2012.04.06(SAT) & 04.07(SUN) 新木場ageHa@STUDIO COAST

4月6日土曜日、新木場<ageHa>。<SonarSound Tokyo 2013>の初日はオールナイトでの開催だ。開演の21時前後は強い雨が降っていたが、深夜1時頃には雨も止み、外に出ると、雨上がりの風がとても心地よかった。例年よりも早く桜の季節は過ぎてしまったが、音楽好きたちにとって4月上旬の風物詩になりつつある<SonarSound Tokyo>は、今年も大いに盛り上がった。さっそくだが、ここでは初日、4月6日の模様をレポートさせていただく。最も大きなステージSonarClubの模様を中心にお届けしていこう。

Report : SonarSound Tokyo 2013 :: DAY 1

輝かしき音楽の未来を感じさせてくれた新鋭、
ジョン・タラボット、アクトレス!!

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_john-talabot_4-2

ジョン・タラボット

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_actress_5-2

アクトレス

SonarClubのトップバッターは、ソナーの本拠地バルセロナからの刺客、ジョン・タラボット。昨年、彼が〈パーマネント・ヴァケーション〉より発表した『フィン』はバレアリック、あるいはチルウェイヴといったタームのネクストを感じさせる傑作だったが、そのライヴは『フィン』で印象的だったメロウネスや抒情性はナリを潜め、むしろダークでミニマルなビートが際立っており、まるでプラスティックマンをスクリューさせたようなミドルテンポのグルーヴが強烈なまでの陶酔感を生み出していく。もっとナイーヴな感じのライヴを想像していただけに、不意打ちを食らったような、いい意味での裏切りのあった素晴らしいパフォーマンスだった。

続いて登場したアクトレスは、とびっきり奇妙なスタイルで、多くのユーザーたちを大いに困惑させたに違いない(特に今回、彼のサウンドをはじめて聴いた人たちは驚いただろう!)。しかしながら、そうした未知なるサウンドに接した瞬間の興奮こそ、音楽を聴いていて最も刺激的な瞬間のひとつである。わかりやすい4つ打ちもなければ、メロディもない。しかしアクトレスのサウンドは聴く者を強烈に惹きつける。暗黒星雲のガスの中を彷徨い、未知なる壮大な光景にただただ圧倒されるような……。ファンカデリック、リー・ペリー、ジェフ・ミルズ、カニエ・ウェスト……、ブラック・ミュージックの歴史において、宇宙や未来をモチーフにした作品は数々あるが、アクトレスのそれはそれらのどれとも異質である。多くのオーディエンスたちが、新しい音を目の当たりにして、身体を動かしてよいか戸惑いながらも、固唾を飲んでズブズブと音にひき込まれていく様は、まさに“アドヴァンス・ミュージック”を体現するソナーならではの光景だったと言えるかもしれない。アクトレスの描き出す行き過ぎた美学とヴィジョンは、多くのリスナーたちに衝撃(いや、戦慄といったほうが相応しいかもしれない)を与えたことだろう。

皇帝、アレック・エンパイア降臨!
ケティック編集部もATR旗を振って応戦!!

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_actress_5-1

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_alec-empire_1-1

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_alec-empire_2-3
アレック・エンパイア

アクトレスのパフォーマンスが終盤を迎えると、異様なまでのオーラを纏った男がその隣に控えている。そう、我らが皇帝、アレック・エンパイアだ。アクトレスが終わると、まずはそのパフォーマンスに敬意を表した後、「お前ら、騒げ、騒ぎ尽くせ!」とばかりにオーディエンスを激しくアジテート。オーディエンスもこれに応える。あとはフロアに地獄の業火が着火されるのを待つのみだ。荘厳な長いSEを経て、ついにフロアに痛烈なハード・テクノが投下(着火)される。フロアは猛り狂う炎のように一気に沸点を振り切り、最高潮の盛り上がりに! 最前線を見ると、「ATARI TEENAGE RIOT」と印された大きな旗が揺れている。一昨年のフジロックや同年の単独公演でも揺れていたあの旗。そう、あれは何を隠そうATARI TEENAGE RIOTに並々ならぬ愛情を注いでいるケティックの編集部によるものである。ATARI TEENAGE RIOTがいるところにケティックあり。今後も「ATARI TEENAGE RIOT」関係のライヴであの旗が揺れていない日はないだろう。まさに心臓破りの攻め、攻め、攻めで貫かるアグレッシヴかつハイテンションな選曲、アドレナリン全開、革命汁の迸る圧巻のパフォーマンスで、最初から最後までフロアを熱狂させたアレック・エンパイア。ただただリスペクト!

