日本の玄関口である東京・八重洲で2023年3月にグランドオープンした「東京ミッドタウン八重洲」では「晩夏を楽しむ納涼イベント」としてこの時期の風物詩ともいえるイベント<八重洲夜市>が今年も開催! 今回で3年目となった2025年は日程やエリアを拡大し、さまざまなコンテンツもよりパワーアップして展開される。

大人たちが晩夏の東京の夜を楽しむ。<八重洲夜市 2025>1週目レポート‬ music_yaesu_010
写真:寺田夏樹

平日も含め10日間にわたり開催される今年は、大盛況となった昨年に引き続き、“一品と一杯”の組み合わせを楽しめる「納涼酒場」、趣向を凝らしたアイテムが並ぶ「宵待商店」、そしてさまざまなアーティストやDJによるフリーライブ「やえす音宴」など、注目したいコンテンツが目白押し!

今回は多くのオーディエンスで賑わった<八重洲夜市>の第1週、8月29日・30日・31日をレポートする。

EVENT REPORT:<八重洲夜市>WEEK 1
2025.08.29(金)- 31(日)
at 東京ミッドタウン八重洲

こだわりのフードから工芸品まで──ここでしか味わえない「涼」を感じる限定夜店

毎年続く酷暑にも慣れてきた8月最終週。晩夏のイベントということで、夏の終わりを名残惜しむ人たちが、祭り一色に染まった東京・八重洲の東京ミッドタウン八重洲に大いに集った。初日の金曜日には仕事も早々と終え、週末気分・お祭り気分を味わおうと、スーツ姿で参加する人たちや、待ち望んでいたかのように浴衣を着て会場に足を運ぶ人たちも。

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写真:Hibiki Iwama/寺田夏樹

今年の<八重洲夜市>でも、フードやドリンクを楽しめる屋台の他、ここでしかゲットできないアイテムを取り揃えた様々な店舗が出店した。

屋内に設けられた「宵待商店」では、3店舗が登場。今年も本イベントのビジュアルイラストを手がけたイラストレーターのカワグチタクヤ氏と、「渋うちわ」でお馴染みの栗川商店のコラボが再度実現。カワグチ氏のイラストが入った「来民渋うちわ」のほか、手ぬぐいや有田焼などが販売され、またイベント限定デザインの商品も並ぶ。オフィスワーカーや、通りがかりでふらっと訪れた人たちの目にも留まり、商品に手を伸ばす姿も見られた。

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写真:Hibiki Iwama/寺田夏樹

また日本の伝統工芸品の和食器や天然石、自然素材を使用して「金継ぎ」という伝統の技法で世界に1つのアクセサリーを製作する「Senju」も出店。金継ぎで彩られた色鮮やかなピアスやネックレスなど、1点もののアクセサリーが並ぶなか、浴衣姿に合うアクセサリーを選ぶ方も。

そして、秩父の森から生まれたフレグランスを取り扱う「BLACKLETTERS」は、天然クロモジ精油をベースにしたフレグランススプレーや香水、インセンスといったアイテムを販売。汗ばむ季節にこそ利用したいものばかりが揃うなか、好みの香りを探す人たちの姿も見られたのが印象的だった。

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写真:Hibiki Iwama/寺田夏樹
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写真:Hibiki Iwama/寺田夏樹
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写真:Hibiki Iwama/寺田夏樹

ビル正面の歩道空間に設けられた「納涼酒場」では、<八重洲夜市>のシグネチャードリンクとして「FRUITS SOUR BAR TRUCK」オリジナルのフルーツサワーが登場。このフルーツサワーには、レモン・オレンジ・ぶどう・キウイのような定番のフルーツのほか、スイカ・パイナップルといった旬のフレッシュなフルーツを大胆に使用。見た目にもさわやかな「生フルーツサワー」を飲み干せば、納涼気分も存分に味わえる。そんな映えも、涼しさも楽しめるドリンクを堪能できるのは<八重洲夜市>ならでは。

その他、今年はフードトラックも盛りだくさん。「u3doco」のジューシー&スパイシーな「サバサンド」、「移酒屋 優」の絶品「たこ焼き」・「揚げ餃子」に舌鼓を打つ人たちや、「なるとキッチン」の揚げたて「小樽名物若鶏半身揚げ」・北海道名物「ももザンギ」を、江戸東京ビールの名所「ニュースクール」の自家製クラフトビール&クラフトコーラで流し込む姿も見られた。

showmore、ODD Foot Works、Julia Shortreed、
下津光史(踊ってばかりの国)、YonYon、牛丸ありさ(yonige)
東京の夜を彩るフリーライブ

各日程、ガレリアの特設ステージでは「やえす音宴」と題し、選りすぐりのアーティストたちによるパフォーマンスも。第1週はポップ・ヒップホップ・フォークロア・アンビエントと、多種多様なジャンルから6組のアーティストたちが出演、夏の宵月を彩った。

