1950年代にジャマイカで誕生。今日までに様々な音楽と融合し、その多彩な表情で世界中を魅了してきたスカ・ミュージック。その心踊らせる音楽性と秘めた不良性は、常に多くの国のルーディたちの心や体を踊らせてきた。
都度トンがった音楽との融合で先鋭さを伺わせながらも、一方では根強くそのファウンデーション性にこだわり活動しているスカ・グループも多い。そんなオーセンティックな日英米のスカ・バンドたちを楽しめるイベントやライヴが、この秋、立て続けに行われる。
まずは9月23日(月・祝)に行われるジャパニーズ・スカの定番フェス<SKAViLLE JAPAN>。今年で17回目を迎える同イベントが今年は新木場STUDIO COASTにて行われる。開催当初から皆勤賞のOi-SKALL MATESや、結成20周年を迎えたCOOL WISE MANにRude Bones。名うてのTHE RUDE PRESSURESやBLUE BEAT PLAYERS。また、新作をリリースし、勢いに乗るThe Redemption、The DROPSらの新曲のプレイや、近々の新譜も楽しみなThe Sensationsや浦朋恵、Red Claw Scorpionsは、この日ニューチューンを先行で体感できるかも。またラテン/カリビアンミュージックのcopa salvoやSKA PUNKなFREE KICK等、幅広いスカ・ミュージックが楽しめるこの日。全16組のバンドがお馴染みのDJ陣やMCを交え、ダンス&ストンプの嵐をSTUDIO COASTに巻き起こす。
続いて、その興奮も冷めやらぬ9月25日(水)からは全国5か所にて、THE SLACKERS(ザ・スラッカーズ)の来日ツアーがスタート。1991年にNYで結成。以来、スカをベースにレゲエ、ソウル、スイング、ガレージロック、ジャズをミックスさせ独自のサウンドを生み出してきた彼ら。活動22年目を迎えた今年は、3年ぶりのオリジナル作『My Bed Is A Boat』を発表し、その原点回帰したジャマイカンロックンロールサウンドは世界中で絶賛された。そんな中での今回の来日。あのシンプルで無駄のない心地良いサウンドを是非体で堪能したい。
そして10月には、この度9年ぶりに発表したニューアルバム『SMASH IT!』を引っ提げ、GAZ MAYALL率いるTHE TROJANS(ザ・トロージャンズ)の来日ツアーも控えている。ロンドンで結成されて25年。これまで数多の来日公演を行ってきた彼らだが、今年は更に気合充実。アフロ・カリビアン、ケルティック・フュージョンや日本歌謡、ロシアやゲーリックの音楽に、レゲエ、ロックステディとスカを融合させたサウンドに、現代のサウンドを取り入れ進化を遂げたその最新盤を中心に、「UKのブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのスカ版」と言える彼らの真骨頂が楽しめること間違いなしだ。
<SKAViLLE JAPAN>でジャパニーズ・スカにまみれ、THE SLACKERS、THE TROJANSで欧米のベテラン勢の味わい深いスカを楽しみ、まさにワールドワイドにスカ三昧できる今秋。ルーディたちには、この夏よりももっと熱いシーズンになりそうだ。
text by池田スカオ和宏[LUCK’A Inc.]