年、その動向を追い続けてきた新世代ダブバンドTAMTAM。昨年10月には〈ビクター スピードスターレコーズ〉からのメジャーデビューが発表され、今年1月にはタワーレコード17店舗限定でカセットテープを無料配布するという、なんとも冒険的なプロモーションを敢行したばかり。ウォークマンやラジカセなどのカセットテーププレイヤーが完全に化石化した現代の音楽リスニング環境において、時代と逆行するプロモーションが大きな話題を呼んだのは記憶に新しい。そんな新人らしからぬ大胆な展開のインパクトが鮮明に残る中、ついにTAMTAMはメジャー発音源となるプレデビューシングル『クライマクス&REMIXES』のリリース当日を迎えることとなった(2014年3月5日[水]タワーレコード限定発売)。

表題曲“クライマクス”は、キーボードとギターによる轟音と裏打ちの緩急自在なメロディ、そしてレゲエを土台とした多種多様なビートの上に、バンドの紅一点・kuroの存在感あふれるヴォーカルが映える1曲。ドラマティックかつ哀愁漂う独自のダブサウンドは、これぞTAMTAMというよりも、バンドの進化を感じさせる彼らの新境地に値する意欲作だ。その他にはダブバンドの先輩格、あらかじめ決められた恋人たちへのリーダー・池永正二と、TAMTAMのベーシスト・Junet Kobayashiがそれぞれ手掛けたリミックスバージョンが収録されている。渾身の全3曲は、ライブハウスからクラブを自由に行き来するTAMTAMを知るには十分すぎるほど濃厚な内容だ。あわせて公開されたばかりの“クライマクス”のMVにもTAMTAM独自の世界観が凝縮されているので、ここで紹介させていただきたい。

“クライマクス”MV

TAMTAM のオフィシャルTwitterアカウントのツイートを借りると、“クライマクス”のMVは「全編Go Pro(世界で最も多目的とされる小型カメラ)をぶん投げまくって」撮影されている。監督は長添雅嗣。BOOM BOOM SATELLITESや髭(HiGE)などのMVを手掛ける注目の映像ディレクターだ。パラシュートで上空から降りてくる(ときに逆再生)アクロバティックな空撮、晴天のビル街に佇むメンバーのイメージカット、アニメーションを使った暗闇での演奏シーンなど、緩急を織り交ぜたアグレッシブな作品に仕上がっている。日常では体験し得ないアングルで展開される映像について、長添は次のように語ってくれた。

「ただただ攻撃的な映像にしてほしいとオーダーをいただいていたと記憶しています。攻撃的という言葉が正しいかわからないけど他のミュージシャンのビデオのように優しくまあるくまとまったビデオにしたくないという意思を感じました。ビデオのテーマはシンプルです。見たことのないアングルで私たちの世界を見てみよう。ということ。別に新しい価値観やメッセージをミュージックビデオに込めるつもりはありません。そんなことをした時点で今までのビデオと同じことになると思います。そんなものは見る人が勝手に想像してくれればいいと思います。ただ他のミュージシャンがやってることをしたいわけじゃないということ。それがTAMTAMを表現できるんじゃないかなと思いました。」

ちなみに、前作ミニアルバム『Polarize』の表題曲“Polarize”のMVは、映画からMVまで幅広く手掛ける映像ディレクター・草野翔吾によるものだ。下記には草野からのMVに関するコメントが寄せられているが、長添の「見たことのないアングルで私たちの世界を見てみよう」というシンプルなテーマと類似する、ある要素が語られていることに着目してみていただきたい。

“Polarize”MV

「“Polarize”はTAMTAMの間口を広げられるような、これまでと違った(メジャー感のある)楽曲を目指したということだったので、MV的にもTAMTAMのライブを見たことの無い人がライブに足を運びたくなるようなものにしたいと思いました。音楽的にはコアな音楽ファンにも通用する芯のあるバンドだと思うので、あとは、とにかくヴォーカル・Kuroちゃんの魅力が伝われば大丈夫だろう! と思って、映画で女優を撮る時と同じように気を遣って撮影しています。

