トム・ミッシュ(Tom Misch)が、ダンス・ミュージックに焦点を当てた新プロジェクト『スーパーシャイ (Supershy)』を始動。新曲“Happy Music”、“Something On My Mind”の2曲が4月8日に公開された。
トム・ミッシュがダンス・ミュージックにフォーカスした新プロジェクトを始動
先日、<フジロックフェスティバル’22>に出演することも発表され、大きな話題を呼んでいるトム・ミッシュ。オールドスクールなハウス・ミュージック〜ディスコ〜ソウルを巧みに取り入れた新曲“Happy Music”では、キャリア初期のミックステープ『Beat Tape』シリーズに見られる洗練されたプロダクション・センスを発揮。同時に、既に大勢のオーディエンスを熱狂させてきたかのような風格さえ漂う最高のダンス・アンセムに仕上がっている。
また“Something On My Mind”は、ブレイクス、イタロ・ディスコ、フレンチ・ハウスといった要素を感じさせ、スーパーシャイという新たなプロジェクトを通して、アンダーグラウンドなクラブ・ミュージックを新たな世代に向けた新鮮なサウンドへと昇華させるトムの姿勢とスキルの高さを感じさせる一曲だ。
ギターを弾かないというルール
トム・ミッシュは、長い時間をかけて行ってきたこれまでの曲作りの作業から一時的に離れ、スーパーシャイの制作プロセスをできるだけ楽しく、ストレスのないものにしようと考えていた。このプロジェクトにおいてはギターを弾かないというルールを決めたが、それ以外はダンス・ミュージックという枠の中で自由な表現をすることを可能にした。
このプロジェクトで生み出されるトラックには、ムーディーマン(Moodymann)やアンドレス(Dez Andres )のようなデトロイトのプロデューサーを彷彿とさせる埃っぽくて煙たいグルーヴ、ラリー・ハード(Larry Heard)やケリー・チャンドラ(Kerri Chandler)のような美しくも深淵なディープ・ハウス、トッド・テリエ(Todd Terje)やペギー・グー(Peggy Gou)のような洗練されたサウンド、そして言うまでもなくディスコ/ソウルといった様々な影響が感じられる。また、彼はアンダーグラウンドからの確固たる支持を獲得しながらも、メジャー・シーンでも大きな成功を収めたダフト・パンク(Daft Punk)にも影響を受けたという。
“スーパーシャイ”という名前は、トム・ミッシュがマネージャーから言われた言葉を聞き間違えたことに端を発し、彼自身その言葉の響きが気に入り、新たなプロジェクト名として採用された。現在彼はトム・ミッシュ名義でのアルバム制作にも取り組んでいると明かしているが、新プロジェクトでの今後の動向も必見だ。