ついに配信されたAppleによる開発者向けの発表イベント<WWDC 2020>。最新OSに関する情報はもちろん、今後発売される最新のハードウェアに関する情報も発表されるというAppleファン興奮必至の内容となった。今回はその中でも注目すべきポイントを紹介!

Apple Siliconに、macOS Big Sur、iOS 14も!

なんといっても1番の注目ポイントはやはりMacシリーズのARMへの完全移行だろう。Appleは、「Apple Silicon」と呼ばれるARMプロセッサへ約2年をかけて完全移行することを発表した。約10年をかけて開発したというApple Siliconは、iPhoneのAシリーズチップを応用した技術で、iPad、Apple Watchの開発過程で培った技術を凝縮し、ワットあたりのパフォーマンスを向上させたSoCとなるようだ。

Apple Siliconを活用することで、消費電力をより少なく、パフォーマンスをさらに向上させることができるようになることも期待できるという。このApple SiliconをAPMやGPU、さらにニューラルエンジンといったMacに搭載される各種のインターフェースと掛け合わせることで、Macシリーズでのパフォーマンスがより強力なものになることも説明している。またiOS/iPadOSのアプリがApple Siliconを搭載したMacでも起動できるアプリを開発できるようになることも合わせて伝えられている。これは画期的な進化と言えるだろう。

Apple Siliconのパフォーマンスを向上させる最も重要なものとして紹介されたのが、新たなmacOS「Big Sur」だ。

macOS“Big Sur”に、iOS 14、Mac Siliconまで!Appleが今年の<WWDC>で発表したのは? tech200623_apple_wwdc_1

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10年以上もの間で、最もアップデートされたデザイン」となることが期待されるBig Surは、ウィジェットの表示やDockのデザインなどもまったく新しいものに。見た目にはiOSやiPadOSなどのデザインに近いものになっているようだ。

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さらにSafari、Messenges、マップに加え、最新のプライバシーに関する機能も改善されることになるという。特筆すべきはSafariのアップデートだ。より処理速度が向上し、消費電力もさらに抑えることができるようになり、Google Chromeよりも平均して約50%も速くなることが伝えられている。またタブのデザインもマイナーチェンジしており、各サイトのFaviconがスクリーン上に表示できるようになり、さらに表示しておけるタブの数も多くなるようだ。開いたタブがどのサイトであるかを文字だけに頼らないで済むのは、実際に使ってみるとかなり楽に感じるかもしれない。

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macOS Big Surは、2015年以降のMacbook、2013年以降のMacBook Air、2013年以降のMacBook Pro、2014年以降のMac mini、2014年以降のiMac、2013年以降のMac Pro、iMac Proの全モデルで利用することが可能に。米現地時間22日(月)から開発者向けのベータ版がリリースされることも伝えられている。パプリックベータ版は今年の夏後半ごろをめどに発表されるようだ。

さらに身近なものでいえば、iPhoneのOSであるiOSも最新の「iOS 14」にアップデートされることに。iOS 14で最も注目したい機能は再設計されたウィジェットだろう。それぞれのアプリのタイムリーな情報がホーム画面上から確認できるようになっているのが特徴的だ。ホーム画面から一目でアプリの使用状況がわかるのはかなり使い勝手が良さそうだ。

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また「App Library」と呼ばれる新たな機能も追加。使用しているアプリが「おすすめ」や「最近追加したアプリ」などのように、自動的にひとつのカテゴリに統合され、表示できるように。自動的にカテゴリ分けされるため、どのアプリがどこに振り分けられているのかは確認してみないことにはわからないが、今後重宝する機能になるかも?

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さらにおそらく待ち望んでいた方も多い機能のひとつ、ピクチャインピクチャ機能も追加された。この機能を駆使すれば、動画やテレビ電話を利用しながら、他のアプリを起動させることができる。また電話がかかってきた際、強制的にアプリから退出させられる動作もなくなり、スクリーン上部に通知が表示されるようになるのも嬉しいポイントだ。

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App Clips」と呼ばれる機能も追加。この機能を駆使すれば、日常生活で必要なアプリが、App Storeを開かなくてもその使用するタイミングごとに自動的にダウンロードできるようになるという。例えばショッピングするためにECサイトを閲覧している際に必要なアプリや、支払いが発生した際に活用できるアプリなどが瞬時にダウンロードできるようスクリーン下部に表示されるようになるようだ。

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この他にも、車の鍵を開けられるようになる「Digital car keys」機能や、さらに進化した「Find My」アプリなどアップデートは盛りだくさんとなっている。最新のiPadOSとともに今年秋にリリースされる予定だ。さらに最新のiPadOS、tvOS、watchOSなど、挙げればきりがないほどに最新の情報が公開されている。あなたはどの情報が気になった?

WWDC Special Event Keynote — June 22, 2020 – Apple