こんにちは、石松豊です。「綺麗な風景×落ち着いた音楽」のライブイベントを個人で企画しています。今回のテーマ「冬の朝」に合わせて、風景に溶け込むようなエレクトロニカ音楽を5曲選びました。寒い日の朝や、冬を思い出す時間のBGMにどうぞ。

冬の風景に溶け込むエレクトロニカ音楽5選

やわらかい光が差し込む朝。

冬の朝に聴きたいエレクトロニカ。風景に溶け込む音楽を5曲紹介 music181215_wintermorning_01-1200x800

冬の光は白くてやわらかい。カーテンを開けると眩しい線が部屋に伸びてくる。目を細めながらもテーブルに腰掛け、温かい飲み物を飲む。窓の向こう、遠くに聞こえる街の音とは反対に、家の中は自分が呼吸する音以外は聞こえないほど静かだ。

心落ち着く朝に寄り添うのはAkira Kosemuraの優しいピアノ音楽。ぽかぽかする空気の中で膝に毛布を抱え、眠気を感じながらも「今日は何をしようか」とぼんやり考える。小さな鉄琴の音が思考にわずかな波をつくる。その誰にも急かされず、思いついては忘れてしまうようなリズムに合う曲が「Hicari」だ。

収録されているアルバム『Polaroid Piano』は、ポラロイド写真をコンセプトにしている。ゆっくりとした時間をそのまま切り取ったかのようなピアノ・アンビエントを聴いていると、何事もない日常が持つ安心感に気づいたりする。

寒くて布団から抜け出せない朝。

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午前11時は過ぎたであろう休日。何度か目が覚めるも寒くて布団から抜け出せず、二度寝三度寝を繰り返している。外から聞こえてくる子供がはしゃぐ声。平和な雰囲気を耳に、薄暗い部屋でまだまだ眠りたい。

まどろむような時間に溶け込むのは優しいピアノとアコースティックギター。yutaka hirasakaは繊細な音で情景を描く。絶妙な力加減の鍵盤ハーモニカの音色が、こどもの頃の思い出が夢に現れたような、淡いノスタジックな気持ちにさせてくれる。

学校帰りに日が暮れるまで遊んだ近くの公園。通学路にあった駄菓子屋で当たりのお菓子を当てたこと。あのとき砂場で埋めたタイムカプセルは今、どこに……。「eau」が2曲目に入ったアルバム『breath』は、記憶の中に埋もれていた日常の息づかいを、ふと思い出させてくれる。

公園を散歩する朝。

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近くの公園へ散歩に行くと、モノトーンの風景が広がっていた。クリスマスツリーに使われるモミの木は常緑樹といって、冬も葉が落ちないらしい。しかしその佇まいは、どこか寂しげに見える。

冬の寂しさにはGoldmundの音楽が似合う。ゆっくり枯れ葉の地面を歩くテンポにも、靄がかかったような色味にも合っている。透き通るような音に包み込まれて、静けさに心が落ち着ける。

Goldmundが弾くピアノには、孤独に寄り添う優しさがあると思う。冷たい空気の振動がそのまま伝わってきそうな音の響き。その中には、鍵盤をやわらかく触る温もりが感じられる。まるで森の向こうに見える朝日のように、少しだけこちらを照らしてくれるような気がするのだ。

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text by 石松豊