悶絶! 阿鼻叫喚のLFO、
UK重低音界のスパー・タッグ、エイドリアン&ピンチにも痺れた!!

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_lfo_450-1

LFO

そしてLFOだ。巨大LEDパネルを使用したライヴ・パフォーマンスをおこなうことを事前にアナウンスし、これを楽しみにしていたオーディエンスも多かったに違いない。フロアが暗転し、巨大LEDパネルにLFOという3文字が映し出されると、この夜、最も大きな歓声が上がる。大木を切り落とすチェインソーのようなノイズ、あるいは鉞のような包丁でまな板を叩きつけるような打撃音、これぞLFOの音と言う他ない、強靭な音のパーツがジグゾーパズルのように複雑に組合わせられながら、フロアに荒々しく投下されていく。その強烈なサウンドと、LEDパネルに映し出される幾何学的な映像がぴったりとリンクし、身体と脳を激しくシャッフルする。なかでもウルトラ・マッドなアンセム“Freak”(ビョークがライヴで“ハイパー・バラード”の後半でもってくるあの曲だ!)の爆発力がいかにすさまじかったかは、もはや筆舌に尽くしがたい。黎明期より〈ワープ・レコーズ〉を支え、いまもなお最前線に君臨する男、LFOことマーク・ベル。巨大LEDの前にたったひとりで構え、あの凶暴な音の数々でフロアを阿鼻叫喚に導くさまには、ある種の畏怖のようなものさえ感じられた。

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_sherwood-pinch_044-2

シャーウッド&ピンチ

さらに強烈なアクトは続く。LFOのパフォーマンスの後、半ば放心状態とも言えるフロアに登場したのは、UKダブ界の重鎮中の重鎮中、エイドリアン・シャーウッドとブリストルが生んだダブステップ界のスーパースター、ピンチによるスペシャル・タッグだ。エイドリアン・シャーウッドとピンチの並び、それは言うなれば、UKベース・カルチャーの伝説と未来である。まるで親子のようなふたりの並びは微笑ましくもあったが、そのサウンドは泣く子も黙るインパクトだ。エイドリアンがダブを注入し、ピンチがビートに瞬発力とセンスを与えていく……、そもそも相性が悪いわけがない両雄だが、想像以上にこのコラボはすさまじかった。願わくば、ぜひこのコンビによるアルバムを聴いてみたい。

メイン・ステージの大トリを飾ったのは、ボーイズ・ノイズ。ボーイズ・ノイズと言えば、「イケイケドンドンなエレクトロ野郎」というイメージを持つ人もいるかもしれないが、それはあくまで彼のひとつの側面。10代前半からレコード・ジャンキーとして、地元フランクフルトのショップで働きながら、DJ/プロデューサーとしての腕を磨き続けてきた彼のDJプレイは、長年さまざまな音楽を聴き続けてきた者だけが持つ説得力と力強さに溢れている。もちろん彼は現在でもガチの貪欲なレコード・ジャンキーである。純粋に新しい音楽を知り、DJをやることが楽しくてしょうがない。そんな屈託のない彼のエネルギーがフロアをさらに盛り上げていく。最後は盛大なアンコールが沸き起こり、オーディエンスと一緒に最後のアンコールの1曲を踊り、濃厚過ぎた1日目を締めくくった。

メインフロアだけではない! それぞれのフロアで感動があった!
とくに日本の新世代は、すげー盛り上がっている!!

