2026年3月29日、高輪ゲートウェイ駅直結の「TAKANAWA GATEWAY Convention Center」にて、世界トップクラスの10代アーティストが集結するエンターテインメントフェス『ZERO FES 2026』が開催される。主催者は、15歳のプロデューサー・天野凱斗。「友だちづくり」を起点に11歳で自身の会社「IDEAR」を起業、10代だからこそ描けるビジョンの出発点として『ZERO FES』を立ち上げた、今注目すべき人物だ。
2025年7月以来、第2回目となる今回は、スケールアップしての開催となる。
イビザの天才と称されるSNS総フォロワー200万人超のDJ ELFIGOをはじめ、Billboard Hot 100入りを果たした米国の17歳ラッパー・BabyChiefDoitの初来日が決定。会場ではShiseido beauty Academy、Spotify、アドビといった企業とのコラボによる体験型ブースも展開され、10代が自ら「つくる側」として参加する新しいカルチャーの発信地となる。
「Nothing is everything」を掲げ、各国のアイコンたちとワンチームで挑む『ZERO FES』。今回は、プロデューサーである天野凱斗のパーソナリティや20歳までに見据える壮大なビジョンから、『ZERO FES』が描く未来までを紐解いていく。

Interview:天野凱斗
ティーンによる世界規模の
革新的イベント『ZERO FES』とは

――今回は、主催者である天野さんのパーソナルな面も掘り下げながら、『ZERO FES』についてお話を聞いていきたいと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
――『ZERO FES』の第1回目を開催されたのは昨年の7月、つまり天野さんにとっては中3の夏。中学校って、学業だけでも忙しいですよね。そうしたなか、「10代がプロデュースする10代中心の世界規模カルチャーフェス」は、どういった経緯で始動したのでしょうか?
このフェスをスタートさせた動機のひとつに、「今こそ10代が繋がるべきだ」という考えがありました。社会にさまざまな問題がある中で、10代が実際に国境を越えて繋がることで、なにか新しいものが生まれるのではないかと感じていたんです。昨年の第1回では、実際に繋がることで生まれるエネルギーを強く実感し、10代だからこそ出会った瞬間に仲良くなれる特別な空気感がありました。

――デジタルネイティブである10代にとって、SNSなどオンラインでの繋がりと同じ空間に集まることの決定的な違いはどこにあると感じますか?
僕が思うに、SNSは、アルゴリズムによって自分に最適化された「おすすめ」ばかりが表示される傾向にありますよね。そのため、自分とは異なるものとの出会いや新しいことに挑戦する機会が狭まったりする部分もあると思うんです。対して、リアルで繋がるからこそ、友達になって一緒になにかを創り上げられる仲間になれる。リアルな場での交流だからこそ起こるなにかがある。という確信がありました。
――パーソナライズされた情報の外に、新しい可能性が広がる『ZERO FES』は、それを体現する場ということですね。フェスのタイトルには、どのような想いが込められているのでしょうか。
「ゼロ」ってすごく抽象的な言葉ですよね。受け手によって定義や想いが違う。解釈を限定しない言葉を探していたとき、この「ゼロ」が自分の中でピタッと決まりました。特定のジャンルに特化せず、様々な国から違う武器を持った10代が集まる場所だからこそ、色をつけない「ゼロ」がふさわしいなって。

「ゼロ」という言葉には、単に何もないという意味ではなく「ここから何でも始めていける」という想いを込めています。裏テーマとして掲げているのは『Nothing is everything』です。10代は「まだ何もできない」と思われがちですが、みんな集まれば大きなことが成し遂げられる! という証明をしたい。そして、まだ目覚めていない才能や可能性が広がる場所にしたいんです。たとえば、今回はDJやダンサー、シンガーだけでなく、Shiseido beauty Academyさんと連携したメイクアップブースなど、さまざまな体験型コンテンツを用意しています。そこで「自分はメイクが好きかも」「ダンスに挑戦してみたい」といった、新しい自分に出会えることがこのフェスの強みです。