初日の口火を切ったのは、根津まなみ(Vo)、井上惇志(Key)の2人によるセンセーショナル・ポップユニットshowmoreだ。金曜夜の18:30スタートと、平日早い時間からのライブにもかかわらず、周辺にはすでに人だかりが。開演時間となり、ステージに姿を見せた根津が「八重洲夜市へようこそ! 楽しんでいこう」と発破をかけると、“violet”で一気に会場は夜の妖艶なムードに包まれていく。この日山中湖で開催の<SWEET LOVE SHOWER>に出演した後、会場に駆けつけたという井上が「どうしても出たかった」と<八重洲夜市>へのラブコールを送ると、会場からは待ち望んでいたと言わんばかりに大きなエールが返ってくる瞬間も。最後には「みんなこの曲知ってる? 絶対気持ちいいから一緒に歌おう!」と“circus”を披露、会場中に合唱が響き渡った。

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写真:Hibiki Iwama/寺田夏樹
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写真:Hibiki Iwama/寺田夏樹

興奮冷めやらぬなか、ODD Foot Worksが普段のバンドセットとは違い、サンプラーなどを使った特別なセットで登場すると、7月にリリースされたばかりの新曲“Johnny&Ayako”をプレイ。金曜日の夜にふさわしく、リュックを背負いながらスーツ姿で揺れる人たちも。オーディエンスのその姿に当てられたかのようにPecoriが「八重洲あちーよ」と声をあげると、“あなたの走馬灯に出れたら”、“KAMISAMA”など、熱量の高い楽曲を次々に畳み掛けていく。「まだまだ夏これからってことでいいですか?」というコールに歓声があがるなか、夏の夜を過ごすにはもってこいの楽曲“Summer”で熱い1日目を締めくくった。

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写真:Hibiki Iwama/寺田夏樹
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写真:Hibiki Iwama/寺田夏樹

初日に続き暑さの続く2日目、アシッドフォーク、アンビエント、エレクトロなど、さまざまなジャンルを織り混ぜた楽曲で、聴く人を独自の世界へと導くシンガーソングライター、Julia Shortreedからスタート。熱気の伝わるプレイが続いた初日と打って変わって、穏やかな空気をまとった楽曲“On the ice”から始まると、陽が落ち始め、少しずつ夜に変わっていく会場に寄り添うように、艶のある歌声とギターの音色が響き渡っていく。夏の湿気でほてった身体が、ゆっくりと落ち着きを取り戻していくのがわかる。うちなる鼓動を感じさせる新曲や待ち遠しいこれからの季節を思い起こさせる“Wild Rose”など、心地よい楽曲が続き、彼女ならではの感性が詰まったステージとなった。

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写真:寺田夏樹
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写真:寺田夏樹

その後を引き継いだのは、踊ってばかりの国のボーカリストとしても活躍する下津光史だ。オーディエンスであふれかえる会場に、下津が颯爽と姿を現すと会場からは拍手と歓声が湧き起こる。“Transient World”からライブが始まると、踊ってばかりの国の“光の中に”、荒井由実の“卒業写真”のカバーと名曲を続けて披露。会場は一気に下津ワールドに引き込まれていく。彼の力ある歌に聴き入っているうちに、気づけば最後の曲に。「生まれ落ちて、ここにおるだけで正解やと思う」と語りギターをかき鳴らすと、人生讃歌“愛のバラード”で、愛にあふれた2日目のステージの幕を下ろした。

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写真:寺田夏樹
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写真:寺田夏樹

3日目のトップバッターには、今年8月に1stアルバム『Grace』を発表した“歌うDJ”・YonYonがDJセットで登場。「自由にこの空間を楽しんでいただけたら」とスタートすると、東京事変“女の子は誰でも”のリミックス曲、RIP SLYME“楽園ベイベー”、DA PUMP“Feelin’ Good -It’s PARADISE-”など、夏を感じられる楽曲を立て続けにプレイし、会場中が夏の陽気に満ちた空気に。また“歌うDJ”の通称通り、セットの途中からは歌いながらのプレイも。DURDNとの楽曲”Drink!”では、「チャーン!(짠)」と自身のルーツでもある韓国で親しまれる“乾杯”の音頭をオーディエンスとともに楽しむ場面も見られた。

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写真:寺田夏樹
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写真:寺田夏樹

<八重洲夜市>1週目のトリを飾ったのは、yonigeの牛丸ありさ。「今日はライブが始まる前に、絶対にお酒を飲むぞと意気込んでやってきました」と話し、オーディエンスと乾杯すると、“ベランダ”、“Club Night”、“True Romance”などyonigeの楽曲を中心にアコースティックバージョンで演奏していく。サイトウユウヤ(Gt)・DAIKI(Key)とのライブがこの日で3回目だったという彼女。そんなことを微塵も感じさせない息のあったパフォーマンスに、誰もが虜になっていく。近づく夏の終わりを惜しむように、何度も乾杯しながら進んだステージは、いつかの夏に思いを馳せる“Super Express”で酔いも音も混ざり合う、特別な大人の夜になった。

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写真:寺田夏樹
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写真:寺田夏樹

そして、今週はいよいよクライマックスの<八重洲夜市>第2週目。過ぎ去っていく今年だけの夏の夜を、ぜひ東京ミッドタウン八重洲で堪能しよう。

text by 竹田賢治
Photo by Hibiki Iwama/寺田夏樹

INFORMATION

八重洲夜市 2025

2025年8月29日(金)~9月7日(日)
場所:東京ミッドタウン八重洲 1F ガレリア、アトリウムほか
入場:無料/入退場自由
主催:一般社団法人八重洲二丁目北地区エリアマネジメント
特設サイト:https://www.yaesu.tokyo-midtown.com/special/yaesuyoichi/