8月16日(金)から18日(日)の3日間、東京・大阪の二会場で開催される、国内最大級の音楽フェスティバル<SUMMER SONIC 2019(以下、サマソニ)>。
今年は、RED HOT CHILI PEPPERS、B’z、Perfumeら人気アーティストが出演するほか、東京会場では、トイズファクトリーから新作をリリース予定のタイの国民的スター・STAMPや、韓国国内で高い評価を受けるシンガーソングライターデュオ・赤頬思春期(BOL4)など、アジア各国から多くのアーティストが集結します。
そこで本記事では、台湾から出演する3組のアーティスト、八三夭831(バーサンヤオ)、XIAO BING CHIH(シャオ・ビンチー)、9m88(ジョーエムバーバー)にスポットライトを当て、プロフィールを簡単に紹介します。また、<サマソニ>で演奏予定のセットリストの一部や、日本のオーディエンスへのメッセージなどを独自取材しました!
この記事が、台湾のアーティストの予習に役立ちましたら幸いです!それでは本編へ。
<サマソニ>に向けエネルギー全開、台湾屈指の仲良しバンドが登場! – 八三夭831(バーサンヤオ)
8月16日(金)Billboard JAPAN STAGEに登場する八三夭831(以下、バーサンヤオ)は、2003年に同じ高校の仲良しメンバー同士で結成した、ボーカル・阿璞(アープ―) 、ギター・劉逼(リウビー) 、ベース・覇天(バーティエン) 、キーボード・小橘(シャオジュー) 、ドラム・阿電(アーディエン)の5人によるロックバンドです。
東區東區 – 八三夭831
2016年には、はじめての来日公演として、<東京国際ミュージック・マーケット(TIMM)>にも出演。キーボードの小橘(シャオジュー) は、「当時は、ほとんどのお客さんが、僕たちのライブに初めて来てくれたと思うのですが、とてもありがたいことに、誰一人としてライブ中にスマートフォンで写真を撮影したりしないんですよ(※)。日本の皆さんが僕たちのライブをしっかりと楽しんでくれたのを感じました!」と、振り返ります。
※ 台湾では、会場により、ライブ・コンサート中に写真を自由に撮影しても良い文化もあります。(会場により、制限されているところもありますので、現地でライブやコンサートに足を運ぶ際は、係員の方に確認してみてください。)
1stアルバムをリリースしてから約10年目となる今年・2019年は、これまでに発表した4アルバム(『拯救世界』、『最後的831』、『大逃殺』、『生存指南』)から24曲を収録したベストアルバム『一事無成的偉大』をリリースし、台北アリーナと高雄アリーナのライブツアーをSOLD OUT。
現在、上海、香港、シンガポールなどを巡回するワールドツアーの真っ只中で、9月には東京でワンマンライブも行う予定です。
そんな彼らに、精力的に活動を展開するなか、ずっと同じメンバーでバンドを続けられる秘訣を聞くと、「音楽のために努力するのと、学生時代からの仲間として支え合うのが両立できているからです。僕たちは大人になった今でも、同級生のようにふざけ合います!」と、学生時代から変わらず、仲の良い一面を見せます。
また、<サマソニ>への印象について、ギターの劉逼(リウビー)は、「実は2013年に、<サマソニ>に行ったことがあります。集まったお客さんは、ライブを見る時、コーラス、モッシュやダンスなど、全身でライブを楽しんでいました。そんな人々の群れの中にいると、強いエネルギーを感じると同時に『ここにいる皆は、本当にロックが好きなんだな……!』と、実感しました」と語ります。
そして、今回の出演については、「これまでにリリースしたアルバムの中から、フェス向きのロックなナンバーを選んで演奏する予定です。いつも台湾のコンサートでファンの方と合唱する定番曲”東區東區”や “搖勒搖勒”で皆さんと盛り上がり、演奏者側として、エネルギーに満ちた空間を一緒に創れたらうれしいです!」と宣言しています!
