AppleがAIスピーカー(スマートスピーカー)の新製品となる『HomePod』を発表。2月9日に本国アメリカを含む、3カ国で販売を開始した。身近に体感できる人工知能により、私たちの生活はどのように変化するのだろうか? 起業家・フューチャリストとして、多角的に未来の在り方を提言する小川和也氏に伺った。

AppleのAIスピーカー『HomePod』は、高音質なスピーカーテクノロジーとSiriの知性を併せ持つ未来型デバイス。Appleの真骨頂とも言える、高さ7インチ弱のシンプルかつ美しいフォルムも特徴だ。『HomePod』及びAIスピ―カーの魅力を、北海道大学で人工知能研究に従事するとともに、J-WAVE 『TOPPAN FUTURISM』ではナビゲーターを務める起業家・フューチャリストの小川和也氏にインタビュー。すると、メディアではあまり語られないAIスピ―カーの本質とテクノロジーの意義が浮かび上がってきた。

Google、Amazonに続き、AppleからもHomePodが登場。スマートスピーカーがもたらすライフスタイルの変化とは? technology180411_homepod_3-1200x801

AIスピ−カーが普及するための鍵は、“必然性”

『HomePod』は、6個のマイクで音声をコントロールし、Siriを使っての音楽プレイリストの選曲や、メッセージの送受信、さらにはスマートホームデバイスを操作することで照明を点けたり、シェードを下ろしたりすることも可能なAIスピーカー。AIスピーカー自体、昨年から今年にかけてAppleだけでなくAmazonやGoogleなども新商品を発表するなど、盛り上がりを見せている。

「AIスピ―カーに関して、AppleやAmazon、Googleなどのビッグプレーヤーたちが参入してきているということは、成功の自信があるということ。AIスピーカーは成り立つかというよりは、どのように進化するかという観点で見ています」

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Appleと言えばもちろん音楽。『HomePod』に関しても、音楽を軸にライフスタイルに寄り添った機能を今後も重視してくることが予想され、さらに生活に寄り添ったデバイスという意味ではデザインも重要。シンプルかつどんなインテリアとも違和感の無い『HomePod』のフォルムは、Appleの真骨頂とも言えるだろう。

ただし、現時点ではAIスピーカーというものがまだまだ消費者にとって馴染みの薄いものであることは否めない。それに関して小川氏は“必然性“が重要になってくると考える。

「今は音楽を聴くという部分の比重が大きく、その域を超えていないところがユーザーにとってある。それに関しては必然性をどう作るか、ということが大事になってくると思います。ただし、各社も現時点で出しているものは名刺代わりのようなもの。AIスピ―カーも取っ付きやすい音楽というコンテンツで生活の中に入っていっている段階なので、そこだけ切り取って良い悪いは語れないと思います」

AIスピーカーがもたらす未来のライフスタイル
そして“音”へのこだわりを取り戻すってどういうこと?

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Text:ラスカル(NaNo.works)
Photos:大石隼土