カリフォルニアを拠点に活動するバンド、ザ・ニュー・ディヴィジョンが約2年の歳月をかけて現時点での集大成と言えるセカンド・フル・アルバム『トゥゲザー・ウィ・シャイン』が4月16日にリリースされた。

バンドはその名の通り、New Order(ニュー・オーダー)とJoy Division(ジョイ・ディヴィジョン)をはじめ、Depeche Mode(デペッシュ・モード)など、様々なエレクトロニック〜オルタナティヴ・ミュージックからの影響を受けている。インパクトのある名前ばかりに注目が集まるが、そういった見方を払拭する完成度のアルバムとなっている。

新作ではトランス、プログレッシヴ・ハウスなど、あらゆるエレクトロニック・ダンス・ミュージックのエッセンスを吸収・消化したトラックに、持ち味の低音からファルセットまでを操る巧みなヴォーカリゼーションとポップ且つ捻りの効いたソング・ライティングに乗せて、躍動感とエモーションに満ちたサウンドが展開される。よく比較されるM83にも共振するサウンドで、カラフルで重層的なシンセのレイヤーを核に、アグレッシヴなリズムやギターを走らせビルドアップしていくコンビネーションは見事だ。

かなりの音が攻撃的に詰め込まれているが、ヴォーカルとのバランス感は絶妙で、アッパーでダンサブルなテイストと、アンセミックな高揚感が同居している。曲調もただ疾走するだけでなく、メロディアスな展開も垣間見せ、アルバム全体を通して聴き手を引き込んでいく。これまでの作品以上にヴァラエティに富んだ内容となった。

また、本作にはThe Killers(ザ・キラーズ)のDave Keuningが“Smile”にギターで参加しているのを始め、前EP『Night Escape』(13年)に続き先日Keep Shelly in Athensを脱退したSarah Pが“Honest”にヴォーカルで参加しているのも注目だ。日本のみボーナストラック5曲収録ということで、非常にお得な内容となっている。次世代を担うザ・ニュー・ディヴィジョン、要チェックである。

Release Information

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