搖勒搖勒 – 八三夭831
『心からの交流を楽しみにしています。』 – XIAO BING CHIH(シャオ・ビンチー)
同じく8月16日(金)Billboard Japan Stageに出演するXIAO BING CHIH(以下、シャオ・ビンチー)は、2009年に「廷廷」という芸名でデビューし、台湾の人気バンド・魔幻力量(Magic Power)のメインボーカルとして活躍した、男性シンガーです。
魔幻力量(Magic Power)は、デビュー以来、台湾国内で若者を中心に大きな人気を博したのに加え、2016年に日本デビューも果たし、次世代を担うバンドとして期待を寄せられていました。しかし、メンバーの不祥事などにより、残念ながら活動を休止。シャオ・ビンチー自身も心を患い、しばらくの間、音楽活動から遠ざかります。
しかし、そのような苦しい時期も乗り越え、2018年に1stソロアルバム『凡人 MORTAL』を発表し、ソロシンガーとして再出発を果たしました。
“凡人” – Xiao Bing Chih
1stソロアルバムのリード曲”凡人”の歌詞は、挫折と闇からの希望、そして再生へ向かう道のりを描いたもので、2019年7月時点でYoutubeのMVが770万回再生を突破するなど、高い人気ぶりがうかがえます。
“凡人”が台湾国内で多くの方に受け入れられた理由について、本人は「この曲は、個人的な経験から創られた、意気消沈している人々へ訴えかける楽曲です。個人的な経験から作られた楽曲はいつでも人々の『心』に影響を与えます。台湾のファンの方は、”凡人”を聞くことで、勇気が湧いてくると伝えてくれます」と分析しています。
そして2019年は、6月に東京で来日ライブを行い、台湾国内でアルバム名を冠したライブ<凡人 Tour>を7月6日(土)から8月31日(土)にかけて展開中です。
魔幻力量(Magic Power)時代以来2度目となる今回の<サマソニ>出演は、1stソロアルバム『凡人』を中心としたセットリストのほか、魔幻力量(Magic Power)時代の楽曲を大胆にリアレンジしたものをバンドセットで演奏予定との情報が入っています。
これまで、多くの困難を乗り越えてきたシャオ・ビンチー。「日本のオーディエンスは(音楽を聴くことに)とてもプロフェッショナルです。アーティストとの交流は、皆さんの心の中からきているのでしょう。僕も、<サマソニ>のステージで、日本の方と、心の交流をするのを楽しみにしています」と、「心」を大事にした前向きなコメントを発表しています!
“Plastic Love”カバー&新アルバムに注目 – 新鋭女性ソロシンガー9m88(ジョーエムバーバー)
8月18日(日)Billboard Japan Stageに登場予定の9m88(ジョーエムバーバー)は台北出身の女性ソロシンガーです。
ジョーエムバーバーは、2015年からニューヨークの名門校「The School of Jazz & Contemporary Music」で4年間ジャズを学び、2018年12月に卒業。今年1月から台北へ戻り活動しています。
そんな彼女が、多くの方に知られる事となったのは、2016年に台湾のヒップホップアーティスト・Leo王とのコラボレーション楽曲”陪妳過假日”を発表したのがきっかけです。
Leo王 – 陪妳過假日 feat. 9m88
初期の活動がコラボレーション中心だった理由について、「当時はニューヨークでジャズボーカルを学んでいましたが、自分で曲を創ることはまだできなかったので、自分自身を励ますために、先輩アーティストたちとコラボレーションをさせてもらいました。Leo王とコラボレーションした後、多くのアーティストから、『一緒に曲を作りましょう』と誘ってもらえるようになったんですよ」と、振り返ります。
2017年12月に〈2manysound〉からリリースされた7インチレコード『九頭身日奈』のカップリングでは、竹内まりやによるシティポップの名曲”Plastic Love”をカバー。
台北で育ち、ニューヨークで学んだ彼女が”Plastic Love”をカバーしたのは、「もともと、”Plastic Love”が大好きで、日本でもレコードを発売する予定があったので、挑戦してみようと思いました」とのこと。この経験について「”Plastic Love”に触れた道のりは魔法のようでした。日本語で歌うのを学び、歌詞を理解しようとすると、私自身が楽曲のストーリーと共鳴し、都市とのつながりを強く感じられるのがわかりました。シティポップが大好きです!」と、語ります。
様々なアーティストとコラボレーションを展開してきたジョーエムバーバー。2019年8月には、ついに本人製作の楽曲を収録したニューアルバム『平庸之上 Beyond Mediocrity』をリリースし、日本・アメリカを含む海外ツアーを予定しています。
そんな彼女は今回の<サマソニ>出演に向け”九頭身日奈”、”Plastic Love”の二曲のほか、ニューアルバムの楽曲が中心のセットリストを組んでいるとの情報も。「私の音楽を聴いてくれる方が日本にいることに本当に感謝し、とても光栄に思っています。今年、<サマソニ>をはじめとしたいくつかの会場で、日本のみなさんの前で演奏する機会を本当に楽しみにしています!」と、コメントしています!
「アジアが熱い」と言われる今、台湾にぜひ注目して
今回は<サマソニ>に出演する台湾のアーティストについてご紹介しました。年々音楽交流が盛り上がる日本とアジア各国。今年は、音楽フェスティバルのほか、各地のライブハウスでも、多くのアーティストが来日公演を行っています。日本でライブが観られる貴重な機会に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
Text:中村めぐみ
Translater:張家綸
Cooperation:TAIWAN BEATS Brien John / 張凱鈞
EVENT INFORMATION
SUMMER SONIC 2019
2019年8⽉16⽇(⾦)、17⽇(⼟)、18⽇(⽇)
東京:ZOZO マリンスタジアム&幕張メッセ
開場 AM 9:00/開演 AM 11:00
大阪:舞洲 SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
開場 AM 10:00/開演 AM 11:00
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