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_lab_dj-sarasa-1

DJ Sarasa

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_lab_agraph-1

アグラフ

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_lab_submerse-1

サブマーズ

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_dome_hiroakioba_1-1

ヒロアキ・オオバ

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_dome_addison-groove_1-1

アディソン・グルーヴ

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_com_daito-manabe_074-1

真鍋大度

ここではメイン・ステージを中心にレポートしてきたが、会場に設置された4つのフロア、また会場に散りばめられたアート・インスタレーションなど、さまざまな場所で見落とせない盛り上がりがあった。キュートなルックスとは裏腹に、ヴェテランDJのような手さばきでディスコ、ヒップホップ、エレクトロなどを繋げファンキーなグルーヴを生み出していくDJ Sarasa、モノトーンで冷やかなビートと妖艶なムードでオーディエンスを魅了したサファイア・スロウズ、驚異的なポテンシャルを感じさせた若干20歳のプロデューサー、マッドエッグ、抜群のセンスを感じさせるソリッドなテック・ハウスを聴かせたヒロアキ・オオバ、硬派で力強いミニマル・テクノでフロアを陶酔させたアキコ・キヤマといった日本の新世代たちの素晴らしいパフォーマンスも光っていたし、アディソン・グルーヴ、xxxy、KIDSUKE、Cosmin TRGといった海外勢のパフォーマンスもそれぞれじっくりと書きたいくらいのものだった。さらに特筆すべきは、2011年のレーベル設立以来、ネットで活躍するアーティストたちの作品をフィジカル・リリースするという活動で注目を集めている〈デイ・トリッパー・レコーズ〉によるショウケースだ。その瑞々しく、新たな感性で紡がれるサウンドの響きに、多くのオーディエンスが足を止めていた。彼らは間違いなく会場にもうひとつの熱気を作り出していた。また会場には真鍋大度がキュレートを務めた注目のアーティストたちによるアート・インスタレーションも随所に展示されており、パフォーマンスの合間などに、先鋭的なアートを触れることができるのもソナーならでは楽しみ方と言えただろう。『The Outer Edges』などの話題のムーヴィーを上映していたソナーシネマにも多くの人が集まっていた。  大物のパフォーマンスにガツンとやられるのももちろん楽しいが、ソナーの最大の魅力とは、新しい音楽やアートに出会えることである。僕のようなおっさんにとっては、ジョン・タラボット、アクトレス、あるいはマッドエッグ、ヒロアキ・オオバ、サファイア・スロウズ、デイ・トリッパー・レコーズといった新しい世代のサウンドは輝かしく、感動的に映ったし、若い世代にとってはもしかしたらエイドリアン・シャーウッドやLFO、アレック・エンパイアの雄姿が新鮮に映ったのかもしれない。本拠地、バルセロナのソナーは今年で20周年だそうだ。さまざまな世代が感動できるこの祭典を日本でも長く長く続けて欲しいと思う。

(text by Naohiro Kato)

Report : SonarSound Tokyo 2013 :: DAY 2

凄まじい強風に吹っ飛ばされそうになりながら<ageHa@STUDIO COAST>に到着すると、早くも多数のお客さんが今か今かとオープンを待っていた。前夜のDay1はニュースでも外出NGと注意喚起されるほど大荒れの天候だったらしいが、フロアの熱狂ぶりは過去最高だったというウワサ(筆者は初日不参加だったのだけど、LFOの大絶賛TLにはハンカチを噛みましたよ…)。会場に来られなかった人のための救済措置として、初日のチケットで2日目に入場可能という主催者からの粋なはからいもあってか、ピーカン空のDay2は終始ピースフルな雰囲気な包まれていたのも印象的だった。

新世代トラックメイカーから国産インスト・バンドまで、百花繚乱!

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_lab_tofubeats-1

Tofubeats

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_lab_tanaka-soichiro-1

Soichiro Tanaka

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_lab_green-butter-1

グリーン・バター

<SonarSound Tokyo>において「今でしょ!」なトラックメイカーたちの最新パフォーマンスを目撃できる場所といえば、もちろんプールサイドのSonarLab。トップバッターを務めたインターネット世代の最重要クリエイター、Tofubeatsはまさにその筆頭だろう。スムースな歌メロからバキバキのエレクトロニカまで、良い意味で節操のない曲展開とグルーヴは、真っ先に駆け付けたオーディエンスを満足させるには充分。そのグッド・ヴァイブスを受け継いだ元『スヌーザー』編集長のSoichiro Tanakaは、パブリックな場所では世界初披露となったチック・チック・チックの新曲をはじめ、リアーナ“We Found Love”、アンダーワールド“Born Slippy”、そしてブンブン・サテライツの“Kick It Out”などの大ネタも次々とブチ込んで見事にクラスヌ仕様。<ageHa@STUDIO COAST>の名物客として知られる全身白コーデのダンサーが、弾けんばかりの笑顔とアクションでフロアをひとつにまとめたこともあってか、この日のハイライトと呼べる盛り上がりだったのでは(彼はJeepの特設ブースでも大人気でした)。

