決して仲が悪いわけではないけれど、普段の会話もめっきり減ってしまった父親と年頃の息子。同じ家に暮らしていても、別々の部屋で別々の時間を過ごすことが多い毎日。息子は、社会人の先輩でもある父と仕事のことなど話したいと思いながらも、ついつい自分の部屋にこもってばかり……。
しかし、父の定年退職を翌日に控えたある日。
息子は、父が晩酌をする居間へ向かいます。めずらしく一緒に酒を飲み交わす親子。そして息子は改めて父の定年の日を労い、自分の近況報告を。そんな息子の様子を見て、社会人の先輩として息子に語りかける父親……。
いつしか二人の顔には笑みが。久しぶりの親子の会話は続いていきます。
「家族と過ごす時間って暖かいものだったんだ」
そんな家族の様子を描いた動画が今、「感動的だ」と話題を集めています。
家族と過ごす時間/関西電力
実はこの動画、制作したのは「関西電力」。動画の中で流れる「冬を暖かくするのは、家族と過ごす時間」というメッセージからも分かるように、「冬を乗り切る節電術」の一つとして家族で集まり、会話をすることを提案しています。一つの部屋に家族が集まることで、他の部屋での電力使用が減るわけですから、自然と節電につながることは納得がいきます。
実際に動画の中でも家族が一つの部屋に集ったことで、明かりが灯る部屋が減っている様子が描かれており、家族の時間というものが節電効果をもたらすことが分かります。さらに節電効果だけでなく、家族との触れ合いの時間が暖かさをもたらすことは、動画の中の親子の表情から見ても受け取れます。
今シーズンでは昨年12月1日から3月31日までの期間は、政府が定めた「冬の節電期間」にあたります。寒さが厳しいこの時期は、電力の供給も増える時期。この冬の需給見通しについては問題ないとの発表もされていますが、発電所のトラブルなど、不測の事態を想定し、着実な節電・省エネに協力したいところです。
「節電」と聞くとなんだか苦しい、大変なものというイメージが先行しがちですが、この関西電力の動画のように「家族と一緒に過ごす」といったちょっとした工夫だけでも充分節電に協力していることになります。他にも、エアコンや電気カーペットの温度設定に少し気を配るだけで節電効果が得られることも。「節電」と難しく考えすぎず、日常の生活を少し見直してみてはいかがでしょう? 家族と過ごす時間が節電につながれば嬉しいですね。
(text by Asuka Yoshitaka)