ワールドミュージック好き必見！スキヤキトーキョー出演者を紹介

チガナ・サンタナ

“アフロ・ブラジル・ニック・ドレイク”とも称されるブラジルの鬼才

独特のチューニングを施した５弦ギターを用い、ニック・ドレイクを彷彿とさせる内省的かつ翳りのあう歌声で独自の世界を築くチガナ・サンタナは、アフリカ文化の形跡が色濃く息づくブラジル北東部バイーア州サルバドール出身のシンガーソングライター。09年のデビュー作『マサレー』、スウェーデンのストックホルムで録音された12年作の『インヴェンション・オブ・カラー』で高い評価を集めた後、３作目となるCD２枚組の最新アルバム『テンポ・アンド・マグマ』は、アフロ・ルーツを辿ってセネガルの首都のダカールに赴いて録音。アフリカの打楽器やンゴニ、リティといった伝統的な弦楽器も取り入れたアンサンブルで美しくスピリチュアルな“アフロ・ブラジル”サウンドを展開し、これまで以上に幅広い支持を集めた。極めてハイブリッドな試みでありながらも、どこか懐かしく、子守唄のような安らぎすら醸し出す唯一無二の音世界は、ジャンルを超えて要注目。

Tiganá Santana – “Mon’ami”

ベカオ・カンテット

マリの多彩な伝統音楽をこれまでにないスタイルで共存させる5人組

サリフ・ケイタやロキア・トラオレといった才人たちに、近年は北部のサハラ砂漠周辺のトゥアレグ人らを中心とした“砂漠のブルース”勢など。これまでに多種多様なミュージシャンを次々と世界に送り出してきたマリ共和国には、地域ごとに異なる民族や文化、音楽スタイルが共存してきたが、異なるバックボーンを持つ者同士が一堂に会してまったく新しいユニットを結成するというケースは稀なことだった。このベカオ・カンテットは、アフリカの音楽家とのコラボ経験が豊富なフランス人の打楽器奏者が中心となり、グリオの弾き語りで多用されるンゴニ奏者、南部の漁師の秘密結社の伴奏に用いられるドンソンゴニ奏者、ジェンベの名手などがその違いを越えて結成した新しい形のグループで、14年にヨーロッパ・ツアーを成功させて昨年にデビュー作『バマコ・トゥデイ』を発表した。マリの多彩な伝統音楽を斬新な組み合わせと感覚で共存させたサウンドは、まさに現在進行形のワールド・ミュージックの最先端！

BKO QUINTET – “NTANA”（2014）

クアトロ・ミニマル　with アルトゥロ・ロペス・ビオ

南米～韓国～アフリカ～鹿児島が交錯するスキヤキ発の多国籍ユニット

ループやエフェクトも駆使するヴォイス・パフォーマーのファン・パブロ・ヴィヤと、変則的な奏法も多用するギタリストのフェルナンド・ヴィゲラスというメキシコの2名に、韓国の伝統打楽器奏者のチャン・ジェヒョと、親指ピアノに加えて最近は故郷の鹿児島の板三味線＝ゴッタンも用いるサカキマンゴーが結成した、スキヤキ発の多国籍カルテット。11年に合宿を経て初ライブを行った後、昨年には3年ぶりに再結成をしてメキシコ・ツアーとレコーディングを敢行。7月にリリースされた初のアルバム『ラ・コラ・デル・ドラゴン』では、南米～韓国～アフリカ～鹿児島の音楽要素がまったく独自のスタイルで溶け合ったワールド・エクスペリメンタル・ポップな音楽性を飛躍的に進化させ、凱旋という形で再びスキヤキに登場する。CDリリースを通して、海外で注目を高めるのも時間の問題。今回はメキシコ国内で高い評価を得るアルトゥロ・ロペス・ピオが映像で参加し、さらに強力なステージを繰り広げてくれるはず。

Cuatro Minimal – “Meia da Shonta”

キウイとパパイヤ、マンゴーズ

スキヤキとの繋がりも深い、東京の下町発の歌謡ダンスホール楽団

富山の＜スキヤキ＞ではブラジルの打楽器のワークショップを行い、世田谷発のマラカトゥ・グループの“バッキバ”にも参加する廣瀬拓音（ベース他）が率いる、東京発の下町レア・グルーヴ／歌謡ダンスホール楽団。神楽坂のお座敷で歌や三味線を披露している大橋キウイをフロントに、都内の様々な音楽シーンの第一線で活躍するメンバーたちが集って奏でるのは、ブラジル音楽、ラテン、日本を含むアジア各国の民謡、東欧の音楽などの要素 がミックスされた“4畳半で世界一周”サウンド。昨年には、＜スキヤキ＞を通して親交を深めたサカキマンゴーとともにモザンビー クやスワジランドも廻った南部アフリカ＆南欧ツアーを成功させ、日本発のワールド・ミュージックで現地の観客たちを熱狂させ た。現在は大橋キウイが産休中につき、“誰かとパパイヤ、マンゴーズ”として様々なアーティストをフロントに迎えながら活動中とのことで、この日だけのスペシャルなゲストの参加にも期待が高まる。

キウイとパパイヤ、マンゴーズ – “会いにいくよ”