アメリカのシンガーソングライター、ライアン・アダムス(Ryan Adams)がこれまでに数多くの女性に対して性的、精神的に虐待を繰り返してきた、として糾弾されているようだ。
ことの発端は2月13日(水)、スコットランド出身の女性シンガー、フィービー・ブリッジス(Phoebe Bridges)や元妻のマンディ・ムーア(Mandy Moore)らがニューヨークタイムズ紙のインタビューに応じ、件の問題について告発したことに始まる。
彼女らはアダムスからどうやら精神的に追い詰められたり、わいせつな行為を強要されていた様子。
またエイヴァと呼ばれる少女からの告発内容によると、彼女が14歳のときにアダムスとオンライン上でやりとりするようになり、その中には性的な表現を含む会話もあったそう。さらに、Skypeでのビデオ通話で、アダムスが裸になりながら受け答えする場面が少なくとも1回はあったのだとか。
アダムスはこのインタビュー内容についてきっぱりと否定しており、奇妙で重大な告発だ、とコメントしている。
また、Twitter上では「僕は完璧な人間じゃないし、これまでにいくつも過ちを犯してきた。故意にではなかったにしろ傷つけてきた人に対して、深くそして全面的に謝罪します」とツイートしている。
I am not a perfect man and I have made many mistakes. To anyone I have ever hurt, however unintentionally, I apologize deeply and unreservedly.
— Ryan Adams (@TheRyanAdams) 2019年2月13日
この反応に対して、告発者のひとりであるフィービー・ブリッジスはInstagram上で友人と笑顔で映る写真を公開し、声明を発表している。
「心の底から友達やバンドメンバー、それにママに感謝したい。みんな私をサポートしてくれたし、認めてくれた。彼女たちは起きたことが馬鹿みたいだし、間違ってると教えてくれた。変に思うことが正しいと教えてくれた」とサポートしてくれた人に感謝の意を述べており、続けて「ライアンにも仲間はいる。……彼らのうち誰一人、ライアンが間違ってるって彼自身に教えてくれなかった」とアダムスだけでなく、その周りにいる友人たちに対しても憤りを感じていることを明らかにしている。
また、同じような問題を抱えている人に対して「もしあなたの友達がクソみたいな野郎だったら、名指しで糾弾してやればいい。本当にあなたの友達なら、みんな話を聞いてくれるはず。これだけが事態をよくする方法だから」と勇気づけるようなエールを送っている。
一昨年のハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインへの告発以来、絶えることのない虐待問題。この先アメリカ・エンターテインメント業界からこうした悪行が潰えることはあるのだろうか?