い音楽には国境も肌の色も関係ない、好きか嫌いか、カッコいいかカッコよくないか。それは事実だが、こと現実にそれを証明する行動をとるバンドはどれぐらいいるだろうか。有言実行。この言葉が最高に似合うバンド、ONE OK ROCKは昨年の大半をアメリカ最大のサーキット・ツアー<Vans Warped Tour>や、南米・ヨーロッパ計15ヶ国全20会場20公演に費やしてきた。そして同時に初めてレコ—ディングからミックスまでの全てをアメリカで行ったアルバム『35xxxv』の制作を進行してきた。

この1月には昨年の海外ツア—で出会ったイエローカードやトゥナイト・アライヴ、ゴースト・タウンが来日してのオムニバス・ツアー<AP Japan x Tokyo Loud presents “Ten hundred Miles Tour 2015″>でトリを務めたばかり。バンド主催で海外アーティストを招聘するイベントはあるが、海外の現場で同志になったバンドが日本で一堂に会するのは非常にレア。いかにONE OK ROCKが海外での活動をレギュラーなものとして身につけてきたかが分かるイベントだったと思う。

結成当初からのビジョンである世界規模での活動を実現できたこのバンドのモチベーションとは何か。そしてバンドサウンドを軸に、よりスケール感やドラマ性を掻き立てるエレメントを導入したニューアルバム『35xxxv』とは彼らにとってどんなアルバムなのか。メンバー全員インタビューでONE OK ROCKが今いる地平をぜひ実感してほしい。

Interview:ONE OK ROCK[Taka(Vo)、Toru(G)、Ryota(B)、Tomoya(D)]

ーーそもそも海外で活動するというモチベーションは何だったんですか?

Taka 憧れる音楽やかっこいいと思う曲に洋楽が多かったんですけど、活動を始めた頃はそれを表現できるスキルがまだ自分たちにはなくて。でも日本で活動していく中でいろんなものを吸収していったんです。で、そういった何年間を日本で過ごして、前回の『人生×僕=』をリリースしたんです。僕らの中で日本で作品を作って世に出すっていうことに関して、ちょっともう限界があるというか、自分たちでできることはやりきったなっていう感じになったんです。で、それと同時に念願だった日本以外の国でのライブっていうものをちょっとずつ実現できるようになっていく中で言うと、海外っていうものを改めてしっかり自分の目や肌で感じることができてたんですね。それにすごく影響受けたというか、そこには自分たちが予想するよりはるかに多くの人数が待ってくれたりしてたので。やっぱりこう、日本だけで活動することの意味っていうものを見出せなくなってきたんですね。まぁ、そこで今回、制作のすべてを日本ではなくてアメリカの空気を吸いながら、作品を作って曲を作るっていう、そういう方法に至ったんですけど。

——日本でやりきった感って具体的にはなんなんでしょうね?

Toru 結成してもう10年ぐらいになるんですけど、やっぱり常に挑戦して行きたいなっていうのはあるし、もっと外の世界を見たい思いが常にあったから、そこで次に挑戦するには何が必要なのかな? っていうところで、新しいアメリカのエンジニアだったり、いろんな人たちともっともっと関わって、自分たちに必要なものを見つけていかないとっていうのはありましたね。

ONE OK ROCK – Nothing Helps (Live at Vans Warped Tour Kick Off Party 2014)

——初めて海外ツアーをしていた頃が、既に無邪気だった気はしませんか?

Taka そうですね。今でもアメリカに行くととても無邪気ではあるんです。今まで自分たちが日本でやってきたことを今、アメリカでやってるような感じだから。ただ、バンド結成してライブをやっても最初はお客さんが2人とか3人とかだった状況から比べると、今僕らが海外でやれてる状況っていうのは、もうはるかにその先を行ってるというか。下手をすると自分たちが理解できないぐらいの環境でライブをやれてるというところで言うと、どこかでいつまでも自分たちもはしゃいでるだけの感覚ではできないなっていう気持ちにたぶん途中で変わったんだと思うんです。自分たちが海外でライブすることの意味みたいなものは、日本で成功して、その成功の先の延長線上にポンとできたものではないというか。だから気持ちの切り替えみたいなものは……持っとくべきだなという。

——映画『FOOL COOL ROCK! ONE OK ROCK DOCUMENTARY FILM』の中で既にそう話していましたね。

Taka 言ってもまだ僕らって日本人だし。 向こうの人からすれば言い方悪いけどギミックみたいなところは多少あると思うし。それが今度、視点が音楽に変わって、そしてバンドに変わっていく。ONE OK ROCKっていうバンドが普通にそこに存在しているって状態にしていきたいとは思ってるんですけど。

FOOL COOL ROCK! ONE OK ROCK DOCUMENTARY FILM [Official Trailer]

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