JR東日本のバックアップと「奇跡」の来日ビザ
――情熱や具体的なビジョンがあっても、現実的に難しいことも多かったのではないかと感じます。第1回開催までの過程で、大きな転機となった出来事はありますか?
まずひとつ、JR東日本さんがチャンスを与えてくださったことは非常に大きな後押しでした。10代にこれほどの機会が与えられることは、まずないことだと思います。僕たちのパッションやさまざまな奇跡が重なり、開催が決定しました。そこからは、「やるからには必ず着地させる!」という一心で、全力で取り組みました。海外アーティストへの交渉やビザの問題など、数多くの課題がありましたが、奇跡のような出来事の積み重ねで実現にこぎつけました。
なかには本当にギリギリの場面もありました。たとえば、前回出演してくれたチリのラッパーであるMC Millarayのビザが取れたのは、彼女が飛行機に乗る朝だったんです。時差もあり、日本はすでに真夜中。もう出演は無理かと、ほとんど諦めかけましたが、朝起きたら「興行ビザが手配できた」と連絡がきていたんです。
あとでわかったのですが、彼女は自国で英雄的な存在らしく、国がバックアップしてくれたようなんです。ちなみに彼女はその後、ケンドリック・ラマーのライブでオープニングアクトを務めるなどさらに活躍しており、僕もすごく驚いています(笑)。
他にも、国によってはビザ取得の手続きがとても複雑だったりと、時間も経験もない中で課題は山積みでした。だけど、そうした困難をIDEARメンバーと奇跡的に乗り越えられたことで、JR東日本さんからも「次もやりましょう!」と言っていただけた。コンベンションセンターの全ホールを使用するという、前回とは比較にならない広大な空間で、第2回を開催できることになりました。
――規模もさることながら、出演アーティストもパワーアップしています。『ZERO FES』のアーティストラインナップの決定プロセスは?
アーティストのキャスティングに関しては、今この瞬間の10代を呼ぶことにこだわっています。彼らが20代になれば有名になりすぎてしまい、呼べなくなる可能性が高いからです。今でさえフォロワー200万人を超える14歳などがいますが、数年後にはその数が何倍にもなっていることも珍しくありません。だからこそ「今」呼ぶことに意味がある。10代という、まだ枠に閉ざされていない感性を大切にしたいと考えています。
前回も今回も、「この子と一緒にイベントを作りたい」「友達になりたい」と思えるアーティストを絞り込んで、何度も熱意を伝え続けました。彼らに共通しているのは、圧倒的なビジョンと「軸」を持っていることです。アーティストとは言葉が完全には通じませんが、不思議とエネルギーで伝わってくるものがありました。今回のメンバーも、非常に強い芯を持った同世代ばかりです。
――スポンサーへのプレゼンテーションでも、その点に共感や関心を得られたのではないでしょうか?
そうですね。多くの企業やブランドが「10代へのアプローチ」に悩んでいらっしゃいます。その中で『ZERO FES』は、10代が集まる非常に熱量の高いコミュニティとして注目していただきました。JR東日本さんからは「高輪ゲートウェイの街を、グローバルな10代と一緒に盛り上げたい」というお話をいただき、僕たちのビジョンとぴったり合ったことが大きかったです。今回は、JR東日本さんをはじめ、10社ほどのスポンサー企業が関わってくださっており、さらに大きな挑戦だと感じています。日本での認知はまだまだこれからという状況なので、今回はひとつの「現象」として爆発させるしかないと考えています。

