ドラマティックなメロディのなかで、美しい憂いを帯びた感情を描き出すHYDEのボーカル、そして、繊細なフレーズと表情豊かなタッチによって楽曲の魅力を引き出すK.A.Zのギタープレイも本当に素晴らしい。ライブ後半にはふたつのサプライズが用意されていた。まずは「大好きなアーティストを呼びたいと思います。」というHYDEのコールとともに、純白のドレスに身を包んだCharaがステージに現れる。披露されたのは1997年のアルバム『Junior Sweet』に収録された名曲“ミルク“。CharaとHYDEの声が絡み合い、甘美なハーモニーが生まれたシーンはまちがいなく、この夜の大きなハイライトだった。
さらに軽やかなグルーヴが印象的だった“DEVIL SIDE”を挟み、2組目のゲストAPOCALYPTICAが登場。VAMPSのジョイント・ツアーでも共演した両者が奏でたのはもちろん、APOCALYPTICA×VAMPS 名義で世界同時配信されたシングル“SIN IN JUSTICE”だ。3人のチェロとドラムからなるAPOCALYPTICAの演奏が加わり、重厚なアンサンブルが出現。フィンランド、日本を代表するロックアーティストたちのオーガニックなセッションは、すべての観客の胸に強く刻まれたはずだ。
そしてラストはHYDEとK.A.Zのふたりだけで“GHOST”を披露。儚くも美しい歌声、官能的な響きをたたえたギターがゆったりと広がり、会場全体は心地よい感動に包まれた。ライブ中にHYDEは「人力でやると表情がすごく出る。演奏していると素敵な時間が流れるんですよね。いい経験をさせてもらいました。と語った。その言葉通り、彼らの奥深い音楽性と豊かなパフォーマンスがたっぷりと堪能できた意義深いステージだった。
セットリスト
1. SAMSARA
2. MY FIRST LAST
3. JESUS CHRIST
4. SWEET VANILLA
5. DAMNED
6. VAMPIRE’S LOVE
7. ミルク(with Chara)
8. DEVIL SIDE
9. SIN IN JUSTICE(with APOCALYPTICA)
10. FAITH
11. GHOST
PROGRAM INFORMATION
MTV Unplugged:VAMPS
【初回放送】
2016.03.19(土)START 21:00/FINISH 22:00
【リピート放送】
2016.03.21(月)START 21:00/FINISH 22:00
2016.03.27(日)START 21:00/FINISH 22:00
2016.03.31(木)START 21:00/FINISH 22:00
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text by Tomoyuki Mori
photo by 田中和子/今元秀明