2017年6月5日にアメリカで開催された<WWDC17>(Appleの開発者会議)で発表された「HomePod」。日本での発売日は未定だがオーストラリア、アメリカ、イギリスでは2017年12月に販売開始。価格は349ドル(38,390円 ※1ドル=110円計算)で、カラーはホワイトとスペースグレーの2色展開となる。
今回は、iPod nanoとiPod shuffle販売終了によるiPod時代の終焉、Appleが起こそうとしているのがHomePodによる「家庭での音楽の楽しみ方」の革命、HomePodの特徴を解説する。
iPod時代の終焉
2014年 iPod classic販売終了
2014年に大容量のハードディスクドライブを搭載したモデルiPod classicの販売が終了。2001年に発売された第一世代から続くホイール搭載モデルの販売が終了していた。当時、販売終了を受けて音楽ファンからは販売終了を惜しむ声も聞かれた。
2017年 iPod nano、iPod shuffle販売終了
そして、2017年7月にはiPod nanoとiPod shuffleが姿を消すことに…。これにより、「iPod」という名前が冠された製品はiPod touchだけとなった。
iPod touchはiPhoneやiPadなどと同じオペレーティングシステム「iOS」を搭載しているモデルで、iOS以外が搭載されたiPodは無くなったということに。
2001年にAppleとスティーブ・ジョブズの手により生み出された、初代iPod。携帯音楽プレーヤーにイノベーションを起こした革命的端末iPodの時代が終わったと言えるだろう。
Appleが起こす次なる音楽のイノベーションHomePod
スマートスピーカー市場ではAmazonの音声アシスタントAlexaを搭載した「Echoシリーズ」、Googleの「Google Home」、LINEの「WAVE」などがしのぎを削る状況だ。
そこに、携帯音楽プレーヤーの技術革新の次にAppleが起こそうとしているのがHomePodによる「家庭での音楽の楽しみ方」の革命となりそうだ。<WWDC17>でもAmazon「Echoシリーズ」や「Google Home」を超えるものだと発表されていた。
Google I/O 2017 | New features coming to Google Home
Amazon Echo – Now Available
従来のスピーカーとスマートスピーカー・HomePodの違いとはどこにあるのだろうか? Appleが発表した8つの特徴を解説してみたいと思う。
Introducing HomePod — Apple
Appleのデザインによる上向きウーファー
「カスタムA8チップを搭載し、リアルタイムソフトウェアモデリングを通じて低音管理を可能にします。その結果、スピーカーは最高にディープでクリーンな音を歪みなしで実現します。」
ウーファーとは低音再生を担当するスピーカーユニットのことであり、モデリングとは目に見えないものを可視化するということ。HomePodは部屋の大きさなどを把握し、自動で低音のコントロールを行なってくれるようだ。
7個のビームフォーミングツイーターのカスタムアレイ
「それぞれにアンプが付いており、バランスの取れたスムーズな音色を表現し、複数のビームシェープとサイズの正確な方向性コントロールを提供します。」
ツイーターとは、高音部を担当するスピーカーユニットのことで、ビームフォーミングとは、ターゲットにした方向に音を伝える技術だ。
スピーカーの設置場所に注意を払わなくても部屋中どこにいても心地よく音楽を楽しむことができるようになりそうだ。
AppleのデザインによるA8チップ
「先進のオーディオイノベーションの裏方となる頭脳を提供します。」
Apple A8チップとは、iPhone6やApple TV(第4世代)などに搭載されているSoC(CPUを含め制御に必要なものがまとめられたチップ)が頭脳として機能する。
自動室内感知テクノロジー
「これによりHomePodは、部屋の隅、テーブルの上、本棚の中など、部屋の中のどこに置かれているかをすぐに学習します。そしてどこに置かれていようとも数秒で、没入感のある音楽体験を実現するために最適化します。」
部屋のどこにスピーカーが置かれているかを検知し学習。没入感のある音楽体験をもたらしてくれる。
6個のマイクアレイ
「高度なエコーキャンセレーションにより、ユーザーが近くにいても、部屋の反対側にいても、たとえ大音量で音楽が鳴っていても、Siriが人の声を理解することを可能にします。」
音楽が大音量でプレイされている状況でも反響を抑えて人の声をSiriが認識できるように6つのマイクが搭載。
Siriの波形
「Siriが起動すると、Siriの波形が最上部に現れて知らせます。さらに、タッチコントロールと統合されているので、ナビゲーションは簡単です。」
スピーカーの上部にSiriの起動を知らせてくれる波形が表示、タッチパネルによるコントロールも可能で簡単に操作できる。
自動検知とバランス
「2つのスピーカーは直接音と反射音を使って素晴らしいオーディオをワイヤレスで提供し、さらに没入感のある体験を実現します。」
直接耳に入ってくる音と壁や部屋に設置してあるものからの反響音を駆使してより音楽に没入できるように。
簡単な設定
「設定は、AirPods™の設定と同じくらい直観的に行うことができます。iPhoneをHomePodの横に持ってくると、数秒で音楽を再生することができます。」
同じApple製品のiPhoneと簡単にペアリングを行うことができるようだ。
さらに、セキュリティーやプライバシーの保護も万全で音声情報は暗号化される。しかし、何と言っても4,000万曲以上の音楽が聴けるApple Musicへの最適化と既存のApple製品との親和性が最大の特徴と言えるのかもしれない。
日本での発売日がいつになるのか、価格にも注目だ。
Apple
Appleは1984年にMacintoshを登場させ、パーソナルテクノロジーに革命を起こしました。今日Appleは、iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TVにより世界のイノベーションを牽引しています。Appleの4つのソフトウェアプラットフォーム――iOS、macOS、watchOS、tvOS――はすべてのApple製品でシームレスな体験を提供するとともに、App Store、Apple Music、Apple Pay、iCloudといった画期的なサービスで人々の可能性を拡げています。Appleの10万人以上の社員は世界で最も素晴らしい製品を創り出すこと、そして自分たちが生まれてきた世界をさらに良いものとして次世代へ残すことに邁進しています。