渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト
1月24日(金)から25日(日)にかけての週末、渋谷の街で「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」の大規模イベントが実施された。KDDIの直営ショップau SHIBUYA MODIや渋谷駅前ハチ公広場にて5Gテクノロジーをいち早く体験できる催しが開かれた他、1月24日夜にはキックオフパーティーが開催された。
先日はロンドンを拠点とするDJモール・グラブ(Mall Grab)との共演を果たすなど、東京のクラブ・シーンで多岐にわたる活躍を見せるDJ/プロデューサーのLicaxxx、昨年13年ぶりのニューアルバム『Möbius Strip』をリリースし、さらなるテクノの深淵を見せたレジェンドKEN ISHII、さらにアンダーワールド(UNDERWORLD)の元メンバーであるダレン・エマーソンという豪華なDJ陣が極上のハウス〜テクノ・セットを披露。モデルやダンサー、さらには今をときめくインフルエンサー・YouTuberなど、多くの著名人が集うパーティーを盛り上げた。
先週末に渋谷を席巻した「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」は、KDDI、渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会が昨年9月に立ち上げた「渋谷エンタメテック推進プロジェクト」を前身とするプロジェクト。「au 5Gで渋谷の街を創造文化都市へ」という理念のもと、賛同した企業・団体が計32社参画し、第5世代移動通信システム「5G」を活用して渋谷が有するアート・音楽・ファッションなどのエンターテイメント/カルチャーを深化させる取り組みとなっている。本プロジェクトには、東急、PARCO、渋谷マルイ、109など、インフラ面から渋谷を支える企業だけでなく、NETFLIXやMUTEK.JP、スペースシャワーネットワークのようなエンターテイメントで渋谷という街を活性化させている企業が参画しているのも特徴的だ。
24日(金)には、「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」の始動に伴う記者発表会が行われ、渋谷区長の長谷部健氏、渋谷未来デザイン・フューチャーデザイナーを務めるタレントの若槻千夏氏らが登壇。KDDIの繁田光平氏(パーソナル事業本部アグリゲーション推進部)は、「KDDIは、多様な人々が集い実験を重ね、常に新しい可能性と文化を育んでいく渋谷区の理念に共感した」とプロジェクト始動の経緯を説明していた。
5Gを軸に挑戦するクリエイティヴ
それぞれの視点に落とした体験型コンテンツ
3月に予定される5Gの商用化に先駆けて、1月24日・25日には、渋谷駅前ハチ公広場にてau 5Gを活用した拡張体験を提供するブース<au 5G体験イベント ~渋谷 1964 to 2020~>が設置された。
そこで公開されたのは、1964年の渋谷駅前にタイムスリップし、過去の渋谷の街並みを見られるXR体験だ。東京2020が開催される今年、前回の東京オリンピックが行われた年の渋谷駅前を再現することで、渋谷の移り変わりを体感できるイベントとなっていた。
au 5Gの可搬型基地局が設置された特設ブースでは、受付でau 5Gスマートフォンが配られる。そのスマホ内にインストールされた「STYLY AR」アプリを起動してQRコードを読み取ると、周辺の3Dマップデータがダウンロードされ、再現された1964年の渋谷駅前と現在の渋谷駅前の様子を見比べることができるという仕組みだ。実際にアプリを触ってみると、膨大なデータ量にも関わらず、数秒のダウンロードでXR体験ができ、改めて5Gの利便性を実感できた。
スマホ画面の下部にあるスライダーを左から右に動かすと、現在の渋谷駅前に重なって1964年の渋谷駅前の様子が立ち上がり、56年前の渋谷へと街並みを変えていく。ハチ公像は現在の位置ではなく別の場所にあり、そのすぐそばには1986年になくなったという噴水も。高度成長期の真っただ中、古き良き日本の風景がそこにはあった。
当時を知る中高年の人々にとっては、昔を懐かしむ体験として。当時を知らない若者にとっては、渋谷の歴史を感覚的に垣間見る体験として。このXR体験は、au 5Gの最先端テクノロジーを通して人の感情や知的好奇心を刺激する取り組みだったと言えるだろう。
この他に、1月25日には最先端のエンターテイメントを通じて5G体験ができるイベントもau SHIBUYA MODIで開催された。ボカロP”バルーン”としても知られるシンガーソングライターの須田景凪が出演するイベント<uP!!!NEXT 須田景凪~晩翠 powered by au 5G>をライブ中継。
ライブ会場とau SHIBUYA MODIをau 5Gでつなぐことで、MODI前のユーザーが持つスマホのリアルタイムな動きをデータ化して会場で投影されるCG映像とシンクロさせるという、遠くにいながらライブ会場の演出に参加できるインタラクティブな体験に。その場にいなくても、au 5Gがあれば距離を超えてその興奮を疑似体験でき、それだけでなく、アーティストとともに新たなクリエイティブを創出することもできる。これからさらに進化を遂げるであろう革新的なエンターテイメントの形を予見できた瞬間だった。
またライブ会場では、au 5Gに対応した端末を渋谷の街にかざすと、須田景凪の過去のミュージックビデオが街の風景に併せてAR視聴できるという試みも。さらに、26日には格闘ゲームの祭典 「Evolution Championship Series:Japan 2020」(以下、EVO Japan 2020)決勝戦の模様をau 5Gを活用し、ダイナミックに楽しむことができるe-SPORTSライブ中継イベントも開催された。
今後「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」では、渋谷駅周辺だけでなく、渋谷区全土を舞台にして、様々な取り組みを行っていくという。音楽やファッションを筆頭に、多様なエンターテイメントの中心地として歴史を重ねてきた街、渋谷。日本有数のカルチャー発信地は、最新テクノロジー5Gとの連携でどんな発展を遂げようとしているのか。ときを超えて、そして距離を超えて。auがブランドスローガンとして掲げる「おもしろいほうの未来へ」と向かうことを期待したい。
Text by 青山晃大
渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト
KDDI株式会社、一般財団法人渋谷区観光協会、一般社団法人渋谷未来デザインの三者で立ち上げた、主にエンターテイメントに特化したテクノロジーを駆使し、渋谷の街をより面白くしていくためのプロジェクトで、音楽・アートといったエンターテイメント領域を中心に、新たな文化の創出や、観光面での魅力的な街づくりを推進していきます。