ドロドログチャグチャなヴァイオレンス戦車! SODOMの『Epitome of Torture』
先日、開催されたヘヴィメタルイベント<スラッシュ・ドミーション2015>でも来日公演を行ったドイツのソドム(SODOM)。1st.アルバムは、各楽器の音がビックリするくらい噛み合っていないドタバタなサウンドでしたが、2nd.以降は演奏技術と録音状態が飛躍的に向上し、現在に至るまで数多くの優れたメタルアルバムを作り続けています。その最たる特徴は、ひたすらにイーヴィルで極悪な音。バンドのリーダーなんて名前がトム・エンジェルリッパー(=天使を切り裂くトム)ですし、元メンバーもグレイヴ・ヴァイオレイターであるとか、デストラクターであるとか、クリス・ウィッチハンターとか、そんな物騒なステージネームの人たちばかりです。こういったセンスを所謂”中二病”と取るか、それともシンプルにカッコ良いと思えるか……この辺りに、メタラーとそうじゃない人を隔てるサムシングを感じます。私の場合は、勿論、後者でヘヴィメタルを毒々しく演出する過剰なセンスは最高にクールだと思います。中二病じゃないんです! ヘヴィメタルなんです!!
そんな天使を切り裂くトムさん率いるソドムですが、その音を象徴するかのように毎回ジャケットもドロドロのグチャグチャなイラストが用いられています。戦争をモチーフにしたものが多く、現在のところ最新作である本作には戦車が登場。幾多の骸骨の上に回転ノコギリとトマホークを持ったガスマスク兵士、そして、その後ろから迫り来る三連砲台の戦車。こんなん見たら、子どもとか余裕で泣きます!
Sodom –“Stigmatized”
収録されている各楽曲もジャケット同様にグロテスクで危険な香り一杯のヴァイオレンスなメタル。その暴虐の美意識と共に、ソドムここにあり! を感じさせてくれるサウンドです。
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ジャーマンメタルの戦車愛が爆発! PANZERの『Send Them All To Hell』
こちらもドイツ産戦車ジャケ! ソドムと同じくジャーマンスラッシュ三羽烏に数えられるドイツの代表的なスラッシュメタルバンド、デストラクションのヴォーカル&ベーシストであるシュミーアが、これまたドイツを代表するメタルバンド、アクセプトのメンバーと結成したサイドプロジェクト的なバンドによるデビューアルバムが、この『Send Them All To Hell』です。非常にストレートな戦車ジャケですが、バンド名のパンツァー(PANZER)はドイツ語で戦車のことで、これまたドストレートに戦車推しで捻りなし! DESTRUCTION(=破壊)といい、PANZERといい、毎回直球勝負のバンド名を投げ込んでくるシュミーアの言語感覚には本当に痺れます。『ガールズ&パンツァー』なんて可愛い女の娘と戦車が出てくるアニメがありましたが、こっちのパンツァーは女っ気一切なしのオッサン三人組なので、萌えとかは1ミリもありません。
The German PANZER – “Death Knell”
デストラクションに比べると、パンツァーの鳴らす音はややメロディーのエッジが立っており、ジャーマンスラッシュの凶暴さが苦手な方にもオススメ可能な音となっております。名うてのミュージシャンが集まってのスーパーグループということで、演奏も完璧! スラッシュメタルが苦手な方にも推薦をしたくなる良い意味で取っ付き易い一枚です。それにしても、ソドムといいアサシンといい、このパンツァーといい……ドイツ人メタラー、戦車が好き過ぎです。
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