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_shiro-takatani_162-1

Shiro Takatani:Chroma

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_nisennenmondai_12-1

にせんねんもんだい

いっぽう、メインステージとなるSonarClubではダムタイプの一員として知られるShiro Takataniによる、『CHROMA』のコンサート・バージョンが行われていた。執拗に繰り返されるウィスパーヴォイスとポエトリー・リーディングに、スリリングな電子ノイズが重なる様はちょっとだけゴッドスピード・ユー!・ブラック・エンペラーを思わせたりもしたが、リアルタイムで変化していくスクリーンの有機的な映像が見応えたっぷり(感覚としてはプラネタリウムにも近い)。4台のMacBookを操作する4人の男性が横一列に並び、時折キーボードも奏でながら描く高IQなサウンドスケープは、音単体でも充分成り立つほど刺激的。終盤はビッキビキの低音&電子音ループで踊らせてくれました。続くtoe、にせんねんもんだいという日本が誇るインスト・バンド2組の流れも素晴らしかったのだが、前者はのっけから歌ものの名曲“グッドバイ”を披露。さらに、<SonarSound Tokyo>には2年ぶりの出演となった後者の美女3名も、微かではあるが新機軸を思わせるサウンドに移行していた。いずれも「インスト」の枠を超えたパフォーマンスを常に体験させてくれるので、もう毎年レギュラー出演ということでOKなんじゃないでしょうか?

次なるブームは「家電ミュージシャン」?
トーキョー・アンダーグラウンドの新たな息吹

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_dome_sause81-1

sauce81

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_com_fragment-1

Fragment x 蛍光灯バンド

お馴染みレッドブルがバックアップするテント・ステージSonarDômeも、<ロウ・エンド・セオリー・ジャパン>の名物企画ビート・インヴィテーショナルでの名司会者ぶりが記憶に新しいsauce81や、人力のロボ声サンプリングで近未来的なグルーヴを描くスペース・ディメンション・コントローラーといった、国内外のDJ/トラックメイカーが入れ替わり立ち代わりフロアを揺らしてくれるのがたまらない。フードコートで腹ごしらえをしつつ(花畑牧場が販売していたベーコン&ソーセージ盛り合わせ¥600はコスパ最強でした)、ドキュメンタリー上映やトーク・セッション、ライヴも行われているエントランス脇のSonarComplexにも何度か足を運んでみたのだが、個人的にもこの日のダークホース198000000YEN(イチキュッパ)には期待MAXだった。以前、にせんねんもんだいやDE DE MOUSEらも出演した都内のイベント<電刃2011>で一度だけライヴを見たことがあったのだが(その当時のユニット名は¥1980でした。値上げしすぎ!)、今回はシースルーのテントの中に自ら入り込み、そこに映像を照射しながらラップトップを操作するーーという、エセ・ダフト・パンクなスタイルがこれまた最高。残念なことに途中で移動しなくてはならなかったのだが、トレードマークのカスタム掃除機や扇風機は使われたのだろうか? 彼らの出番の少し前に登場したFragment x 蛍光灯バンドもそうだが、家電芸人ならぬ「家電ミュージシャン」がブームの兆し?

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_darkstar_19-1

ダークスター

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_nicolas-jaar-1

ニコラス・ジャー

そんなトーキョー・アンダーグラウンドの新たな息吹にも立ち会いつつ、いよいよクライマックスを迎えようとするSonarClubに踵を返す。〈ワープ〉の新星ダークスターは、全身の毛穴が震えるようなベースと、性別を超越したハイトーンのマントラ風ヴォーカルが超ドープ。3台のサンプラー&キーボードで「生」に特化したサウンドはアタック感も抜群で、怪しげなスモークも手伝ってどこぞの宗教儀式をも思わせたり…。アニマル・コレクティヴやMGMTともガッツリ共振するんじゃないかと思いました。続いて、<WOMB>での初来日公演から約3ヶ月というスパンでカムバックしてくれたNYハウス・シーンの貴公子、ニコラス・ジャー。ウホッ、いい男…なルックスもさることながら、本邦初公開となるトリオ編成のバンド・セットは一瞬一秒たりとも見逃せない・聴き逃せない脅威のサウンドの応酬だった。前半〜中盤こそ名作『Space Is Only Noise』の延長線上にある静謐さ・ミニマリズムが際立っていたものの、獰猛な爆音で畳みかけるラストはもう圧巻の一言。ニコジャーと<ageHa@STUDIO COAST>のサウンド・システムが、ここまで相性完璧だとは思わなかった。生歌も実にセクシーでソウルフルだったし、同じく若手&イケメンのジェイムス・ブレイクとは良きライバルとして今後も注目されそうである(そういえば、次回のJBの来日公演もageHa@STUDIO COASTで行われますね)。

