yahyelのEP『SALVAGED』が、各種配信サイトにて本日3月27日にリリースされた。
テーマは“新しい形の共存”へ
愛と狂信という言葉を対に立てることで、対岸の人間との類似性を示し、時代の虚しさと希望を暗示したアルバムの後、テーマは“新しい形の共存”へと向かっていく。不確かなまま、個々のまま、我々はどのようにして共存し、対話への道筋を見出すのか。我々は、それぞれの曖昧さと対峙し、見つめ直すことができるのか?
かつて、古今東西のベースミュージックを吸収した、“無機質”とまで形容される削ぎ落とされた音像が特徴だったバンドは、演奏という肉体性をもって、より自由で血の通ったyahyelとしか形容できないロックミュージックを定義した。本作は、ダブ、ミニマルミュージック、AORなどからの影響も見て取れるように、それぞれメンバーがそれぞれの現場から持ち寄った要素が更に詰め込まれている。
何かを断ち落とすための変化ではなく、拾っていくための変化。“SALVAGED(遺されたものを引き上げる)”という言葉をタイトルにしたEPは、1stアルバム『Flesh and Blood』の楽曲群を再編集することで、次の新たなダイナミズムと進化の兆しを探す、バンドとしての軌跡が詰まっている。