2月26日(月)にSpotifyオフィスで行われた<Listening Party with yahyel ~先行試聴パーティー with yahyel>。3月7日(水)に発売された待望のセカンドアルバム『Human』発売に先駆けて開催された当イベントは、未公開楽曲を含むアルバム全曲をフル尺で試聴しながら、制作中にスタジオで流していた楽曲をまとめたプレイリスト『yahyel : in the studio』を照らし合わせ、メンバー・池貝峻と篠田ミルが制作の経緯や心境の変化について語ってくれた。

yahyel・池貝峻&篠田ミルの解説で読み解く、最新アルバム『Human』 music180307_yahyel_02-1200x800

「人生をどう生きてきた?」

01. Hypnosis

迷いの中に凛とした佇まいを感じさせる“Hypnosis”。制作中はライアン・ゴズリングが主演映画『Drive』の劇中歌である“Nightcall”を聴いていたそう。哀愁を帯びた、透き通るようなハイトーンのヴォーカルはyahyelと通ずるものがある。

yahyel – Hypnosis (MV)

Kavinsky – Nightcall (Drive Original Movie Soundtrack) (Official Audio)

02. Nomi

“Nomi”はNetflixのドラマ『センス8』のキャラクター、ノミ・マークスをイメージして制作をした楽曲。「決断は何を断つか(捨てるか)」という人間の歪みを謳った“Nomi”はSEVDALIZAやJojiを参考にしているようだ。

SEVDALIZA – MARILYN MONROE

joji – demons

03. Rude

イメージは躁鬱。CMに起用した楽曲をブラッシュアップしているという“Rude”は池貝と篠田いわく、遅れてくるスネアの音に合わせて体を揺らすそう。VJを担当するメンバーで映像作家の山田健斗が手掛けた何かを語りかけてくるような、プリミティヴで躍動感のあるMVも合わせてチェックしてほしい。

yahyel – Rude (MV)

04. Battles

ファッションブランド・ベッドフォード(BED J.W. FORD)のコレクションの為に制作し、楽曲のテーマは“Rude”と近い。“Rude”は振り回される自分に対して、それでいいじゃんという肯定、”Battles”は頑張ろうというノリが嫌で、頑張ることに対する疑問だと池貝は語っている。本作は実際に池貝の周りで起きたことが全て楽曲になって繋がっているようだ。

05. Polytheism (feat. Kim Ximya)

KITSUNEのイベントに出演をしていたXXXに声をかけ、Kim Ximyaとフィーチャリングをした“Polytheism”は多神教という意味があり、その人生観がKim Ximyaと繋がってできた楽曲。チベット仏教を杉本亘宅で聴きながら、制作をしていたと話している。川井憲次や久石穣も聴いていたらしい。

06. Acedia (Interlude)

“Acedia (Interlude)”はJoy Orbison“Hyph Mngo”の2分経過した辺りと音が近い。4つ打ちに没頭し、クラブへ通っていた成果が出たとのこと。

Joy Orbison – Hyph Mngo

07. Body

自分のことを語る1曲目だという“Body”は、個人の理由で一緒にいることを考えだすと切ないよね、と謳っている。情緒と儚さはRhyeの空気感に近い。

Bonobo : Break Apart (feat. Rhye) (Alternative Video)

08. Iron

『Human』の中で一番初めにできた“Iron”は、昨年の北朝鮮ミサイル発射事件の日に制作をしており、「ミサイルがもし飛んできたら」という話から派生して、サイレンの音をサンプリング。“Iron”は曲名の通り「人生で何かに影響を受けて変わらなければいけない時もあるし、硬くならければいけない時もある。」という考えを鉄に例えているそうだ。

yahyel – Iron (MV)

09. Pale

1曲目から8曲目の結論となる“Pale”。「捨てることも必要だと理解した曲」であり、「何を失ったか覚えいなければならないけど、捨てなきゃいけない時もあるし、決断とはそういうものだ。」という意味が込められている。三浦半島でドローンを使用して撮影をしたMVで、池貝は20回ほどバスタブから落ち、青痣ができたと撮影秘話も話してくれた。

yahyel – Pale (MV)

10. Lover

苦悩や迷いがあった1年間の中で、池貝は「残ったものを選択するしかない」「愛される側じゃなく愛する側なりたい」という結論を出した。その結論となる楽曲が“Lover”であり、個人の象徴として楽曲ではギターの音が入っている。

『Human』は池貝の感情や生き方が生々しく描かれ、1曲目の“Hypnosis”から10曲目の“Lover”まで感情表現が息づく楽曲となっている。自分たちで探り突き詰めながら思想をストイックに落とし込んだ本作は、「個の存在」に寄り添っているからこそ、リスナーの琴線に触れるだろう。「自分達の予測を超えた、ある種、自分達自身の制御も超えた地点へと到達するアルバム」と彼らが話す『Human』の有機的なプロダクション、そして込められたメッセージを感じながら聴いてほしい。

RELEASE INFORMATION

『Human』

yahyel・池貝峻&篠田ミルの解説で読み解く、最新アルバム『Human』 Yahyel_Human_Cover_3000web-1200x1200

2018.03.07(水)
yahyel

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EVENT INFORMATION

– Human Tour –

yahyel・池貝峻&篠田ミルの解説で読み解く、最新アルバム『Human』 yahyel_Human-Tour-1200x1700

東京

2018.03.29(木)
OPEN 19:00/START 19:30
恵比寿 LIQUIDROOM(SOLD OUT!!!)
ADV ¥3,500(税込/1ドリンク別途)

京都

2018.03.31(土)
OPEN 18:00/START 18:30
京都 METRO
ADV ¥3,500(税込/1ドリンク別途)

札幌

2018.04.05(木)
OPEN 19:00/START 19:30
札幌 DUCE
ADV ¥3,500(税込/1ドリンク別途)

名古屋

2018.04.06(金)
OPEN 19:00/START 19:30
名古屋 RAD HALL
ADV ¥3,500(税込/1ドリンク別途)

大阪

2018.04.07(土)
OPEN 17:00/START18:00
大阪 “RETURN” なんばハッチ
ADV ¥4,800(税込/1ドリンク別途)

高知

2018.04.08(日)
OPEN 18:30/START 19:00
高知 CARAVAN SARY
ADV ¥3,000(税込/1ドリンク別途)
GUEST:SummAny 他

仙台

2018.04.11(水)
OPEN 19:00/START 19:30
仙台 DARWIN
ADV ¥3,500(税込/1ドリンク別途)

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photo by fukumaru