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_darkstar_19-1

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_karl-hyde_211-1

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_karl-hyde_26-1

カール・ハイド

さて、2日間のイベントを締めくくるのはもちろんこの男、カール・ハイド。2年前には同じ場所でリック・スミスと共に「ほぼ」ライヴ・セット状態のDJパフォーマンスを披露し、3.11後にエンターテインメントを自粛しつつあったオーディエンス、および日本中にエールを届けてくれたことは今でも忘れられない。キャリア初のソロ・アルバム『エッジランド』を引っさげてのプレミアムなステージでもあったわけだが、カール=アンダーワールドとして定着したイメージや予想をあっさりと凌駕する、ピュアに「歌」を突き詰めた感動的なショウだった。メンバーはドラムレス、両サイドにキーボードを配した4人編成で、ステージ・バックにはカール自身によるペイントと思われる巨大な垂れ幕。VJなどの映像やレーザー演出も一切ナシだ。FMラジオでもパワー・プレイされていた“The Boy with the Jigsaw Puzzle Fingers”をはじめ、そこにあるのは、ただひたすら美しい歌声とアンビエントなメロディー。アンダーワールドにおける彼の声は、どうしてもテクノ的な「記号」の一部となりつつあったが、エフェクトや混じりっけのないこの夜のヴォーカルを聴いて、改めてその魅力に気付いたオーディエンスは筆者だけではないはず。

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_karl-hyde_3-1

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! event130425_sst13_sc_karl-hyde_121-1

以降も1曲1曲をとても丁寧に、大切そうに紡ぎ上げていくカールおじさん。歌いたかったんですね…。ブライアン・イーノ主導のプロジェクト『Pure Scenius』にてコラボしたレオ・アブラハムスからの影響も大きかったそうだが、イーノの盟友ロバート・ワイアットが引き合いに出されるのも頷ける。アンコールで投下されたアンダーワールドの“8 Ball”はさすがの破壊力だったが、伝家の宝刀VXダンスが封印されていたのはちょっと寂しい(笑)。しかし、55歳とは到底思えぬほど若々しいルックスはミック・ジャガーばりに意識して保っているのだろうし、ソロ・セットから発展して超アップ・リフティングなアンセムが生まれる可能性も将来的にはゼロではないだろう。日本滞在中に急遽<フジロック・フェスティバル>への出演もアナウンスされたが、さらにアップデートされた景色=エッジランドを我々に見せてくれるに違いない。

(text by Kohei Ueno)
(live photo by Masanori Naruse / TEPPEI / Tadamasa Iguchi)

家宝確定! カール・ハイド&アレック・エンパイアのサイン入りグッズプレゼント

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! music130430_sonar-present-sticker-1

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! music130430_sonar-present-T2-1

【RT応募】<SonarSound Tokyo 2013>をプレイバック! 今年もやっぱりアツかった、数々のアクトを振り返ろう。サイン入りグッズもプレゼント!! music130430_sonar-present-t-1

1日目のフロアを多いに盛り上げてくれた我らが皇帝アレック・エンパイア。直前まで静かな闘志を燃やしていたQetic編集部もアレック様を目の前にボルテージが限界値まで上昇! お決まりのATR旗を振りまくり大暴れしていましたが、そんな編集部の姿を見て(?)皇帝から直筆サイン入りの<SonarSound Tokyo 2013>ステッカーをTEPCOキッズ達(Qetic読者)へとプレゼント!!

さらに2日目のトリを飾ったカールおじさん a.k.a. カール・ハイドからもオフィシャルTシャツに超貴重な直筆サインをもらっちゃいました〜! このTシャツを着ればアナタもVXダンスがキレッキレになること間違いナシ!!!

Twitterでの応募方法
1)Twitterにて「@Qetic」をフォロー
2)下記ボタンより欲しいプレゼントRTして下さい。


※当選者にはDMにてご連絡させて頂き、上記必要事項の確認をさせて頂きます。
※フォローされていない方の応募は無効とさせて頂きます。

応募期間
2013年4月26日(金)〜5月7日(火)正午まで