一生の仲間との出会いを、大人になるまで待つ必要なんてない。
――天野さんは、『ZERO FES』始動以前に、11歳で自身の会社「IDEAR(アイディア)」を立ち上げていますよね。そこには、どういった背景が?
そもそもの始まりは、10歳のころに自分でスタートした「Dear My Future Friends」というプロジェクトです。「世界中に同世代の友達を作れば、世界はひとつのチームになって平和になるんじゃないか」というコンセプトで、アポなしで大使館を訪問してスピーチを重ね、2年間で20カ国の友達と繋がることができました。
ただ、活動を続ける中で、「ただ友達を作りたいだけなのに、なぜこれほど繋がりにくいのか」という疑問も抱きました。そこで11歳のときに会社を立ち上げ、世界中の10代を繋げるプラットフォームアプリを開発しました。その中で、ネット上や国境を越えたやり取りだけでは、本当に繋がるには限界があると感じたんです。アプリだけでは「実際に出会う」という段階まではいけない。そこで立ち上げたのが『ZERO FES』です。
――10歳にしてその行動力。ご両親からの影響や環境によるものですか?
もちろん環境の助けはあります。両親がいつも挑戦し続ける姿を見て育った影響は大きいです。ただ、直接的なきっかけは学校のSDGsの授業でした。17番目の目標「パートナーシップ」を学んだ瞬間、「友達を増やせばいいんだ!」と素直に感動したんです。その夏休みに、次々と大使館をまわりました。当時はコロナ禍で学校が休みだったので、自分と向き合える時間が長かったことも活動を後押ししてくれたと感じています。それまでは普通にゲームを楽しんだりもしていました。
――こんなことを聞くのも不思議ですけど、今もそういう少年らしいことをする時間はありますか?
もちろんあります(笑)。学校の時間もとても楽しんでます。

――クラスメイトも天野さんのビジネス的な側面を見ると驚くでしょうね。
今回、日本からは世界1位のドローンレーサーである山本悠貴選手が出演するのですが、実は彼、僕の学校のクラスメイトなんです(笑)。初めて会った際に活動について話したのがきっかけでした。前回の会場は、ドローンを飛ばすには厳しい環境でしたが、彼が「僕ならできます」と言って、何時間も集中して取り組む姿には泣きそうになるほど感動しました。彼のように才能と芯のある仲間と10代のうちに繋がっておくことは、本当に大事だと思います。20代、30代になってから知り合うのもいいですが、今のうちに繋がっておけば、将来ずっと一緒に歩んでいける。「あのときはこうだったね」とわかち合える。大人になるまで待つ必要なんて、どこにもないんです。
世界中の10代と創る、「未来の10代が活躍できる世界」
――「世界中に友だちをつくりたい」という純粋な想いがフェスという形で結実し、拡がっていくのはとても素晴らしいですね。天野さんが描く、20代以降のビジョンを教えてください。
まずは、20歳までに「世界中の友だちづくり」をしたいと思っています。前回の『ZERO FES』にも出演してくれたイビザ島のDJ ELFIGO(エルフィゴ)とは大親友になり、今では毎日のように連絡を取り合う仲なんです。彼は今ではSNSのフォロワーが200万を超える世界的なスターですが、僕にとっては大切な友人のひとり。そうやって友人として繋がっていれば、将来なにかビジネスに挑戦したいと思ったときも、信頼できる世界中の仲間に相談ができる。そんな「誰でも挑戦できる世の中」を創っていきたいです。

もうひとつのビジョンは、『ZERO FES』をきっかけに10代の空気が変わっていくこと。「フェスに出たいから頑張る」という子が生まれたり、進学や就職以外の道も当たり前になったりすれば、それは平和にも繋がるはずです。10代の挑戦が当たり前の風景になるころには、今とは全く違う景色が広がっていると信じています。
――この取材の翌日、天野さんは中学校を卒業されるとのこと。新しい出会いと大きな挑戦にぴったりの季節、『ZERO FES』でどんな景色が見られるのか、とても楽しみです。
出演アーティストが「このフェスが一番好きだ」と言ってくれたり、彼らが実際に「アイディア」のメンバーに入ってくれたりと、友達関係の延長で大きな動きが生まれています。今回、そうした彼らの声や、自分の想いを言葉にすることは大きな機会だと感じています。親子での参加も大歓迎なので、10代の仲間同士はもちろん大人のみなさんにも、この「10代が活躍する世界の始まり」をぜひ体感していただきたいです。

text by 野中ミサキ (NaNo.works)
INFORMATION
ZERO FES 2026
| 会期: | 2026年3月29日(日) |
|---|---|
| 会場: | TAKANAWA GATEWAY Convention Center(LINKPILLAR Hall A,B,C) |
| 公式サイト: | https://zerofes.idear.world |
公式SNS
お問い合わせ info@zerofes.idear.world