手法としては、歌詞に出てくる「ストロボ」、「タイムトラベル」というキーワードを取っ掛かりにして、タイムトラベル的なモチーフを、ストロボゾートロープで見せるというアイデアを組み立てました。それを時計の回転、レコードの回転、カメラの回転、メンバーの回転と、回転する要素だけで見せようと。“Polarize”以前の2曲のMV、“Riddim”はレコード、“Dry Ride”はコマ撮りアニメがモチーフだったので、その両方を違った形で継承できる点も、このアイデアを気に入った理由です。また、TAMTAMの持つトンガッた姿勢やライブ感を少しでも出すために、ワンカット1発撮りにこだわりました。

余談ですが、2周目以降にテレビの画面に映る角丸の四角形は、僕とメンバーが共通して大好きなFISHMANSの“Just thing”MVへのオマージュです。誰も気づかないと思いますが。」

思えば、無料配布されたカセットテープもMVと同じ「回転」を感じさせるものだった。ここまで続くと、どうやら「回転」はTAMTAMが意図的に盛り込んできたキーワードであることは間違いなさそうだ。今後、その真意を確かめていきたい。

(text by Shota Kato[CONTRAST])

★リリース記念生ライブUstream配信決定!さらに4月23日(水)ミニアルバムリリース決定!!詳細はまとめて下記にてチェックせよ!!!!!

Program Information

TAMTAM with 6Visualists -Vol.1-
2014.03.05(水)@JAMBORiii STATION
配信スタート予定:22:00~
ライブ&番組スタート予定:22:30~

※「JAMBORiii STATION」は音楽WEB動画チャンネルです。番組は「JAMBORiii STATION」WEBサイト、「USTREAM」サイトからご覧いただけます。
※機種によりご覧頂けない場合がございます。予めご了承ください。
※現地のインターネット回線状況により、放送の遅延や一時中断・中止をする場合がございます。 予めご了承下さい。
※諸事情により、配信時間の変更の可能性があります。
(※リピート配信の予定はありません)

Event Information

TAMTAM I DUB YOU TOUR2014

●名古屋公演
2014.03.16(日)@池下・CLUB UPSET
OPEN 17:30/START 18:00
ADV ¥2,800(1ドリンク代別)
LINE UP:jizue、egoistic 4 leaves
TICKET:イープラス、ローソン(L:45323)、ぴあ(P:218-799)
INFO:JAILHOUSE(052-936-6041)

●大阪公演
2014.03.23(日)@アメリカ村・CLAPPER
OPEN 17:30/START 18:00
ADV ¥2,000(1ドリンク代別)
LINE UP:psybava、jizue
TICKET:イープラス、ローソン(L: 53512)、ぴあ(P: 218-430)
INFO:YUMEBANCHI(06-6341-3525)

●東京公演
2014.04.06(日)@下北沢・SHELTER
OPEN 18:30/START 19:00
ADV ¥2,500(1ドリンク代別)
LINE UP:THE OTOGIBANASHI’S
TICKET:イープラス、ローソン(L: 78915)、ぴあ(P: 222-384)、GANBAN
INFO:HOT STUFF PROMOTION(06-5720-9999)

Release Information

2013.03.05 on sale!(タワレコ限定)
Artist:TAMTAM(タムタム)
Title:クライマクス&REMIXES
ビクターエンタテインメント
NCS-10065
¥300(tax incl.)
取扱店舗:タワーレコード全店、TOWERmini全店、タワーレコード オンライン

★お得な「仕掛け」アリ! 本作を購入した際にもらえるハガキで応募すると、このツアーに抽選でご招待! さ・ら・に! 当選&観戦したライブの様子をレポートすると「Qetic」に掲載されるヨ!!

2013.04.23 on sale!
Artist:TAMTAM(タムタム)
Title:クライマクス&REMIXES
ビクターエンタテインメント
VICL-64103
¥1,575(tax incl.)