現地時間16日(日)スタンフォード大学で開催された学位授与式にて、Appleの現CEOであるティム・クックが登壇し、学位を受けた学生に向けてスピーチを敢行した。
ティム・クック「スティーブ・ジョブズはずっと会社を率いてくれるものだと思っていた」
彼はスピーチの中で学生たちに、シリコンバレーの現状やAppleとスタンフォード大学の付き合いについてを語る中、今は亡き前CEO、スティーブ・ジョブズについても口にし、話題となっている。
彼はスピーチ内でジョブズが病床に伏せていた頃のことをこう述懐している。「スティーブが病気になった頃、彼の病気は治るものだと頭の中でずっと信じ込んでいました。彼なら持ち堪えることができる、と考えていただけではなく、僕がいなくなった後もずっとAppleを導き続けてくれるものだと信じて疑いませんでした。そしてある日彼に家に来るように伝えられ、私が考えていた通りにはならない、ということを告げられました。それでも彼に社長として残ってくれるように私は説得し続けたのです」
また彼が亡くなった後についても話はおよび「彼が亡くなって、本当の意味でいなくなってしまったとき、単に“準備ができていること”と本当の意味で“覚悟ができていること”の違いを学ぶこととなりました。あの瞬間が私の人生の中で桁違いに最も孤独を感じた瞬間でした」と、スティーブが亡くなったことへの寂しさを語っている。
Congratulations to the Stanford Class of 2019! It was an honor to celebrate with you today! 🎓 Be different. Leave something worthy. And always remember that you can’t take it with you. You’re going to have to pass it on. #Stanford19 pic.twitter.com/GwW5UHslXD
— Tim Cook (@tim_cook) 2019年6月16日
また、その瞬間から世界中の期待が自身に寄せられていることを理解したという。「ことが落ち着いたときに、私が理解したのは、私自身の一番ベストの状態で居続けなければならないということでした。毎朝目を覚ましたときに、誰かが期待し欲している通りに時計を合わせていると、きっとおかしくなってしまう、ということはその頃にも理解していました。その頃真実だったことは今でも私にとっては真実なのです。だから皆さんには誰かの人生を生きることに時間を使わないでほしい」とそんな中でも誰かの思い通りになってはいけない、と学生たちに期待を込めながら話している。
彼が残したこの言葉はスタンフォード大学の学生だけでなく、世界中のAppleファンをも魅了する内容となった。スティーブ同様、彼が残していくであろう功績にこれからも注目したい。