決行。腕にギプスをつけながらも、圧巻のパフォーマンスを披露した。
Red Hot Chili Peppers – Give It Away
ツアー終了後、いわゆる音楽性の違いでナヴァロは脱退してしまうも1999年、かつて歯を全て失ってしまう程の薬物依存に苦しんでいたジョンが、薬物中毒を克服し、見事バンドへの復帰を果たす。戻ってきてからのジョンのギタープレイは「枯れたギター」と呼ばれ、辛い苦難を乗り越えて辿り着いた彼だからこそ得た、憂いに満ちた力強いサウンドを携え、名作『カリフォルニケイション』を完成させる。キャリア最大のヒットアルバムとなったこの作品を踏襲した路線で、続く2002年『バイ・ザ・ウェイ』、そして2006年には2枚組にも渡る充実作『ステイディアム・アーケイディアム』をリリース。作品作りにおいて、この3作で多大な貢献を果たしたジョンはレッチリでやり残したことはないとし、メンバーの承諾を得て、自身の音楽を探求すべく、バンドを後にする。
Red Hot Chili Peppers – Californication (Video)
Red Hot Chili Peppers – By The Way (Video)
ジョンを送り出し、後任には、かねてよりサポート・ギタリストとしてバンドメンバーとも親交深く、かつジョンとも共作を残している、ジョシュ・クリングホッファーがギタリストとしてレッチリに加入。2011年にはジョシュ考案のタイトルを冠した、今までで最もポップでオープンマインドな風通しのよいアルバム『アイム・ウィズ・ユー』をリリース、バンドの健在ぶりをアピールした。
ジョシュ・クリングホッファー
そして5年のスパンを経て、アンソニー曰くめちゃくちゃファンキーですごいメロディアスだという最新作『ザ・ゲッタウェイ』がいよいよ今週6月17日(金)にヴェールを脱ぐ。先月、カリフォルニアでのフェスへの出演が取りやめとなり、アンソニーが病院に搬送されたという報道もあったが、原因は胃炎らしく、既に完全復活。これまで多くのどん底を乗り越えてきたレッチリなのだから、たとえ逆境であったとしても、それを跳ね返すエネルギッシュなパフォーマンスを見せてくれることだろう。
Red Hot Chili Peppers – Dark Necessities [OFFICIAL AUDIO]
MTVでは、これまでの名曲を振り返るMVのセレクション、現在進行形のレッチリを伝える2006年のミラノでのライブ、2011年のアイルランドでのライブ、更には1997年の<フジロック>初開催時の貴重な映像を含む特別番組を今月より一挙放送予定。アルバムリリース、そして来日目前の今こそ、レッチリを観るべし、聴くべし、なのである。
☆こちらの記事は今週の『InterFM 897 Tokyo Brilliantrips』と連動してお伝えしました。
PROGRAM INFORMATION
MTV WORLD STAGE: レッド・ホット・チリ・ペッパーズ#1
【初回放送】
2016.06.18(土)START 21:00/FINISH 22:00
【リピート放送】
2016.06.20(月)START 21:00/FINISH 22:00
MTV WORLD STAGE: レッド・ホット・チリ・ペッパーズ#2
【初回放送】
2016.06.18(土)START 22:00/FINISH 23:00
【リピート放送】
2016.06.20(月)START 22:00/FINISH 23:00
2016.06.29(水)START 21:00/FINISH 22:00
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ VideoSelects
【初回放送】
2016.06.18(土)START 19:00/FINISH 21:00
【リピート放送】
2016.06.29(水)START 22:00/FINISH 24:00
詳細はこちら
視聴方法はこちら
RELEASE INFORMATION
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text by Yu Nakazato